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Marcovaldo ovvero Le stagioni in città(3)

Italo Calvino(イタロ・カルヴィーノ)のMarcovaldo ovvero Le stagioni in cittàを読み終わりました。

後半は、都市化の象徴的なものや資本主義がテーマになっているような気がしました。

第16章Marcovaldo al supermercatoの始まり。労働者は6時までは消費物を生産しているんだけれど、6時を過ぎたらスイッチが切り替わるかのように生産者から消費者に一瞬にして変わる、という表現から始まります。

Alle sei di sera la città cadeva in mano dei consumatori. Per tutta la giornata il gran daffare della popolazione produttiva era il produrre: producevano beni di consumo. A un cert'ora, come per lo scatto d'un interruttore, smettevano la produzione e, via!, si buttavano tutti a consumare.

Italo Calvino, Marcovaldo ovvero Le stagioni in città (Einaudi, 1977) 98

Marcovaldoさん一家もスーパーマーケットに行くんだけど、彼らはお金がないから、ショッピングカートに欲しいものをポンポンいれていくけれど、お会計には進まずにまた商品を商品棚に戻したり、他人のカートに入れちゃいます。

第17章Fumo, vento e bolle di saporeは、自宅の郵便ポストに投入される石鹸の宣伝チラシにまつわる物語。この宣伝チラシをお店に持っていくと試供品の石鹸を一つくれるというもので、Marcovaldoさんの子どもたちはあちこちの郵便ポストからチラシをかき集めて試供品の石鹸をゲットして、それをさらに売ろう企ます。

第18章のLa città tutta per luiは、人々がヴァカンスに出かて街に人っこ一人いないところに、ヴァカンスに行けないMarcovaldoさんがその静けさが戻った街を一人闊歩する話。

スーパーマーケット、企業の広告合戦、8月のヴァカンスで誰もいなくなった街、これらは20世紀に大衆消費社会・都市への人口流入の文脈で出てきたもの。児童書でありながら、都市の変化を大衆消費社会という切り口でカルヴィーノが語ったのがこの短編集なのかなと思いました。


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