ダークテトラド特性と陰謀論信仰との関係： スロバキアでの研究
皆さんこんにちは、津島結武です。
皆さんは陰謀論は好きですか？
陰謀論は端から見ている分には「何言っているんだこいつらwww」って感じで笑っていられるもんですね。
今回は、その陰謀論とダークテトラドの話です。
背景
陰謀論とは、強力な集団や個人が秘密裏に悪意を持って行う、根拠のないありもしない主張のことです。
偏見を強め、信頼を損ない、健康行動を悪化させるなど、個人や社会に悪影響を及ぼします。
しかし、陰謀論を信じやすい人とそうでない人がいるのはなぜでしょうか？
一つの要因として考えられるのは、マキャヴェリズム、ナルシシズム、サイコパシー、サディズムという4つの社会的に嫌悪される特性で構成されるダークテトラドです。
方法
スロバキアの研究チームは、ダークテトラドの特性がスロバキア人の陰謀論的信念を予測するかどうかを検証する研究を行いました。
研究チームは、大学生、Facebookユーザー、調査機関のオンラインモニターの3つの独立したサンプルを使用しました。
ダークテトラドの特性は、各特性に4つの下位尺度がある「短縮版ダークテトラド尺度」（SD4）を用いて測定しました。
また、陰謀論を支持する一般的な傾向を反映する一般的陰謀論と、パンデミックに関する特定の信念を反映するCOVID-19陰謀論という2種類の陰謀論信念を測定しました。
これらの測定には、「陰謀論質問票」（CMQ）と「COVID-19根拠なし信念尺度」（C19-NP）を使用しました。
また、潜在的交絡変数として性別、年齢、学歴をコントロールしました。
結果
その結果、ダークテトラドの特性は3つのサンプル間で陰謀論信仰に一貫した影響を及ぼさないことが示されました。
学生サンプルでは、ナルシズムはCOVID-19の陰謀論信仰を正に予測し、マキャヴェリズムは一般的な陰謀論信仰を正に予測しました。
Facebookのサンプルでは、サイコパシーが両方のタイプの陰謀論信念を正に予測しました。
オンラインモニターのサンプルでは、マキャヴェリズムは両方のタイプの陰謀論信仰を正に予測し、サイコパシーはCOVID-19陰謀論信仰を正に予測しました。
サディズムは、どのサンプルにおいても陰謀論信仰のどのタイプも予測しませんでした。
性別、年齢、学歴の影響もサンプルによって様々でした。
考察
本研究は、スロバキア人集団におけるダークテトラドの特性と陰謀論的信念の間には明確で安定した関係はないことを示唆しています。
この結果は、政治的態度、社会的立場、陰謀論情報への暴露など、サンプルの特徴によって異なる可能性があります。
また、ダークテトラドの特性や人口統計学的変数と異なる関連パターンを示したことから、一般的な陰謀論的メンタリティとCOVID-19特有の陰謀論的信念には違いがあることが示唆されました。
本研究には、因果関係を推論することができない相関デザインや、社会的望ましさや納得感によってバイアスがかかる可能性のある自己報告測定に依存していることなど、いくつかの限界があります。
今後の研究では、より多様で代表的なサンプルを使用し、他の関連変数をコントロールし、性格や陰謀論的信念についてより客観的または行動的な尺度を使用すべきです。
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