Ferrovie del Messico (8)
Gian Marco GriffiのFerrovie del Messico (Laurana Editore, 816ページ)を読んでいます。今日は491ページまで。
メキシコ鉄道の地図を描けと上官から言われたCescoはメキシコ鉄道についての本を探してAstiの街中を駆け回っています。その本、墓掘り人が図書館から借りた記録があったのだけど、そこからEdomondo Boという詩人の手にわたり、さらに、"Dopolavoro"という鉄道員の社交クラブに持ち込まれていました。Cescoは"Dopolavoro"に行ってみたけれど、合言葉がわからず入れてもらえません。数日前にNicolaoとEttoreに連れて行ってもらった”L'Aquila agonizzante”(瀕死の鷲)に行くと、Dopolavoroに出入りしている劇作家と出会います。彼によるとDopolavoroに入るための合言葉は、Settimana enigmistica(週刊クロスワードパズル)の表紙の問題、タテ44の答えなので毎週変わるのだそう。
この小説、男性の登場人物が多いけれど、女性のセリフにはっとさせられるものが多いです。女性の方が社会を先入観なく見れているというか。
L'Aquila agonizzante”で出会ったCostantinaという中年の女性はCescoに向かってこう言います。
20歳ちょっとのCescoはファシズムの時代しか知らない。イタリア社会共和国の軍に所属しているのは、積極的な彼の意思によるものではない。ぼーっと生きていて何となく軍人になったのだ。このあとCescoは、libertàに放たれるのか、segregazioneに放たれるのか。どっちなんだろう。そして、彼に大きな気づきや成長は来るのだろうか。