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[朗読 2分]『カップル用はいらない』 _クリスマス特別版
【ツマヨム】妻が自作のショートショートを読んでくれました。【期間限定無料公開】
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「二人用なんてウンザリだ」
吐き出した言葉が反響する。
観覧車の中。乗客は隆一人だけ。
クリスマスイブ。
約束の場所に万智は来なかった。連絡すらつかないドタキャン。
予約していた恋愛映画を、隆は一人、カップルシートで観た。
スケートでは手を繋ぐ二人の間を一人優雅に滑り抜け、
30分借りたVIPルームでヒトカラをした。
こうなりゃお一人様を楽しんでやる。
カップル御用達の観覧車の列に並び……今、後悔している。
夜はディナーを予約していた。
万智オススメのカップルプランがウリの店。
店に入り名前を告げると「お連れ様がお見えです」とボーイ。
席に案内されると、万智がいた。
呆然とする隆に、平身低頭し語りだす。
自分には小学生になる男の子がいること。
その子が熱を出し急遽病院に行っていたこと。
今まで秘密にしていてごめ――
「いいよ、分かった」
隆が口を開く。
ボーイを呼び出し今夜のキャンセルを伝えた。
万智を見て言う。
「二人用はもういい。次は三人で来よう」
吐き出した言葉が反響する。
観覧車の中。乗客は隆一人だけ。
クリスマスイブ。
約束の場所に万智は来なかった。連絡すらつかないドタキャン。
予約していた恋愛映画を、隆は一人、カップルシートで観た。
スケートでは手を繋ぐ二人の間を一人優雅に滑り抜け、
30分借りたVIPルームでヒトカラをした。
こうなりゃお一人様を楽しんでやる。
カップル御用達の観覧車の列に並び……今、後悔している。
夜はディナーを予約していた。
万智オススメのカップルプランがウリの店。
店に入り名前を告げると「お連れ様がお見えです」とボーイ。
席に案内されると、万智がいた。
呆然とする隆に、平身低頭し語りだす。
自分には小学生になる男の子がいること。
その子が熱を出し急遽病院に行っていたこと。
今まで秘密にしていてごめ――
「いいよ、分かった」
隆が口を開く。
ボーイを呼び出し今夜のキャンセルを伝えた。
万智を見て言う。
「二人用はもういい。次は三人で来よう」