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Ferrovie del Messico (2)

Gian Marco GriffiのFerrovie del Messico (Laurana Editore, 816ページ)を読んでいます。今日は131ページまで。

話がどう展開するのかまだ全然見えません。章ごとに語り手が変わるし、一人称で語るところもあれば、三人称で語るところもあって、注意しながら読まないとすぐ路頭に迷いそう。

今日わかったこと。

主人公のCescoはタバコ屋の息子。父親は戦争で足を片方失い、それゆえ(傷痍軍人の息子だから?)息子は招集されなかったはずだけれど、Cescoは自ら望んで軍隊に入ります。1943年シチリアに送られるけれど、すぐに連合国軍のイタリア上陸があって降伏し、Cescoは弾一発も撃たずに故郷に戻ることに。息子を手元に置いておこうと思った父親は、戦友に口利きしてもらい、イタリア社会共和国軍のAsti駅警備にあたる師団に配属してもらいます(この小説はその任務にあたっている1944年2月のシーンから始まっている)。

1943年、何月頃の話かはわからないけれど、小説の冒頭に”脱走した”と書かれていたEnnioとの思い出。CescoとEnnioは幼馴染。二人はアルプスの山奥で橋の破壊の任務を負っている最中、師団から離れてスイスへ向かい脱走。その後、Ennnioがどうなったかは今のところ不明。故郷に戻ったCescoはEnnioはもう生きていないと思っています。

1944年2月にまた話は戻ります。図書館のあと、カフェに立ち寄るCescoはロシア帰りの謎の二人組EttoreとNicolaoに話しかけられます。二人に、メキシコという架空の街を舞台にした小説を執筆していると言うCesco。そこではファシズムがあるのか?と尋ねる二人組。

カフェの後、Cescoはサモア人でMonferratoに住む地図制作者のEpaを訪ねました。Epaのエピソードも色々語られているけれど、メインストリームなのかサイドストーリーなのかよくわかりません。帰宅すると、カフェで出会った謎の二人組が家の前で待ち伏せし、出かけようと声を掛けてきます。「メキシコ鉄道の地図を仕上げないといけないから」と申し出を断るけれど、それは明日なんとかしてあげるから、今日は楽しもうと強引にCescoを誘う二人。二人がCescoを連れてきたのは、鉄道の路線上。そこは以前に反乱者が立ち入って、警備にあたっていたCescoが身柄を取り損ねたところ。反乱者まで数十メートルと迫りながら、銃を扱ったことのなかったCescoは、反乱者ではなく数日前にトリノから送られてきた街灯を撃ち落とすというヘマをやらかしたところでした。

Cesco si era preparato a far fuoco, aveva mirato al lampione Settecento Grande dieci metri più a destra rispetto alla testa del ribelle e lo aveva scoppiato con un colpo.

Gian Marco Griffi, Ferrovie del Messico, Laurana Editore, 2022, 129

第二次世界大戦でイタリアがたどった歴史を知らないとこの話は楽しめないかもしれないです。でもいつまでも”歴史をよく知らない”と言ってないで知識をつけていきたいです。
1943年の連合国軍のシチリア上陸の話は、L'arte della goiaにも描かれていたかもしれません。


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