わたがし 抄

天理教の人 生きていく中で生じるまとまった感慨や、見知らぬ誰かの毎日が少し幸せになることを願っての小話を投稿していきます。どうぞ気軽にコメントしてください。

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マガジン

  • 最初の音 ー信仰エッセイー

    note初心者の私が、日々の感慨を天理教の信仰を交えながら書いた一話完結のエッセイ集です。毎日投稿の形跡があります。2019.2~2019.9までの全32作。

最近の記事

毎日がエブリデイの語感の良さ

カクテルパーティ効果というけれど、そんなおしゃれなパーティしたことないのでいつかやってみたいよね。ビール無し、ハイボール無し、純度100%のカクテルパーティ。 多くの音の中から、自分が必要としている情報を無意識で選択できるという脳の動きを指す、「カクテルパーティ効果」は、認知心理学でも有名な言葉ですが、これは確かにそうかもなと最近思いました。 教区の青年会に顔を出した時のことです。 同じ教区の青年仲間との雑談の中で、 「この前追突されてさぁ」 とか 「俺もこの前車

    • わたがしのこと 天理教のこと

      こんにちは! わたがしと言います。 私は自分のnoteをエッセイ置き場として活用しています。 天理教を信仰する私が、日々の感慨のまとまりや、これは面白いぞと思ったちょっぴり良い話などを書き留めて投稿しています。 天理教の信者の方、天理教に何らかの関心がある方、宗教を信仰している人間がどんなことを感じているのか興味がある方、なぜかクリックしてしまった方、どうぞどの記事でもおひとつ読んでみてください。 この記事は、わたがし個人のプロフィール帳です。それではどうぞ。 自己

      • 大学卒業して何者にもならなかった私の道のり

        私のプロフィール記事から飛んできてくれたことと存じます。 まとまりのない書き散らしです。信仰の世界に本格的に入って10年になりますので、少し立ち止まって冷静に振り返りたいと思います。 10年ほど前、当時学生の私には卒業してからやりたいことがありました。ですが天理教内部の方や親から強く反対され、卒業したらすぐに道(天理教)につくよう説得を受けました。しばらくの期間、教内の方々や教会長である親との問答を続けたものの、結局私が折れて、内定辞退をした末に、この道につくこととなりま

        • 水の味

          信仰度★★☆☆☆ あけましておめでとうございます! 2023年とか完全に未来に来ちゃいましたね。皆さんは2023年は初めてですか?私は初めてです。 年末に家族がコロナにかかりまして、あらゆる予定をキャンセルして過ごしました。まず母がかかり、次に妻がかかり、最後に会長である父がかかりました。 母と妻がほぼ同時に寝込んだので、年末のあれこれはいきなりハードモードになりました。年老いた祖母も奮起してくれ、なんとか年を越せそうなところまで来たのもつかの間、今度は会長が発熱し、

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        • 最初の音 ー信仰エッセイー
          32本

        記事

          原則に生きるのは難しくとも

          信仰度★★★☆☆ 「天理教ってなんだかイスラム教に似てますね」 (うわー、やべぇ人と一緒になってもうた) そういう短絡で不躾な印象を持ったものの、その時の私は彼にとってのたった一人の聞き手だったので、コミュニケーションを続けるために、恐る恐る「それはどういうことですか?」と聞き返しました。 イスラームと天理教の類似点 数年前、修養科の教養係をつとめた時のことです。 当時の修養科生にヤベさんという70代の男性の方がいました。 ヤベさんは信仰初代の方で、町内会の活動か

          原則に生きるのは難しくとも

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          信仰度★★★★★ どうにもこうにもご無沙汰してます、わたがしです。かりものの身体を通して最近神さまに教えてもらったことについて、ちょっと書かせてもらいます。 1.祭典雅楽でのアクシデント 先日、大教会の月次祭に参拝した日のことです。参拝というか、雅楽の役目に当たっていて、祭儀式に登殿していました。 うちの大教会では祭典の時に雅楽を奏でます。私は時折その奏者をつとめることがあります。その月、私は箏(こと/そう 雅楽で使う琴みたいなもの)に当たりました。箏に当たるのはその

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          裸の神さま

          信仰度★★☆☆☆ 毎度ご無沙汰してます。 0.自教会、普請しましたかねてより、私の教会では新しく神殿を建築していましたが、この程、無事に竣工しました。私共にとって、神殿の普請は約50年来の宿願でありました。計画が本格化してから数えて7年、ようやく完成し、再出発の日を迎えることが出来ました。そんな慶事にもかかわらず、不穏にも感じ(てしまっ)たことを書いていこうと思います。 1.神さまのお引越し今回私たちは、旧の神殿に隣接していた付属屋を取り壊し、その跡地に新しい神殿を建設

          裸の神さま

          力を借りなければ

          信仰度★★★★☆ とあるメンタリストさんの「差別的発言」で、またしてもインターネットが噴きあがってますね。 それはそれとして、 われわれの日常、とりわけ、インターネットの言論空間は、(あそこまで分かりやすくはなくとも)差別的な言動で溢れていますね。Dさんをここぞとばかりに叩く方が、同じ口で、別方面から、巧みな言葉によって隠蔽された差別思想を垂れ流すこともまた、実際の一端です。 果たして人間は、自分自身の差別感情には無自覚なもので、さまざまなケースを見聞きするにつけ、個

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          領分の内でもがく

          信仰度★★★★☆ 1.悩みのたねここんとこの私の悩みのたねは、ある方のちょっと困った事情です。その人自身は困っていないのですが、その人の親や家族はえらく心配しています。私とも近い関係なので、見ちゃいられないです。 なんとか心を切り替えてもらおうと、連絡を取り、話しかけて、私なりに説得を試みるのですが、今のところうまくいってません。 そのような折、日課の路傍講演(街頭で天理教の話を演説する行為)で話す「かしもの・かりもの」の話が、普段と違った角度で私自身に刺さってきました

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          停滞の中でこそ

          信仰度★★☆☆☆ 河津桜(カワヅザクラ)をご存知でしょうか。 静岡県の河津町発祥の桜の一種で、2月から3月にかけて咲く早咲きの桜として名が知れています。 http://www.kawazu-onsen.com/sakura/ 河津町では毎年この時期に河津桜まつりが開催されていて、観光客が一足早い春を楽しんでいます。この時期伊豆半島の道路はギチギチです。 ところが、今年の祭は残念ながら中止になってしまったようです。どころか、祭の開催側が花見を自粛するよう呼びかけする始

          停滞の中でこそ

          それでも優しさからはじめる

          信仰度 ★★★★☆ 0.近況雑記このほど、親教会での青年づとめを終え、実家の教会に戻ってきました。 天理教では、私のような教会後継者を系統上位の教会に一定期間住み込ませ、教会の用事をさせながら信仰の涵養をはかる育成システムがあります。 私も大学を卒業してこの道に入ってからそのようなシステムに組み込まれ、7年の間お育てていただきました。 年に一度帰省していましたが、生活の場として実家に戻るのは10年ぶりのことです。 note更新を最近はさぼっ、ご無沙汰していましたが、

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          命の終わりを見届ける

          信仰度★★☆☆☆ 命の終わりを見届けることは、望んでできることではありませんが、しかし、いざ直面するとなかなか示唆的な体験だなと感じ入るものです。 …うわ、ちょっと重めな話?ブラウザバックやな。 そう思った方は猛省が必要です。私はこれから靴の話をします。3分で読めます。タイトルで釣った形になっていたらごめん遊ばせですm(__)m 「スリッポン」という間抜けな響き、好き 最近靴を買いました。たいそうなものではなく、GUのスリッポンです。 今つとめている教会での生活は

          命の終わりを見届ける

          不在の鈍痛

          信仰度★★★★☆ 同じ教会で住み込んでいる一人の婦人さんが、先日倒れて入院しました。今も入院中です。 寡黙な女性で、私ら若手の青年と言葉を交わすことはそれほど多くありません。正直に言って、その方が教会にいることは私にとってあまりに当たり前の風景で、その人の存在を強く感じたり、親しく話し込んだり、ましてやその方の存在に感謝することを、私はしていませんでした。 まことに恥ずかしながら、その方が教会から居なくなってはじめて、その存在を強く感じた、そんな経験をしました。 1.

          不在の鈍痛

          「目に見えないけどある」←どうしろと

          信仰度★★★★☆ 「本当はもっと早くに結婚したかったんです」 おいおいおいおい。 そういう話は別の人にした方がいいんじゃないかと思いましたが、その場を離れることかないませんでした。いや、もしかしたら、「そんな話興味ありませんよ」とすました振りをして、実は他人のそういう話をスゲー聞きたがっている私なのかもしれません。 1.伏せ込み女子の吐露先日、同じ信仰を持つ少し年下の女性と話す機会を得たのですが、その折に恋愛観というか結婚観の話になりました。といっても、お互いに特定の

          「目に見えないけどある」←どうしろと

          そのときそこにいる

          信仰度★★☆☆☆ 誰かとの再会は、かつての時間を今に戻すだけでなく、より深く意味づけてくれることがあります。 私は7年前に「修養科」(天理教の本部で3か月間修養生活を過ごす天理教入門コース的なもの)を出ました。先日、その修養科同期で、私のルームメイトのひとりだったマツイ君(仮名)と再会しました。 ◎マツイ君(♂ 少し年上)  ●天理教の教会の息子  ●既婚子持ち  ●赤マル愛煙家  ●見た目マイルドヤンキー  ●口癖「泣かすぞ」 マツイ君とは修了後しばらく連絡を取り合

          そのときそこにいる

          激動の外側で

          信仰度★★☆☆☆ 朝の神殿掃除で上段を拭いている私の背中を、生まれたばかりの陽光がやさしく照らしました。(おお、なんかそれっぽいぞ!(/・ω・)/) おぢば(奈良県天理市)よりはるか東方にあるこの教会には、東側の正面玄関から神殿に向かって朝日が差し込みます。神殿掃除の時間は一年中固定なので、朝日が差し込む時間が掃除の時間に重なるのは、ちょうどこの時期だけです。期間限定イベントですね。 それまで私らより遅ようさまだった太陽が、この時期から私らに追いついて、そのうち私らより

          激動の外側で