【ゲーム感想】 絶界アビスシンカー
RPG『絶界アビスシンカー』の紹介&感想記事です。
重厚なストーリーと魅力的なキャラクターが登場し、近年プレイしたフリゲの中ではとても刺さる作品だったのでこの記事を書くに至りました。
本作の肝はストーリーとキャラクターであり、記事の大半がネタバレ部分となってしまう点はご了承ください。
一応、ネタバレ部分の前にワンクッションおいてます。
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ストーリーあらすじ
ある日突然、見知らぬ世界に飛ばされた女子高生たち。そこは化け物たちが闊歩する迷宮だった。
女子高生たちは異能力(魔法みたいなもの)を授けられており、その力を駆使してモンスターと戦い、生き残るため迷宮の奥深くへと挑んでいく……というストーリー。
シチュエーション的になろう小説を彷彿させるが、生きるために食料と飲み水を確保しなければならないという常に切羽詰まった状況のため、緊張感のある雰囲気が漂っている。イラストは可愛らしい感じの画風だが、それに反してかなりハードな世界観。
基本的には仲間となる主要キャラクター4人で話は進むが、登場人物が多くキャラクターそれぞれに思惑があり、生き残るというシンプルな目的がある中で、単純な善悪だけでない様々な人間ドラマが展開されるのが本作の魅力。
基本的に戦う相手は迷宮内のモンスターなのだが、極限状態が続く中では生徒同士の対立が発生するなど、敵はモンスターだけではないという事実を思い知らされる。
本作は3章構成で、先に述べたのはあくまで1章までのあらすじ。物語の謎はほぼ明かされず、全ての伏線が回収されるのはもっと先である。
章ごとで作品の雰囲気も変わり、全く異なるストーリーが展開されるので、途中でダレることなく遊べると思う。
なお終章クリアまでの公称プレイ時間は約70時間。筆者の場合は55時間程度だったが、駆け足気味に進めたり一部スルーした要素などもあるので、人によってはもっと時間がかかると思う。
バトルの難易度もそこそこある(ノーマルの場合)ため、じっくり腰を据えてプレイするのをオススメする。
システム
本作の代表的なシステムについて述べていく。細かいシステムについては割愛。
戦闘
戦闘はオーソドックスなコマンド式のRPG。
右上には行動順が常に表示されており、基本的には敏捷の高い順のキャラからターンが回ってくる方式。
カンのいい人ならわかると思うが、敏捷のステータスがかなり重要。
攻撃する際、敵の弱点は簡単に確認できるようになっており便利。ただしボスは表示されないため、一度戦って弱点を把握する必要がある。
戦いが厳しいと思ったらリセットして戦略を練り直すのも手。
スキルツリー
SP(スキルポイント)を消費してスキルを覚えていくシステム。スキルによっては前提となるスキルを一定のレベルまで上げておく必要があるほか、「スキルの素」というアイテムが別途必要になる。
一部キャラは複数の武器を扱うことができる(例.剣・突剣)。武器によって扱える属性や効果(状態異常やデバフ)も異なる。スキルは装備した武器に対応したものしか使えないので、習得するスキルは絞って覚えていこう。
なお、一度覚えたスキルは拠点でリセットが行える。
特にペナルティもないので、戦略を見直したい時はスキルの振り直しを積極的に活用しよう。
パッシブスキル
スキルツリー機能の一部ではあるが紹介。
SPを消費し、任意のパラメータを伸ばすことができる。パッシブスキルは習得しただけでは効果を発揮せず、別途パッシブスキル用のスロットに装備する必要がある。
1章時点ではSPが少ないため習得しづらいのだが、2章以降からSPが潤沢になるため、活用しやすくなる。
何度も言うが敏捷のステータスがかなり重要なので、敏捷ブーストの習得有無でキャラ格差が出てしまう事は否めない……。
戦闘難易度
ダンジョン中にある時空石(クリスタルっぽいやつ)にて難易度の変更が行える。選択可能な難易度はノーマルとイージー。
ノーマルでも歯応えのある難易度なので、ストーリーのみ追いたい人はイージーを選択しても問題ない。
イージーだと敵のドロップ率が下がるというデメリットはあるが、難易度低下の影響のほうが大きいのでそこまで気にならないと思う。たぶん。
……という感じでざっくりとしたゲームの内容を語ったが、やはり本作の魅力はキャラクターである。
この要素を抜きに本作を語ることは出来ないのだが、どうしてもネタバレになってしまうので、ワンクッション置く形で記載する。
(ここから先ネタバレ)
キャラクター雑感(ここから先ネタバレ)
ここから本記事のメインコンテンツです。
主要キャラクター
麻場木 なるみ
ヒロインかな? と思わせての主人公。
いやタイトルに堂々といるんですけどね。彼女が加入してからようやく本番といったところ。
クールに見えて激情家な一面もあり、覚悟がキマった時の行動力は目を見張る物があるが、努力が空回りしてしまう場合もあり、損な性格をしている。
決して冷たい人間ではないのだが、コミュニケーションがやや不得意で、作中では大変不評な岩ワカメを好んで食すなどおもしれー女要素も持ち合わせている。
きらら系作品にいそう(偏見)
極限状態が続く1章ではメンタル的にもキツそうだったが、2章以降は精神的にも成長し、他者と協調して行動する姿が増える。
当初は翔花だけ救えればいいというスタンスだったが、ツユクサ以外の人との関わりが増えてから心境に変化が訪れる。
心を許せる人が増えた中盤では、なるみの心の負担が減っていく姿が丁寧に描写されていて、とても良かったと思う。
戦闘では弓と短剣を扱う。全体攻撃が強い弓と単体攻撃と特化した短剣といったところ。短剣スキルにある外道切りの毒は一部ボスにも通用するので、積極的に狙いたい。
アタッカー性能はそこそこであり、彼女の真価はサポート役で発揮する。
回復と補助が非常に優秀で、高い敏捷を活かして臨機応変に立ち回れる。CTBのシステムの恩恵を100%受けており、主人公にふさわしい性能。
弓と短剣どちらも優秀だが、サポート役の立ち回りが多かったので、自分は魔力が上昇する短剣をメインで使っていた。毒最強!
戸塚 翔花
包容力のある女の子でパーティの精神的支柱。
主人公かと思っていたら、1章序盤でいきなり退場したときはかなり驚いた。この容赦のない展開で本作にハマった人は多いと思う(※)。
※折れた人もいると思う
パーティの盾という立場に拘っている描写が多いが、実際は使命感で動いており、内心では恐怖で怯えているなど、根っこは普通の女子高生。2章で彼女が心情を吐露するシーンは印象的だった。
なるみから向けられる感情の方を取り上げるも多いと思いますが、翔花からなるみへ向ける感情もだいぶ重いと思います。
エンディングでは彼女の今後を示唆するような不穏な描写があり、たとえ先が短くても精一杯生きてほしいところ。
戦闘では剣と突剣を扱うことができ、敵の編成に応じて柔軟に戦える。属性剣には状態異常のオマケも付いているので、結構役に立つことが多かった。
最終的には行動遅延が付いている突剣が強い気がする。
奥義のオーバーウォールはダメージをほぼ0にする強力な効果。なるみのクイックステップと組み合わせると敵の奥義前に発動できるので、非常に重宝した。
朽木 風美
健気で心優しい性格な女の子。
間違いなく良い子なのだが、出演する作品が悪かった……。理不尽な暴力に巻き込まれ悲しみに暮れてしまうなど、良くも悪くも等身大な子だと思う。
〇〇み、という表現を多用するのはJKっぽい。
要所要所で優しい一面が見られて好感度は高いのだが、メインの出番が1章だけで、登場人物が増える終章では他キャラクターとの関わりが薄く、少し割りを食ってしまったような印象を受ける。
なるみと連絡先を交換しようとするシーンは良かった。
本人の性格とは裏腹にヒーラーとしての能力は優秀。
本作の敵は状態異常を頻繁にバラまいてくるので、全体治療奥義を持っているだけで価値は高い。純アタッカーには及ばないが、打撃スキルがそこそこ高威力なので意外とダメージは出せる。デバフ系のスキルが揃っている点もグッド。
地味に敏捷パッシブを持っているのも強いと思う。
三間 夕月
チーム内のムードメーカーっぽい立ち位置。初見ではポニーテールが此佳さんと被ってて見分けがついてなかったのは内緒だ。
脳天気なキャラかと思いきや、物語序盤、なるみの事を手放しで信用せず冷静に見極めようとするシーンも見られた。
仲間想いな性格で、イザという時は危険を顧みず敵に立ち向かうガッツの持ち主。そのせいか、誰かを庇うような形で犠牲になってしまうシチュエーションが多かった気がする。
しかし要所で見せ場はあるのだが、他キャラクターのアクの強さに押されがちで、終盤では風美と同様に影が薄くなってしまった感じはある。
持ち武器は槍のみで、打・突属性で戦うスピードタイプのアタッカー。何気に1つの武器で複数の物理属性を扱えるキャラクターは貴重だったりする。
ステータスは決して悪くないと思うのだが、物理アタッカーには夏姫という強力なライバルがいるため席を奪い合いがち。自分はあまり使わなかったが、夏姫の攻撃バフを組み合わせてセットで運用してもよかったかも。
せめて属性技があれば、活躍の幅が広がったかもしれない。
リィト・ラス
謎の魔法使い系お姉さん。
パーティの中では成熟した大人の女性で、本作の良心的な存在。ちょっと抜けている所も可愛い。2章までは彼女の正体は明かされず、その素性は終章で明らかになる。
出会い方と癖のある喋り方のせいで当初はギャグ要員と思っていたが、正体が判明してからはだいぶ印象が変わった。実は記憶喪失で、自分の使命を忘れている系キャラクターとか考察していたが、別にそんなことはなかったぜ。
自白(洗脳?)魔法のせいで、自分の組織と板挟みになっている姿は痛ましい。シリアス寄りのキャラクターなのだが、不憫なシーンやコミカルな描写が結構多くて気付いたら好きになっていた。
性能は典型的な魔法使いタイプで、物理技を持たない代わりに属性が豊富。自己強化技のコンセントレイトが高性能で、一度発動すれば魔力砲台と化す。バフを打ち消す加護払いも便利。
耐久力が低いという弱点はあるが、攻撃性能はパーティ中でもかなり高い方だと思う。終章では最後までスタメンだった。
余談だが彼女と戦うときのBGM(※)はドラマチックで格好良く、かなり印象に残った戦闘だった。
※厳密にはエグゼ・イルの面々と戦う時に流れるBGM
ISAoさんのBGMはいいぞ(宣伝)。
千条 夏姫
みんな大好きナッキー。女傑と呼ぶに相応しい精神性の持ち主。
登場時から戦闘力の高さを強調するシーンが多く、もうあいつ一人でいいんじゃないかな? と言わんばかりの活躍を見せる。
……という姿は途中までで、パートナーのつつじを失ってからは陰りが見え始める。精神的な余裕がどんどん失っていき、1章ラストでは仲間の生徒たちを巻き込んだ特攻作戦という暴挙に出てしまう。
苦境に立たされ、一人弱音を吐くシーンも見られるので、相方の存在がいかに彼女の支えになっていたかがよくわかる。
2章からは操作キャラクターとして本格参戦する。ベルセルクモードを自分で使える! と嬉しくなった人は多いハズ。
全章通して死亡シーンがドラマチックで、どのような展開でも戦いの中で斃れてしまうというのは夏姫の持つ「英雄の素質」が彼女を宿命づけているのかもしれない……。
性能はゴリゴリの物理アタッカー。攻撃バフ技も高性能だが、夏姫自身が攻撃に回りたいシーンが多いので少し悩ましい。
装備は突剣と鎚。自分は威力が高く敏捷デバフ効果のある地裂撃をよく使っていた。
翔香と同じく遅延効果のある突剣スキルも優秀。編成に応じて好きな方を選ぼう。
伊之瀬 つつじ
夏姫の相方の魔法使い。筆者お気に入りのキャラクター。
1章では早期退場してしまうため印象に残りづらいが、仲間になる2章からは活躍の場が非常に増える。
序盤から学校同士の対立でギスギスしまくっている中、他校の生徒という立場を気にせずフラットに接してくれる姿は好印象。
勇猛果敢な夏姫とバランス感覚に優れるつつじという感じで、互いに補い合う長所を持っており良いコンビ。
癖の強いキャラが多い中では真っ直ぐな性格だが、実はゲームオタクな所とか、要所で見せる茶目っ気など、細かいところで自分のツボに刺さった。
夏姫が死んだ後はメンタルをだいぶ折られていたが、それでも自暴自棄にならず戦いを止めなかったのはすごいと思う。2章終盤における、なるみとの戦友のような絶妙な距離感は好き(伝われ)。
性能は風美とリィトの中間という感じで、攻撃も回復もこなせる賢者ポジション。得意属性は水と光だが、打撃技も高性能で物理アタッカーもこなせる万能タイプ。奥義で毒も使えるのもGOOD。
これで敏捷パッシブを持っていたら文句なしだったのだが……!
フルスカ
謎の天使。
初登場時はまともにコミュニケーションすら取れず、ひたすら不気味な存在だったが、実際は素直な子だった。初見とのギャップがとても大きいキャラ。
わりと子供っぽい性格で、本人もオツムが弱い事は自覚している。
しかし白翅の中ではかなり異端児なようで、種族に囚われない柔軟な思考の持ち主。彼女の加入によって、閉塞感が漂う状況を打破する切っ掛けとなる。
持ち武器は槍と弓で、夕月が抜けた穴をちょうど埋めるような性能で加入してくる。アタッカー寄りではあるが、サポートスキルも特徴的で、特に魔法反射は唯一無二の性能。
しかし翅系の仲間はTPを引き継ぐ事が出来ず、回復アイテム使用時の効果が大幅に減るという特徴があるため、小回りが利きづらいという欠点を抱えている。TPの問題についてはパッシブスキルで補強できるとか、何かしらケアができると嬉しかった。
クレイアス
地下天使側の良心的存在。ビジュアルで完全に敵ポジションだと思っていたため、加入したときは驚いた。
見た目の印象の通り武人という立ち振舞いをするが、頭が硬いという事もなく、きちんと話をすれば柔軟な対応をしてくれる。
ラシュリンカの副官的なポジションだが、上司に対して盲目的に従うのではなく、翅という種族全体を考えて行動するなど、しっかりと自分の考えを持つタイプ。
性格が全く異なるフルスカとなんやかんや上手くやれてるのも、自分の信念を大事にするという共通点があるからかもしれない。
当初は腹の底が見えない感じだったが、徐々に人間味のある描写が増えて好感度が上がった。
武器は剣と短剣だが魔力のステータスが高く、魔法剣士のような性能。回復スキルも備えているため、攻撃偏重のフルスカとは違った立ち回りが行える。
だがフルスカと全く同じ欠点を抱えているため、使いづらさは否めない……。道中では控えに回って回復役を任せることが多かった。
アルマ・フィガ
最後に仲間になる、隠しポジション的なキャラクター。
メンバー最年少で、子供らしく感情表現が素直で可愛い。しかし戦闘員としての実力はエグゼ・イルの中ではトップクラスで、他の仲間からも重要視されている姿がよく見られる。
戦闘時にはスイッチが入ったように、目のハイライトが消えるのが印象的。
この手のキャラクターは精神年齢が年相応だったりするのだが、窮地に陥っても落ち着いており、大局を見て物事を判断できるバランス感覚を持つなど、メンタル・頭脳共に優秀。
作中ではソロ行動が目立つが、ちゃんと組織のことを考えて自分の責務を果たそうとするなど、ヘタな大人よりも大人な対応をしている。どのような人生を歩んできたのか気になる娘。
拗れたキャラが多い中、なるみに向ける好意はストレート。
リィトが言うように子供らしい感情表現だと思うが、もし彼女が成長したら色々と凄くなりそう。
やたらキャラの濃い姉がいたり、気になる設定が沢山あるのだが、いかんせん描写が少ないため、他の媒体で明かされるとちょっと嬉しい。
空中機動&ガンアクションというSF要素満載のスタイルで戦う。1章の世界観からえらい変わりようだが、やりたい放題感があってすき。
敏捷が高く属性も豊富だが、耐久力が低めなのとMPが低くガス欠しやすいのがネック。癖はあれど能力的には強そうだったのでもう少し使いたかったが、最終的には火力を優先してリィトの方を選んでしまった。
サブキャラクター
櫻 那子
みんな大好きナスちゃん。
怪物はじきバリアという重要な役目を担っているのだが、リーダーシップがないと陰で言われたり、やたらぎっくり腰をネタにされたりと何かと不憫な目にあっている子。
シリアスなシーンが多い1章の中では、清涼剤的なキャラクターだった。終章でもイベントが用意されててサブキャラの中では優遇されていると思う。
やはり真のヒロインはナスちゃん……。
外道3トリオ
登場時から強烈な印象をプレイヤーに植え付けてくる3人組。
逆恨みでなるみ達の足を引っ張りまくるという、ヒール役としてはこの上ない活躍を見せる。
元の世界の遺恨を引っ張ってくるのは性根が腐ってるとしか言いようがないが、それゆえにリアリティのあるキャラクターだと思う。作中で登場する敵勢力よりも不快感を感じた人は多いのではないだろうか。
1章からこの世界について知っている素振りを見せていたので「実はループの記憶持ち?」というミスリードもあって面白かった。
一時は共闘するシーンもあり、もしかしたら和解する展開もあるのか? と思ったが最終的には袂を分かつ結果となってしまった。
まあ本編中の所業や本人たちの性格も相まって、なるみと和解する道は無かっただろうなと思う。
地下天使たち
最初に登場した時は「どうすんだよこれ……」状態の絶望的な相手だったが、ストーリーが進むにつれて印象が変わるキャラクター達だった。終章の共闘する展開は非常に熱い。
人間サイドと同じく、一枚岩ではない集団だったのは個性があって面白かったと思う。漫画を通して文化交流するシーンは印象的で、最終的には感情移入するようになっていた。
フィラント:
プライドが高く作中ではわかりやすいツンデレ。
なるみたちに付くべきか、気持ちは最後まで揺れ動いていたであろうが、最終的にはラシュリンカ側に付いた。もう少し交流を深められれば仲間になっていたかもしれない……。
ラシュリンカ:
常に余裕のある態度で、大天使のようなビジュアルも相まってラスボスの風格のある御方。
カリスマ性の強いキャラにありがちな思想の強いタイプ。自分の価値観の押し付けが強く、クレイアスにも離反されたあたりがピークだったように思う。とはいえ敵勢力の中では印象深いキャラクターだった。
セレナリア:
2章のボス戦が死ぬほどキツかったので個人的な恨みが強いのだが、キャラクターとしては結構すき。性格を一言で表すなら混沌という感じで、自分が楽しければそれでいいというタイプ。トマホォォォク!
利害の一致によりラシュリンカ側についていたが、ラシュリンカ自身もこいつを御しきれてはいなかったのではないだろうか……。
エグゼ・イルの方々
終章にて突然SFな世界観を引っ提げて登場したので、非常にインパクトがあった。
かなり個性的なメンツの集まりだったのだが、キャラクターの掘り下げがないまま退場してしまったキャラが多く、勿体なかったと思う。
ネームドキャラだけでなく、モブキャラの交流イベントがあれば、もう少し感情移入できたかもしれない。
設定自体はしっかりと作り込まれていそうな気配がするので、何らかの形で明かされると嬉しいなと思ったり。
なんならアルマについてはエグゼ・イル側の主人公としてゲーム作れそう。
おじさん
エグゼ・イルの軍人。
中将なので一応偉いっぽい(言動はチンピラ臭いが)。
女性キャラクターがほぼ占めているので、やたら強烈に印象に残るキャラだった。アッサリ退場した時は普通にかなしかった。
余談ですが即死が効くらしいです(by作者様ツイート)。
完走した感想
ストーリーについて
とても面白かったです。
近年遊んだ長編フリゲの中でも、かなりインパクトのある作品だった。情報の出し方が絶妙で、話の続きが気になって最後まで中だるみせず遊ぶことができた。
異世界召喚か? と思わせてまさかのSF設定はいい意味で予想を裏切られた。
終章における、敵対していた勢力と協力関係を築いていくという流れは、これまでの苦労が報われるようで、非常に熱い展開だった。
とはいえ全員仲良く手を繋いでEND!という訳には至らず、お互いの信条や思惑が異なって敵対するしかなかったキャラも居た。
まあ簡単に味方になられても「どの面下げてんだ」となってしまうので、このあたりは程よい塩梅だったと思う。
掘り下げが少ないまま退場してしまったキャラ(特にエグゼ・イル側)が多かった事や、終盤の展開(グノームとの共闘〜シーラルとの決着)が駆け足気味なのは少々残念なポイント。
ただ、あまり物語を引っ張ってもテンポが悪くなっていたので、致し方ない部分ではあると思う。
戦闘バランス
長編フリゲは難易度を抑えめにしている印象を受けるが、本作は歯応えのあるバランス。難易度イージーがある前提だからかもしれない。
1章は程々の難易度だったが、2章以降ボスのHPがやたら高く、1戦闘で30分近く掛かるなどしんどい思いをした。スリップダメージの毒が効かなかったらおそらくイージーを選択してたと思う。
スキルの振り直しは簡単に行えるが、裏を返すとスキルと編成次第ではものすごく苦戦するので、ボス戦では振り直しがほぼ必須。
戦略を合わせても消耗戦になりがちで、毎回お金が薬代に消えてしまうので、店の価格は全体的に下げてくれると嬉しかった。
控えメンバーの経験値は減少するという仕様のせいで、終盤メンバーはほぼ固定だった。スキルの素の数も限られており、このあたりは仕方ないと割り切った。
自分の最終メンバーはこんなかんじです。
さいごに
スクショを見返しつつ、ゲームを振り返りながら感想を書きましたが、見どころが多く、語り尽くせなかった点はまだまだあると思います。
改めて、プレイして良かったと思える作品でした。感謝
おわり