『長い目で見られるか』ということ。
妻は今、試練の最中にいる。
目先の利益にとらわれず、長い目で見られるか。
…長男の中学受験の話である。
最近成績が右肩下がりになっているにもかかわらず、受験勉強どころか、塾のテスト勉強にも身の入らない長男に、妻の苛立ちは右肩上がりである。
宿題の問題を1問解いては漫画を読むといった様子に度々雷が落ちるものの、お互い言い合いになるだけで、なんら改善に繋がらない。
堪りかねて塾に相談したところ、「しばらく全く声がけをしない」ことを提案されたとのことだった。
すなわち、例えば「1週間」などと期間を区切り、宿題を忘れていようが、テスト勉強をやっていなかろうが、漫画を読み漁っていようが、YouTubeに興じていようが、「黙って見守る」ということらしい。
なるほど、よく分かる。元来男の子は、グチグチうるさく言われることが嫌いであり、特に「最初にAをやって、Bをやって、最後にCをやったら?あ、Dもしないとね!Cより先にDをする?」など、事細かに指示されるのを嫌う。(そして妻は、割とこういったコミュニケーションをしてしまう)
彼女も頭では分かっているものの、性別の違い、そして何より息子に対する思い入れから、つい口を出してしまうのだろう。
ただ、今は嫌々でも親の指示に従えたとして、一生そうはいかない。いつかは「自ら考え、自らにエンジンをかけ、自分の力でやっていく」ことが求められる。
叱ってやらせることができれば楽だが、長い目で見ると、お互いにとって良くないことになるのは確実である。見守る方はストレスフルだが、むしろ今だからこそ我慢のしどころではないか、との結論に至った。
さて、ひとまず1週間。
果たして、何も言われない長男はどこまでも自由に過ごすのか。それとも、少しでも自ら考え行動するのか。
後者に期待して、見守ってみようと思う。
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