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今年の菜の花来年のたけのこ
東京の都心部のスーパーでは、ご祝儀商品というべき青果が平然と売られてかつ平然と買われていく。
春のご祝儀青果とは、まず菜の花。
そしてたけのこ
本当の旬は違う時期かもしれないが、1月の終わりごろからぽつぽつ店頭に並び始めて、2月3月にピークがやってくる。
春の京都特集!などと赤札を垂らして一束400円前後の菜の花を売ったり、赤子の握りこぶしほどの大きさのたけのこを500円くらいで売ったりする。そう、気を付けないと赤札が垂れていたとしても都心のスーパーでは赤札らしからぬ値付けがされていることがあるのだ。
京都の菜の花やたけのこには手が出ないけれど、それでも何日かに一度たけのこやら菜の花を買ってみる。
ゆでて、ポン酢で食べるだけだが、都会暮らしの体に大地のエネルギーをもらうような気分になるから不思議だ。ほろ苦い野菜はビールに合うし。
菜の花は8秒くらいしかゆでない。それ以上ゆでると、くたくたになっておいしくなくなる気がする。たけのこはあく抜きしたものしか買わない。米ぬかでゆでる時間も技術もないからだ。
海外では、この機会にパンを作る人たちが急増しているという。パン作りがいいな、と思うのはブリティッシュベイクオフ(BBC)のテレビ番組で見た時ぐらいなので、パン生地をこねる彼や彼女の気持ちはいまいちわからない。
だけど、菜の花やたけのこを楽しむ気持ちはよくわかる。一年がかり、冬のうっとおしい日々を経て、待ちわびた味だ。今年はいろいろちょっと残念な感じだったけれど。
どうぞ来年も、おいしくおいしくいただけますように。