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Valeur 7 -gray-
目を覚まして支度をして
窓外にうすまった海雲をみながら
各々のしごとにとりかかる
せなかあわせで
ささやかな時間が流れていき
たまにことばを交わし茶を淹れる
このときから足もとに
暗い影が落ちるようになった
前よりもうごきにくく
身体がなにかにとらえられているような感覚
いつもの道を往くだけなのに
足が大きく開けない
それから数日後に
まったくわたしは動けなくなった
友との約束の朝にとつぜんだった
はじめの違和に気づけずに 身支度までして
外階段を駆けおりたとき
足が動かなくなった
外の黒い雲はとおくに薄れていき
日も高く風のやさしい日だった
古屋朋