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自分の恐怖心をなぐさめる写真なのかもしれない|#マイフォトストーリー
※ここで書く内容は完全に私の感想であってお気持ちであって、モデルさんの意見では決してありません。
#マイフォトストーリー という投稿企画をお見かけしたので参加しようという記事です。
私が言葉を綴る一葉はこちら。
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若葉さんとの一葉。
この写真は単体で観てはすべてを表現しきれない、2年半の歴史と一緒に鑑賞して初めて染み入るものがあります。
若葉さんに対してのクソデカ感情について。
それと私にとっての写真・ポートレートという「この世に生きていていい理由づくりの道具」からの解放についての、リアルタイムな悩みについて。
表現論のような、自分語りのような、若葉さんに宛てたお手紙のような感じで書いていきます。
「葉」でかぞえることについては、過去記事のこちらをご参照してって。
若葉さんのイメージ。
勤勉で、誠実で、探求熱心で。
好きなことに夢中になれて、自分の好きなものを好きだとストレートに、熱量を込めて伝えられる。
一方で、自信が持てないというか、どこか自尊心の低さを抱えている。
役になっている時間が幸せで。
自分自身に自信が持てないぶん、役として生きることに生きがいを感じている、と私は解釈しています。
2024年に、彼女ひとりをモデルとしてグループ展に参加しました。
その時にもいろいろ考えています。
個人的には作品のクオリティに、納得いっている。
納得、は。
若葉さんを撮ってきて唯一足りていないこと、天候に恵まれないという点を除いて。
天候はコントロールができません。
プロのモデルさん相手なら日程変更で対処できるのでしょうが、相手が役者さんだとスケジュールに余裕がないため困難です。
与えられたカードの中で出来る最大限を発揮してもらうよう導くのが私の仕事ですが、晴れの日のコントラストやドラマチックさを曇りや雨の日に出すことは無理です。
彼女との撮影は本当に天候に恵まれませんでした。
美しい空と撮ることは、最後のピースであり夢だったのです。
2年半に及ぶ夢、それが叶ったのがこの日でした。
また江ノ島という場所も大事でした。
というのもお互いの好きで思い入れのある場所だから。
私はシンプルに好きで通ってて、若葉さんは思い入れのあるアニメ作品の舞台。
ロケーションよし、天候よし、でもう心配することはないです。
この日の撮影行程については、約2週間ほどかけて構築しています。
日没、干潮・満潮の時刻、天気や風の強さなど、不確定な要素も加味して念入りに。
失敗を避けるため、完成度を高めるため、など様々理由はありますが、一番は私自身がめちゃくちゃ楽しみにしていたから。
若葉さんとの撮影は、あと一歩超えられない壁に阻まれてきました。
手を変え品を変え、着想を増やし技術を磨き、ロケーションを漁り、とやってみたもののうまくいかなかったのです。
いままで手が届かなかった領域に手が届くんじゃないか、というワクワク感。
なにより根拠なく「明日は絶対ステキに撮れる」と思える程度に、いろいろ向き合ってきた過去があってのこと。
いままで若葉さんを撮影をしてきたのは、
まだ引き出せていない魅力があると信じていたからに他ならないし、
尊敬できる大切なモデルさんであり役者さんであり、
自分を重ねるところを併せ持った存在だから、でしょうか。
誤解を招かないために付け加えておくと、若葉さんが演劇に対して、私が写真に対して向き合う姿勢と同じものを持っている、というわけではありません。
私が勝手にシンパシーを感じているだけ。
自信がないながらも、好きなもの輝ける場所求めてもらえる役割を、そこに見出しているところ。
でも彼女は危機感などではなく、純粋にそこが居場所であると納得し自然といる、だと解釈してはいます。
さて撮影当日。
念入りに構想したおかげで撮れ高は順調。
いつも通り狙ったカットは狙ったように、その上でライブ感を大事に。
全日のワクワクは的中して。
これまで観られなかったような、光に包まれた若葉さんの姿が目の前にあるのですから。
これまでを超える充実感を味わいながら、この日のメインイベントたる夕日の浜辺へ。
冬らしい淡い色の空を背景に、若葉さんを描いていく。
文字通り”絵になる”から終始楽しくて。
陽が沈むほんの少し前、絶妙な色を見せてくれた空が最高の舞台を作ってくれました。
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若葉さんのよさのひとつ、誰に媚びるでもないカット。
これまではカッコよさに振っていましたが、夕日とのコラボレーションで美しさやドラマチックさを表現してくれて。
そう、これを撮りに来たんだ、と。
傑作で、宝物。
私、お世辞が嫌いでして。
クソ真面目に受け取ることしかできないもんだから、これまで数多くのすれ違いを起こしてきたので。
お陰様で人間不信は定常的ですが、少なくとも自分からは嘘を吐かないよう、褒めるにも「また遊ぼうね」にも本心から申しておりまして。
若葉さんに対しても「自信作がたくさん」「展示して観て」もらいたいとオーバーな表現でなくお伝えしています。
どの程度伝わっているかは分からないですが。
なんとなく、全部が全部ストレートに受け取ってもらってはいないのかも、なんて思っていたりはします。
自分だったらそうだな、みたいな考えで。
でもある意味、自分自身を赦すために言っているのかもと思っています。
正しい表現なのか分からないですが。
仮に若葉さんが役者さんでなくなったとしても、私としては一人の人間・若葉琴音を描いていたいと思える、の気持ち。
私のリアルタイムな悩み、もし写真を失ったら誰からも見向きもされなくなるんだろうなという恐怖心に対しての慰め。
「あなたがあなたでいるなら、私は素敵だと思うよ」と思うことで自分自身にも声をかけているんじゃないかな。
なんて。
ポートレートについて語るときは、どうしてもくさい文章になっちゃうのどうにかしたい。
できなんだけど。
こんなんだから手紙とか絶対に書けないんです。
でもこうして書けるのだからnoteって便利。
ステキな企画に出会えたことにも感謝です。
めちゃくちゃ時間かけて書いて思考が整理できました。
若葉さんとは今後もさらに色々撮っていきたいな。
たぶんまたどっかで展示もするのでお楽しみに。
それでは。
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