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【ちょこっとTRIP】電車でアメリカ:横須賀

首都圏で異国情緒を楽しめる場所と言えばやはり横浜で、1年を通して観光客が押し寄せる人気の街で常に混んでいるのが難点でもあり。でも、ちょっと足を延ばすともっとDeepに異国の雰囲気を味わえる街があるじゃないの!ということで、横須賀を半日TRIPしてきました。パンデミック期間、Amazon PrimeやNetflixで海外ドラマを一気見した人も多いと思いますが、米軍関連のトピックスが出てくる作品って、かなり多いんですよね。横須賀は現役の軍港であり、観光客向けではない、リアルなアメリカを垣間見れるということで。近隣にお住まいの方にとっては日常風景でも、そうじゃない人々にとっては正に非日常、ちょこっとTRIPじゃないでしょうか?


ヨコスカ横断ルート:おススメの行き方

いつもの如くGoogle Mapを凝視して選んだルートは、JR横須賀駅スタートで、街中ぐるっと回って、京浜急行の横須賀中央駅から帰るというルート。これだと途中で戻ることなく、ほぼ無駄なく行動できそうなので。

JR横須賀駅で降りると、目の前にあるのがヴェルニー公園の西の端。海沿いに横長の公園を横断していきます。が、こちらはどうやらバラで有名らしく、冬場は何もない…。ヴェルニー氏の出身国:フランスの品種を中心とした約130品種・約1,300株のバラが植えられているそうですが…。所々でヴェルニー資料館の様なモノもありますが、こちらを楽しむには春夏ですね。冬場はスキップしても良いと思います!

ということで、TravellinGorgeous®おススメルートとしては、往復ともに京急利用。品川から特急で汐入駅で下車がベター。この日の主要チェック処のひとつ:軍港クルーズへはここが最寄り駅なのです。駅はかなりローカルな雰囲気ですが、駅のトイレは新しめでキレイでした(ちょうど居合わせたお掃除担当の方のプロフェッショナルさに、ちょっと感動を覚えた私でした)。

駅前のロータリーは小規模ながらキレイに整備されています。ロータリー沿いに歩道橋を上がると、下に通るのは国道16号線。横須賀から多摩地区を通り、埼玉を抜けて内房の富津まで、東京湾と同じカーブを描くこの道は、物資を運ぶために作られた環状線だと聞いていますが…。

軍港巡りツアー

駅前から歩道橋で続いているビルが、コースカベイサイドストアーズ。イオン系のショッピングモールらしく、100店舗以上ある大型施設です。なんと、米軍の横須賀基地に直接繋がっている入口があって、ここは軍関係者だけが通れるらしいです。

チケットはウェブで予約可能ですが、当日カウンターで紙のチケットへ引き換えが必要です(デジタルにしていない理由は不明)。なので、最低でも予約したクルーズ開始時間の15分前までにはカウンターへ行く必要あり。また、予約=座席確保ではないため、30分前頃から皆さん並び始めていました。乗船は予約の有無に関わらず、乗船口に並んだ順になります。2Fデッキ席や1F窓際席を取るなら、並ばないと難しいでしょう。

平日は11時から15時まで、1時間に1便づつの5便のみ。朝イチの11時の回は、やはり混んでいました。

クルーズの感想

当初は2Fデッキ席を取ろうと思っていましたが、この日は風が強かった!ので体感温度がとても低かった!ということで急遽、1F室内の窓際に狙いを定めて、無事にGET!乗船待ちの際、スタッフの人が右側の後ろの方の席がおススメ、と話していたのを小耳に挟んだもので。実は地獄耳だったりします。

平日昼間なので空いているかと思いきや、あっという間に満席となっていました。年齢層は高め、トラベリンゴージャス®世代より上の方が圧倒的に多かった!1F室内席が大盛況、早めに並んでおいて良かった!インバウンド観光客もちらほら見受けられましたが、彼らはほぼ全員2Fデッキへ行きましたね。

約45分のクルーズ中、時折り前方の画面で資料映像を交えつつ、ガイドさんが途切れることなく説明してくれます。おそらく私も含め、トラベリンゴージャス®世代の中高年女性は、軍事関連にあまり興味を持っていなかったり、深い知識がない方の方が多いと思うので、ガイドさんの話は知らないことだらけ。横須賀の歴史についてもそうでした。へぇーの連続でしたよ。

下船時にちらりと見たら、次の12時の回は並んでいる人かなり少ない!ランチタイムと重なるためか、11時の乗船数の5分の1くらい?おとな女子旅的には、早めまたは遅めランチにして、この回が狙い目かも?

そして45分は意外と短かった!軍艦に全く興味の無かった身でも(船に乗りたかっただけ)、相当楽しめたのは確かです。

海軍基地アレコレ

出航して直ぐ、米軍基地が良く見えてきます。右側席が良いとは本当でした。正式名称は、アメリカ海軍第七艦隊横須賀基地。東京ドーム50個分の広さ!軍人さんや彼らの家族、職員を含めると、この施設内で生活している人数は2万人以上!ひとつの大きな町ですよね。当然ながら、敷地内にある看板などはすべて英語表記。敷地内の道の名前も、英語名が付いているんです(◆◆Streetなど)。

20年ほど前に一度、沖縄の嘉手納基地内に入れてもらったことがあるのですが、施設内の一角にはアメリカのファストフードのお店が連なっていて、まるで映画のセットの様だったと感動したものです。Dunkin' Donuts、Baskin-Robbins(31アイスクリーム)、フライドチキンとバーガーのチェーン店もあった気がする…。本当に基地はひとつの町なんですよ。こちらの横須賀基地は年に1度、内部を見学できるオープンデーを開催しているので、参加してみると楽しいと思います!

何故か、日本の海上自衛隊の潜水艦が米軍基地内に停泊していました。ガイドさんによると、海上自衛隊の潜水艦隊の司令部の一部が、米軍基地内にあるからなんですって。これも、日本国民で知っている人、少ないんじゃないでしょうか?

それにしても、こんなにアメリカ海軍の船が横須賀に駐留しているとは!目の前に軍艦がズラリ並んでいる訳ですが、だんだんと非現実的な風景に見えてきます。映画セットかテーマパークにいる様な感覚になってきます。普段の自分の生活圏にない景色だからでしょうか、脳内変換されているのかも?

そしてニュースで名前だけは聞いたことのあるイージス艦。そのレーダー範囲は半径450km以上!ここ横須賀を中心にすると、北は秋田、西は兵庫までの上空をカバーできているそうです。

Let's study English!

米軍海軍基地だから“Navy Base”じゃないんだー!軍関連用語は、一般的な旅行者レベルの英会話ではそうそう出てこないし、そもそも使う時がないですよね?私も今回初めて知ったこと!“Fleet Activities”で『海軍施設』または『海軍基地』を表す言葉になるそうです。『アメリカ軍横須賀海軍基地』だから、U.S. Fleet Activities Yokosuka。英語の勉強にもなるヨコスカTRIP!

自分の“ツキ”を知れる?

この日はラッキーなことが沢山重なっていました!ガイドさん曰く、『今日のお客様はそうとうラッキーですよ!』

①アメリカの祝日だった
そのため、普段より大きい星条旗が船に飾られていました。これは絵になりました。軍港クルーズに参加する際は、こういう日を狙うと良い写真が撮れるということ。

②強風で視界超絶クリア
基本的に冬場は湿度が低く風が強いため、空気中のモヤやホコリが全部飛ばされて視界がクリア。クルーズで景色を楽しむには、冬が一番おススメなんだそうです。寒いけど。この日はかなりの強風だったので、奥に房総半島もしっかり見えました。君津や富津の工業地帯もくっきり見えたんですよ~!スゴい。

③USS George Washington
9年ぶりに日本に配備され、2024年11月22日に横須賀港に入港したばかり。肉眼で見ると本当に大きい!先に見たイージス艦も相当大きかったのですが、さすがに規模が違う!全長333m、東京タワーと同じ大きさで、乗組員総数は 6千人超だそう。海上に於いて、航空基地の役割を果たす軍艦ですからねぇ。大き過ぎてスマホでは撮影しきれず。『これほど巨大な船は無いですよ!』と、一番興奮していたのはガイドさんだったかも。

④潜水艦ラッシュ
この日はガイドさんも驚くほど、横須賀湾に潜水艦が多く停泊していました。入港待ちの潜水艦にも遭遇したのですが、事故か火事かと思うほどの白煙モクモク!アイドリング中でもあれだけ煙が出るんですねぇ。巨大な鉄の塊が操航している訳なので、冷静に考えれば、相当の燃料を使っている訳ですよね。

コチラのクルーズツアーは民間運営で、船の入港情報は入ってこないため、当日どういう船/軍艦を見ることができるかは、その日の朝、ガイドさんも初めて知るんだそうです。ガイドさんの興奮度合いの高さからも、この日の乗客は相当ラッキーな人たちだということは、良く解りました(笑)。

社会科見学もついてくる

日産の追浜工場には、真っ白い建物がありました。輸送待ちの車用倉庫で、車が日焼けしないよう、窓がひとつも無い設計とのこと。なるほど!

日産倉庫のお隣には、まるでお城か宮殿かという建物。こちらは横須賀市のゴミ処理場で、ゴミのリサイクルに興味を持ってもらいやすくするため、敢えてお城の様な外観にしたそうです。

知らなくても生きていける雑学かもしれませんが、知っていると人生はより深くなるのが雑学ということで。おとなの嗜みとして、知識は多い方が何かと役立つのではないでしょうか、というのが私のモットーでもありますが、いかがでしょう?

魔法の言葉『海軍御用達』

下船後は、発券カウンター隣にあるお土産ショップへ。夫から海軍カレーを頼まれていたので、いくつかGETしましたが、カレー選びで予想外に時間が掛ってしまいました。全国の自衛隊基地のカレーが揃っている上、それぞれ具材も辛さも違うんですよね。最終的に、辛口数種類を購入。

そして、カレー以外にも魅力的なパッケージの品々が次々と誘惑してきます。どうやら『海軍御用達』という文字には、ある種の魔力がある様です。買い物かごに沢山詰め込んでいた方、かなりいらっしゃいましたよ。下船後の爆買いに注意!そういう私もついつい、羊羹を全種類大人買い。おまけにクラフトビール用グラスまで買っちゃった(羊羹もグラスも重かった…)。

Dobuita Street/どぶ板通り

クルーズ終えて、その足でどぶ板通りへ。もうちょっと賑わっているのかと思いきや、昼間はほとんど閉まっているみたい?この通りは日が暮れてから1日が始まる様です。残念。

いい味出してるレトロな店構えもまだまだ残っていて、ちょこっとタイムトリップも楽しめますね。さすがに本場のスカジャンは迫力あってカッコ良いし。私の人生以上に長く看板娘をやっていると思われる先輩おとな女子の方が、店先で年季の入った足踏みミシンを踏んでいたり。また彼女たちがカッコいいんですよ。何て表現したら正しいのか、港ヨコスカでずっと生きて来たからこその、若干ハスッぱな雰囲気というの?とっぽさ?歳を重ねて尚更カッコいいお姉さんたち。この光景に出会えたことは、今回ヨコスカへ行ってみて良かったことのひとつ。

Navy Burgerは大サイズで

ランチは横須賀名物のネイビーバーガーと決めていました。人気店はいくつかあるのですが、ここは一番の老舗へ行こうと、横須賀基地メインゲート正面にあるHoney Beeへ。1968年創業、老舗のアメリカンダイナー。普段から米軍関係者も多く訪れる地元の名店です。内装も創業当時からほぼ変わっていない様子。

カウンター席の方が多く、この日も圧倒的におひとり様ばかり。日本人客は半数以下。アメリカ人がアメリカで食べている味をそのまま出すお店だから、ずっと愛されているんでしょうね。

一番人気はコンボとのことでしたが、消化力が落ちている五十路としては、残さず食べきれるサイズということで、クラシックハンバーガー単品+レモネードをオーダー。レモネードって、アメリカンな飲み物じゃないですか?(コーラが飲めないのと、寒かったからビールに行けなかったのが本音)。

サーブされたバーガーは、バンズがパリパリ!これは美味しい!ファストフードから高級店まで、結構バーガー食べてきていますが、これまで食べたどのバーガーより美味しい。バンズは間違いなく一番。ハードブレッドみたいな美味しいバンズは初めて。そしてビーフ100%のパテもシンプルに美味しい。

予想外に、ペロッと平らげてしまいました。これはコンボでもいけたかも? 次回はチャレンジしてみましょう。これはまた食べたくなる味ですよ。そして胃もたれしなかったバーガーも初、ということも付け加えておきます。

よこすかポートマーケット

食後の腹ごなしも兼ねて、ちょっと歩いてみました、米軍基地正門前を通り過ぎて、10分ちょっと。ひたすら真っすぐ歩いて行くとあるのがヨコスカポートマーケット。巨大な冷凍倉庫をリノベーションした施設は、“三浦半島フードエクスペリエンス”をテーマに、地元ヨコスカの名店だけでなく、三浦半島全体の名産品が揃っています。

フードコート的な施設でもあって、席数はかなり多くありました。魚屋さん直営店でお寿司を買って、テラス席で食べるのも良いですね。店内も天井がとても高く、開放的な雰囲気です。

ランチで訪れたHoney Beeの支店もあった!メニューは本店と若干違うみたいで、サイズもひとつだけ。テイクアウトしてみたところ、お店で食べたレギュラーサイズよりも2回りくらい大きい(もちろん、コチラは食べずに持ち帰り)。鮮魚店直営や農家持込みスペースもあるので、普通にお買い物に来ている地元の横須賀マダム達も結構いらっしゃいましたよ。ここでお土産をGETして、帰るのが楽しいと思います。

更に体力と時間に余裕があるなら、隣接している三笠公園もぐるっと回ってみると良いかも。ただ、想像する以上に広いので注意。ヴェルニー公園よりも歩き甲斐はあると思います(笑)。せっかくだから三笠公園も見る、という場合は、ヨコスカポートマーケットへ着く手前、米軍基地前の通り沿いに、三笠公園入口という石碑があり、そこを左折していくと公園への参道になっているので、ポートマーケットの前に見て回っておく方がルート的には無駄がないです。

横須賀中央駅まで

ヨコスカポートマーケットからは、新しく整備された横須賀市の官公庁街を通って、10分ちょっとで京急:横須賀中央駅。官公庁街は別の意味で、シュールレアルな一角ですね。いきなりヨコスカ感ゼロな感じになる所が、逆に非日常的なエリアというか。

横須賀中央駅は特快が停まるので、品川までの乗車時間は帰りの方が短くなります(48分)。そして、高い確率で座れるはず。ということで、行きは汐入、帰りは横須賀中央(汐入のひとつ先)、往復とも京急利用が便利な様です。ただし、バラの時期に訪れるならヴェルニー公園は見る価値があると思うので、JR横須賀駅スタートでしょう。

もっと短く2時間で回りたい方は、ポートマーケット&三笠公園を無しにして、どぶ板通りから横須賀中央駅まで直行すれば、徒歩10分弱。途中に三笠ビル商店街という昭和ムードがそのままのローカル商店街もあって、ここも面白かった!長年地元で営業しているお店が半分、軍関係者向けの不思議なお店が半分。年季の入った手書きの英語チラシが店頭に貼ってあったり、ここでもまた、基地と共に歴史を刻んでいる街だということを実感できますよ。

3時間の非日常TRIP

訪れた日がアメリカの祝日だったからか、平日昼間にも関らず、ご本人か、駐在のご家族か判りませんが、軍関係者と思わしき人々に街中で多く遭遇しました。あちこち写真を撮りまくっていた中で、ハッと緊張する瞬間、取り敢えず撮影を自粛する瞬間も多々ありました。基本的に軍関係の設備は撮影NGですし(中を撮影しようとしたら注意されます)、軍の関係者だったら、撮られたくない人(あるいは撮ってはいけない方…?)もいるだろうし。そういう意味では、他の街とは違う緊張感も、あるかもしれませんね。

都心から電車で約1時間、街に足を踏み入れると直ぐあるリアルな軍港と、一見して観光客ではないアメリカ人の人々が商店街を行き交う景色。ちょっと不思議な気分に浸れる横須賀、ちょこっとTRIPにいかがでしょう?

映像はコチラで!

TravellinGorgeous®チャンネルVol. 127はコチラでどうぞ!

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おとな女子こそ旅に出よう!TravellinGorgeous®トラベリンゴージャスbyマダム・カズエ
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