21.エンドレス
信仰度★★☆☆☆
【エンドレス:endless】
終わりのないさま。無限。
『デジタル大辞泉』より
有終の美を飾る。
美しい言葉です。ですが、それはほとんどフィクションの話だと思います。
現実に大満足で結末を迎える例の何と少ないことか。
ここのところリアルの生活に一つの区切りが近づいており、切に実感することは、残された課題の大きさばかりです。
区切りは区切りなので始末はつけますが、きっと課題や痛みは残るでしょう。
それでいて、後悔や失敗の念に苛まれているのかといえば、それも私の感情の中心ではありません。課題や痛みを味わうことも、そこに至る歩みがあったからですからね。
人間は歩んだ分だけ次のより大きな課題を見せてもらえるし、またその繰り返しを経て、要するに成長するのだなと感じます。
ゴールが見えてきた途端、急激に力が入らなくなる。そんな経験はございませんか。少し前の自分がまさにそうでした。
人は「ある地点から先はやらなくて良くなる」と分かっていることを、今この時にさらに頑張る意味を見出せなくなるようです。
スポーツの世界にはマラソンがありますが、実際の人生において、ある地点に至ればもう走る必要がなくなるなら(はっきりとゴールがあるのなら)、今しゃかりきに走る意味が分からなくなる。そういうものだと感じます。
だから、意味を更新するのです。
すなわち、ゴールだと思うその地点は実はゴールではなくて、次のスタートだということ。そして、今の歩みはそのスタートを切るための準備だと。
「あきらめなければ、いつか成ってくる」
父の口からよく出る言葉です。
父もまた、見えないものを信じようとし、終わりのない人だすけ中心の生活を送っている一人であり、私にとっては同じ道の先を歩む先輩です。
いやそりゃずるいよ。決められた期日までに結果を出すから価値があるんだ、と反発もしましたが、最近この言葉がよく身にしみます。
ゴールがないから頑張れる。ゴールが見えないから、今日の不甲斐ない自分も、目の前の相手の不誠実も許せる。
いつ死ぬか分からない。だから、明日の幸せを夢見れるし、今日を精一杯生きられる。
「世界は、このぶどうのようになあ、皆、丸い心で、つながり合うて行くのやで。この道は、先永う楽しんで通る道や程に」
(おやさまのお言葉『天理教教祖伝逸話篇』 135 「皆丸い心で」より)
終わりが見えないというのも悪くないのです。先の楽しみを忘れずにいたいですね。
やでも、「あきらめなきゃいつか成る」はちょっとずるいなぁ。