エンタメとマーケティング6 テレビ番組の視聴方法の変化と今求められるテレビ番組とCM

真剣に内容を楽しみにテレビを見ている人は、どれくだいいるだろうか。

一人暮らし、核家族化で、家事など家での役目がある人も増え、テレビを真剣に見る時間は少ないだろう。

よほど真剣に見たいものは「録画をして見る」録画機器を持っていない人の中には、「不法にアプロードされた動画などを見る」という人も少なくはないだろう。

これらに上げた、時間がない人間が「真剣にテレビ番組を見る方法」はCMを見ない。HD録画等のほとんどにCMスキップ機能がついている。真剣に見ているのだからCMで邪魔をされたくない人も多い。不法アップロード動画は親切にCMをカットしてある。CMを流している会社としてはCMを見て欲しいところだが、オンタイムで見られない番組はいくら話題になってもCMを視聴者に見てもらえないのが現状である。

では、そんな人間にどんな時にCMの情報は伝わるのだろうか。

それは『テレビがBGMになっている時』だ。

Twitterを見ている時、キッチンに立っている時、アイロンをかけている時。特に何を知りたい、何を見たいという気持ちでは無いがテレビを付けて、流している。BGMになっている事はないだろうか。そして、たまに欲しい情報が聞こえてきたらテレビに顔を向ける。他の事をしているので、CMに合わせてトイレにも行かない、オンタイムで視聴しているのでCMスキップはない。

ではどんな番組がBGMになりやすいのだろうか。

・目的、テーマがある番組

・情報のある番組

・過激ではない番組

まず「テーマのある番組」

作業をしながら視聴する場合、話題が変わるとついていく事ができない。番組全体で一つのテーマに絞っていると、他の事に気が散っていても、番組が何をやっているのかわかる。

そして、テーマがあるとゴールがある。番組の最後に今までの内容をまとめた完成系の何かがある。少なくともテーマの確認さえできていれば最後の完成系を見れば番組をある程度楽しめる。

次に「情報のある番組」

作業をして片手間であまり聞いてないんじゃないの?と思われるだろう。しかし、人は意外に聞いているものだ。特に女性は男性よりマルチタスクが得意とされ、一度に2個以上の事を同時進行でできると言われている。

しかもスマートフォンの普及で簡単に検索やメモがとれる。テレビでオススメされたレストランが気になればすぐに検索してお気に入りに入れる。レシピもスマホて写真を撮ってもいい、番組サイトに行ってもいい。

聞いていないとは言え、自分に得のない番組はみないだろう。

最後に「過激ではない番組」

テーマがあり、情報がいくらあっても、過激な番組は見ない。

自分が意見を持ってしまい熱くなってしまうから!という人も少なくはないだろう。しかし、一番の理由は「疲れる」ことである。他人の意見や意思というものは、テレビを介しても伝わってくるものである。この情報過多社会において、それは精神的疲労につながる。ただでさえ、社会生活で疲れているのに、自分の空間である家でまで他人の感情を受け取りたくないという現代人は多い。

では具体的にどんな番組があるだろう。

「ワイドショー全般」

放送時間は2時間前後で長いが、ニュースや話題ごとにテーマがある。情報はワイドショーなので当然ある。過激かどうかはその時々のニュースで決まる。しかし多くのワイドショーは、合間に息抜きになるニュースや話題を後半に持ってくる。

「新チューボーですよ!」

この番組はバラエティ要素もありながら、料理番組の料理を作るという明確なテーマがある番組である。普通の料理番組であれば、材料と手順意外の情報が少ないものが多い。しかし、この番組はその料理の名店の情報があり、作る方法も名店の数だけある。そして賄いのコーナーで簡単でもう一品紹介がある。そしてゲストが何らかの番組や映画の宣伝を行うことで、料理以外の新しい情報も入る。

「大改造‼︎劇的ビフォーアフター」

これも明確な「家を新しくする」というテーマが常に一貫している。そして、この番組は建築系番組では珍しく一件をほぼ一回に纏めている。つまり、最後に完成系を見ることができる。時間帯としても皿洗いに抜けやすい時間だが、最初の「困っている部分」と「完成して困ったものを解決した部分」を見れば十分楽しむことができる。

この番組は情報という点では少し少ないが、人間の最低限といわれる「衣食住」の住部分を扱っている。建て替え、改築、住み替えを考える人には情報になったり、アイディアになったりもする。

「7つの海を楽しもう!世界さまぁ〜リゾート」

これも「リゾート地」を紹介するというテーマがある。もちろん紹介番組んあのでリゾートの情報がある。今まで紹介した番組に比べて、リゾートの情報を紹介するので現実離れはある。

「Going! Sports&News」

この番組はスポーツをメインにした情報番組ということで、ワイドショーと同じように、話題ごとに短時間で情報が区切ってあるタイプの番組だ。よほど応援しているチームや選手がない限りは見逃してもショックではない。

「出没!アド街ック天国」

これはひとつの街に絞り、ランキンングで街の情報を視聴者に提供するという番組だ。こちらも、明確なテーマ、情報があり、司会がNHKの朝の顔も務めるV6の井ノ原快彦さんだ。過激さは当然ない。

具体例を見てどうだろうか。

これらの番組、毎回楽しみに真剣に必ず見ているという人は少ないのではないだろうか。多分「私はビフォーアフター録画してるぞ!」っという人も多いだろう。我家もだ。

なので、自分が楽しみにしている番組があった人は、それ以外の番組を見て欲しい。

「見逃してはいけない!見逃したら続きが!」という番組は特にない。そしてコアターゲットはそれぞれにあるが、家族の誰が見ても不快にならない番組がほとんどである。

なんとなく、テレビをつけて、聞いている。気になる情報で顔を上げる。そんな時間に必要なのは、実は面白い番組よりも家庭の「普通」に馴染む番組が求められているのではないだろうか。そして、そこへ馴染むCMが今のテレビでは有効なCMなのかもしれない。

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