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教育映像をもっと面白く。浄水場見学ムービーを企画・制作しました。

できたよ。

2021年2月1日に大津市市役所公式YouTubeにて公開された3本の動画企画「Otsu Water Planet」について、動画の企画立案とPart2『Water Journey~水道水が届くまで~』の監督を担当しました。

この動画企画について一体何なのか?どこがすごいポイントか?
映像プロデユーサーとして携わった私が解説します。

Otsu Water Planetとは

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毎年恒例だった、小学4年生の浄水場見学。しかし、今年はコロナで中止となってしまいました。「子どもたちに水の大切さをなんとか伝えたい。」そんな思いからこの企画が始まりました。

▼大津市企業局「Otsu Water Planet ~いつでもどこでも動画で学ぶ水の大切さ~」
https://www.city.otsu.lg.jp/kigyo/about/water/38535.html

水道水について学べる3本の動画

この企画は主にジャンルの違う3つのパートから構成されています。
以下3つのパートで構成されています。

それぞれ違う監督が映像制作を担当しており、全く異なる切り口や表現方法で飽きることなく映像を楽しむ事ができます。


Part1 Water Museum 「君に知ってほしい水のこと」

世界の水とSDGsについてアニーメーションで楽しくわかりやすく学べます。

Part2 Water Journey 「水道水が届くまで」

水道水が私達の家庭に届くまでをドローンと旅しながら学べます。

Part3 Waterworks Stories 「みんなが知らない浄水場のセカイ」

特別に許可を得たリポーターが浄水場に潜入し今まで知らなかった浄水場の世界を解き明かします。

【ポイント①】サクッと見れる。凝縮された教育映像。

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本映像の最大の特徴は尺が短くてさっと見れるということです。各映像は必ず10分以内に収まるようにしています。今回動画を作るにあたって一番重要だったことはこの動画が教育の目的において使われるということです。これは私にとっても他のクリエイターにとっても初めての経験でした。

学校の授業を想定。動画はアクティブ・ラーニングを妨げるか?
今回の企画は小学校の授業で使用される状況を想定して作りました。小学校の授業は1限45分です。企画の初期段階では授業の時間いっぱいの尺映像を制作するという案もありました。しかし、結果的には短い動画を小分けで作るほうが良いとなり、10分以内の短い動画を3本に分けるといいう構成で制作することになりました。

近年、教育現場では学習者である生徒が受動的となってしまう授業を行うのではなく、能動的に学ぶことができるような授業を行うアクティブ・ラーニングが重視されるようになりました。私は動画というものがそのリニアで視聴者が受動的になってしまう特性上、それを見るだけではアクティブ・ラーニングに全くなっていないのでは、と企画段階から感じていました。もちろん、動画を使った教育そのものを否定する意図は全くありません。しかしながら、動画は見ている人にそれぞれの考える時間が与えられず、ひたすら刺激と情報を与え続けます。そのことが視聴者に子どもたちから考える時間と余裕を奪ってしまうことになってしまうのではないかと考えました。

なので、あくまで動画は補助に過ぎず「能動的な学習活動+動画」で教育を支える、というスタイルを貫きました。そして、今回のような面白くて短くいサクッと見れて、子どもたちが水や水道について考えるきっかけを作れるような動画を意識して制作しました。

【ポイント②】ドローン・インフォグラフィックス・YouTuber...行政と挑む新しい映像表現

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今回の企画では行政ではあまり行われないようなトレンドの映像表現をふんだんに使用しました。

(その過程では職員さんにだいぶ無理なわがままを言いました、、、すみませんでした、、、笑)

Part1では海外の教育動画でトレンドとなっているインフォグラフィックスで「世界の水とSDGs」について解説しています。海外のアニメーション、インフォグラフィックスの世界観を日本人にも親しみやすくアレンジ、ローカライズし、テンポよくスタイリッシュに表現しています。

Part2では水道水が琵琶湖から取り込まれで私達の家庭に行くまでをドローンで追っています。通常の見学では体験することができない「鳥の視点」から俯瞰的に流れを見ることで、客観的に水道水が作られる過程を学ぶことができます。

Part3では浄水場で働いている人々と施設に焦点をあて、まるでYouTubeを見ているかの如くテンポの良い編集と軽快なトーンで楽しく紹介しています。

【ポイント③】コロナ禍でも負けない。学生クリエイターが作り上げた意欲作。

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この企画を作り上げたのは、主に大学に通っている学生、若いクリエイターたちです。この企画では、理工学部、食マネジメント学部、映像学部など学域を超えて様々な専門分野を持つ学生たち協力して作品を作り上げました。

特に、Part1 Water Museum「君に知ってほしい水のこと」を監督し、華麗なモーショングラフィックスを作り上げたのはなんと今年大学1年生になったばかりの山根瑞生くんです。彼はこのコロナ禍でで入学し、なかなか友達にも会えず、授業もオンラインばかり、課外活動も制限されたりと、周りとのコミュニケーションもなかなか取れない中、1年生のためのラジオ番組を企画したり、今回のような作品を作りました。この、とてつもなくやりずらい状況の中でも、精力的に活動しています。

このように、この動画たちは、普通じゃない状況の中でも、皆で力をあわせて工夫しながらなんとか作り上げた意欲作ばかりです。

おわりに

この企画には本当にたくさんの方に関わっていただきました。突飛な企画を受け入れてくださった、企業局職員の皆様。撮影に協力してくださった各業者の皆様、大学職員の皆様、映像の中の専門的な部分について監修してくださった大学の先生方、実際に制作に携わってくれたスタッフの皆さん。
そして最後に、水道水を作るために日々働いてくださっている皆様。今回、本企画を通して、自分が当たり前だと思っていた、水道について、それがいかに人々の汗と涙で作り上げられそして守られているか、とても大切なことを沢山学ぶことができました。最後にPart2『Water Journey』のナレーションを引用して終わりたいと思います。

「当たり前を守ること、それが何よりも大切なのです。」


最後まで読んでくださり、ありがとうございまいた。


関連リンク

▼Partt1監督山根瑞生くんの解説note
https://note.com/entervibe/n/n7621efa3f73e

▼Part2でモーショングラフィックスを担当してくれたうえさんのポートフォリオ記事
http://uesen.starfree.jp/a/2021/02/02/%e3%80%8e%e3%80%9010%e5%88%86%e3%81%a7%e3%81%8b%e3%82%8f%e3%82%8b%e3%80%91%e3%83%89%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%81%a7%e6%97%85%e3%81%99%e3%82%8b%e6%b0%b4%e9%81%93%e6%b0%b4%e3%81%8c%e5%b1%8a%e3%81%8f/



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