Paradiso (1)
Paradiso(Michele Masneri, Adelphi, 187ページ)を読んでいます。今日は59ページ、第11章まで。
あらすじを簡単に。
ミラノの小さな雑誌で記事を書いている主人公のFedericoは、編集長からローマでオスカー受賞歴のある映画監督Mario Marescaのインタビューを録ってくるように命じられます。インタビューの約束はついていると聞いていたのに、ローマに到着したFedericoが監督のスタッフに連絡しても話は全然通じずインタビューの目処が立ちません。おそらく監督はここに居るんじゃないかと言われてとあるパーティ会場を訪れたFedericoは、Barry Volpicelliという元ジャーナリストと出会います。Marescaのオスカー受賞作はこのジャーナリストをモデルに作ったらしいのですが、いわくありげなこの男性がとても魅力的でFedericoは彼に導かれて"Paradiso"へと向かう・・・そんな話です。
今回、辞書は参照せずに一度最後まで読み、今は辞書を引きながら再読中。
ロンバルディア州出身でミラノで働いている主人公はローマにやってきて風変わりな人と次々と出会い困惑しているシーンの連続です。
監督に会えるんじゃないかと期待して潜入したパーティー会場では、パーティの主催者に監督にインタビューをしたいと伝えると、「(お前がインタビューしなきゃいけないのは監督じゃなくて)この俺だよ!」って言われ。
レストランで隣に座っていた女性はおしゃべりでFedericoはただじっとして聞いているしかなく。
車でBarryとParadisoに向かっている時、速度を落としたBarryの車に「私、あなたを知っています。どこで会いましたっけ?」と突然声をかけてくる二人の女性。Barryが政治的?裏社会的?に力を持ってると思ったのか、厄介を起こして警察の世話になった息子を助けてくれないかと懇願してきます。
独善的で、こっちの話を全く聞かない人たちのなんと多いこと!ミラノ出身のFedericoに変わった人たちと遭遇させて、ローマ人独特の気質を際立たせて表現しているように思えます。