誰が軽いセックスに寛容なのか？：カナダの大規模研究から

背景・目的

World Values Survey (WVS)は、人々の価値観や信条を調査し、それらが時間とともにどのように変化し、社会的・政治的にどのような意味をもつかを探る世界的な調査プロジェクトです。
WVSは1981年以来7回にわたって調査を実施し、100カ国以上、世界人口の90％以上を対象としています。

WVSが調査するトピックのひとつは、文化や宗教、世代によって大きく異なる性的態度です。
特にWVSでは、婚前交渉とカジュアルセックスについてどう思うかを回答者に尋ねています。

Rodrigue, C. (2024). Attitudes toward premarital and casual sex in Canada: A secondary analysis of the Seventh Wave of the World Values Survey. The Canadian Journal of Human Sexuality, (aop), e20230024.

婚前交渉

婚前交渉とは、結婚前に行われる性交渉のことです。
結婚する予定の相手との場合もあれば、それ以外の相手との場合もあります。
婚前交渉は様々な文化や宗教で議論されてきたテーマであり、その可否や意味合いについては様々な見解があります。

カジュアルセックス

カジュアルセックスとは、コミットした恋愛関係にない2人の間の性行為と定義されます。
それは、性的パートナー間のコミットメント、感情的な愛着、または親しみの不在を意味します。
カジュアルセックスの例としては、ワンナイト・スタンド（ワンナイトラブ）、friends with benefits（FWB）関係、その他のコミットメントのない性的経験が挙げられます。

婚前交渉もカジュアルセックスも、文化的、宗教的、個人的な信条に影響されることが多く、さまざまな見方や考え方があるテーマです。
また、性感染症や精神的な影響などのリスクも伴います。
だからこそ、安全なセックスの実践と、性の健康と境界線に関するオープンなコミュニケーションが重要です。

方法

カナダのセント・ジェローム大学セクシュアリティ・結婚・家族学部の研究者であるCarl Rodrigueによる最近の研究では、カナダの成人4,018人のサンプルから2020年に収集されたWVSの第7波のデータを分析しました。
研究の目的は、カナダの一般人口における社会人口統計学的特性と婚前交渉およびカジュアルセックスに対する態度との関連を探ることにありました。

結果