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Lessico famigliare (3)
Lessico famigliare / Natalia Ginzburg (Einaudi, 261ページ)を読んでいます。今日は154ページまで。1940年代の記述が増えてきました。ファシズムの台頭、イタリアでもユダヤ人への風当たりが強くなってきました。そしてNataliaはLeone Ginzburgと結婚します。
父親のBeppeはトリノで職を失い、ベルギーのリエージュの研究所へ働きにいきます。母親のLidiaはリエージュが好きになれず、トリノとリエージュを行ったり来たり。Nataliaと結婚したLeoneは、トリノに国王やムッソリーニの訪問があると、その前後の数日間は警察に連行されていました。知り合いのユダヤ人たちは、アルゼンチンやアメリカなど欧州から次々離れていきます。NataliaとLeoneはパスポートを取り上げられていて出国の手立てがありません。加えてLeoneはイタリアの国籍も失っていました。
結婚するとNataliaは実家を出てvia Pallamaglioに住み始めます。ここでMartinaという女中さんを迎えるのですが、Nataliaは彼女とどう接していいかわかりません。掃除やアイロンかけの指示すらも出せないのに、Martinaは実家の女中さんのようにしっかり働いているのかしら、と疑心暗鬼になります。そのうち、Maratinaは実家にいた女中のNatalinaと折り合いが悪くいなくなり、子どもが生まれたことをきっかけに母親の伝手で乳母がやってきます。ここでも乳母と良い関係が作れず、こんな質素な生活をしているのに、乳母を迎えるほどなのか、乳母からどう見られているかと不安に。かといって、子育ても実家の母の金銭的、物理的、精神的な手伝いがなければままならない日々でした。
Io invece mi sentivo, con quella balia, profondamente a disagio, e rimpiangevo l'antica Martina, che era tornata al suo paese in Liguria, perché con la Natalina non andava d'accordo. Mi sentivo a disagio perché quella balia avevo continuamente paura di perderla, paura che ci giudicasse, noi con le nostre modeste abitudini, indegni di lei.
この本では著者自身について語られることがあまりないので、女中さんをめぐっての戸惑いのシーンはオヤっと思ったところでした。