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Ferrovie del Messico (9)

Gian Marco GriffiのFerrovie del Messico (Laurana Editore, 816ページ)を読んでいます。今日は570ページまで。

苦戦していますが、亀のあゆみの読書でも止めなければいつかは読み終わるんだって気持ちで読み続けています。

メキシコ鉄道についての本を探してAstiの街のあちこち飛び回ってるCescoだけど、この小説でのメキシコ鉄道の地図やメキシコ鉄道についての本はマクガフィンってやつなのかな。この二つを求めてCescoはいろんな人と出会い、その人たちがあーでもない、こーでもないと色々語るのを読者は読まされています。

今回はCescoが歯医者さんに行くシーンと、その数日後、歯医者さんがゲシュタポの事情聴取を受けCescoの様子を語るシーンを読みました。どうやら、Cescoはゲシュタポから身を追われる立場になってしまったみたい。Cescoを診察した歯医者さんは親ムッソリーニ。ゲシュタポにはCescoのことだけでなく、歯科医師仲間にもレジスタンス活動をしていた人がいるということを匂わせています。

Ho perso il conto dei colleghi dentisti (ma ci metto dentro anche altri medici) che malignano, sparlano, che gridano viva il Duce per le strade e poi, nell'ombra delle loro abitazioni, ascoltano le trasmissioni di Radio Londra e auspicano che gli americani ci colonizzino per fare feste.

Gian Marco Griffi, Ferrovie del Messico, Laurana Editore, 2022, 502

「Radio Londraを聴く」という表現は、ここで初めて出てきたわけではなかった記憶がありますが、どこで読んだかはっきり想い出せません。こういうとき、電子書籍だとすぐ検索できるのでしょうけど。Radio Londraはイタリア語での放送もやっていて、番組を通じて在イタリアの連合国側の人にメッセージを送っていたらしいです。

歯医者を後にたCescoは、メキシコ鉄道の本を求めて公衆浴場を訪れます。そこで、もう会えないと思っていた人たちの幻影を見ます。レジスタンス活動をして捕まった歯医者のGrandi、Cescoのちょっとした悪ふざけでゲシュタポに捕まってしまったMasovelli、幼馴染のFirmino。さまざまな人が訪れる公共の場所である公衆浴場。幻影との出会いの場にピッタリだなーと思いながら読みました。

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