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ダナエみたいな万葉歌

ひさかたの 月夜を清み
梅の花 心開けて わが思へる君
(『万葉集』巻八・1661・紀小鹿女郎)


(意訳)
清らかな月夜に花を開く梅のように、
私が心を開いてお慕いするあなたよ。


 清らかに潔白に、「君」を慕う純情の歌と捉えることもできるようですが、月が美しい夜に、梅が花を開いて月光を受け入れるという描写は、地下室に閉じ込められていたダナエの元へ、ゼウスが黄金の雨となって降り注いだ(そして子を宿した)神話にも似た、官能的な歌に見える気がします。

 故に、夜空と梅花と月が一枚に収まった写真は、私にとっては18禁。


夜の梅(北野天満宮)


グスタフ・クリムト「ダナエ」


ヤン・ホッサールト「ダナエ」


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