【エッセイ】自由を爪に宿して
大学生になった頃だろうか。
自分でお金を稼ぐようになって、ようやく自我が芽生えた気がする。
それまでは、自我が芽生えたふりの優等生だった。
「母や祖母の気に入る言葉」を「自分の意見」として発信して、かわいがられていたように思う。
今でもそれはあまり変わらない。それが私なりの気遣いの仕方だからだ。
でも、自分でお金を稼ぐようになって、メイクや服選び…ことにファッションに関しては自由にお金を使うようになった。
自分のお金だから、母や祖母の意見を聞かなくてもあんまり後ろめたくない。