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一緒に仕事をしたら、3年越しに同僚の真意に触れて、バイアスが溶けて嬉しくなった話

先日、弊社共同代表の安斎さんの冒険する組織のつくりかた「軍事的世界観」を抜け出す5つの思考法という書籍の先行予約が開始された。

これまでの企業経営のOSであった「軍事的な世界観」に対して、これからは「冒険的な世界観」という新たなOSが大事になるのではないか、という提案をした安斎さん渾身の書籍だ。

そこにちなんで、 #わたしたちの冒険 というテーマで、今年のアドベントカレンダーをMIMIGURIのみんなで書いていく。

安斎さんが書籍を出版する一方で、僕自身は冒険的な世界を目指しているMIMIGURIにいながらも、その世界観を阻害するバイアスを持ってしまったこともあって、反省もあったここ数ヶ月だった。

採用やクライアントワークの中でも、MIMIGURIの組織を理想的に捉えてくださるコメントを頂くことが増えた。けど、結構泥臭くみんな向き合いながらやってるんすよ…!ということもあるし、あとシンプルに僕自身の反省も込めて、今年のアドベントカレンダーを書いてみたい。笑


パワフルでハートフルな「くまさん」

謝罪先は、コーポレート担当のくまさんだ。名前から大柄な男性を想像するかもしれないが、実際は華奢で小柄な女性。それでいて、ものすごくパワフルでハートフルな人でもある。

僕が3年前に入社してから、営業関連の会議への参加、帳票のアップデート、営業データ更新のリマインドなど、様々な業務を担ってくれていた。そして、MIMIGURIの全社会では「経営状況」についてわかりやすく説明してくれる役割も。社内で池上彰先生ならぬ、「くまがみ先生」と呼ばれている。

そんな陰の大黒柱であるくまさんに、僕は特に悪い印象を持ったことはなく、むしろ普通に感謝しかない。……いや、本当のことを言うと、基盤周りを担ってくれるところを「当たり前」として受け入れていて、そこに感情を持つことさえ少なかったのかもしれない。

ただ、なんとなく、普段の事業データ更新のリマインドや、具体的なネクストアクションを書くようみんなに促す姿から、くまさん=「経済指標の数値管理をめっちゃ詰めたい人」「直近のネクストアクションをきっちり具体化して、みんなにやらせたい人」といったバイアスが、いつの間にか自分の中に生まれていたのが正直なところだった。

次第に芽生える違和感

そんな中、今年、事業長の濱脇さんが1ヶ月育休に入ることをきっかけに、僕がその役割を引き継ぐことに。これをきっかけに、くまさんと直接話す機会が増えていった。

たとえば、事業運営のための会議体の再設計や、会議で使うNotionの整理。そしてそれに関連するデータベースや帳票管理のインフラ整備について、くまさんと一緒に進めている。

また、事業運営において気になる点をくまさんから直接聞いたり、意見交換をしながらどういう思いで仕事をしているのかを知っていく時間にもなっていた。くまさんという人を知っていく時間とも言えたのかもしれない。

そんな中で、次第に僕の中で違和感が芽生えていった。

「……ん???」

それまでの僕にとって、くまさんは「ネクストアクションを全部具体的に書かせたい人」「短期的な経済性を重視している人」という認識だった。けれど、実際に目の前のくまさんが話す内容は全く違っていた。

🐻「これで中長期的にクライアントとの関係資産を築けるっけ…?」
🐻「本当に、すもち(社内コミュニティ)のみんなの探究が進められるかな…?」
🐻「経済指標は一側面に過ぎないと思う。ビジネスモデル全体が見えているのか?」

お、おう……。経済性を追っているだけではなく、本気でMIMIGURIのめざす知識創造企業に向かおうとしているのか……。経済指標は単にその一側面として使っているという認識だったのか……。完全に認知のギャップだった。

ただ、正直に言うと、最初はそれでも謎の疑心もあった。

「……そうは言っても?」
「いやいや、MIMIGURIの経営管理の責任者として、ミッションとかそういうのは接続しておいた方がいいからしているって感じ…?」
「結局、経済指標が大事なんですよね…?」

そんな「とはいっても」という疑念が、頭の中にあったのは正直なところだ。要は、経済性と、ミッションを切り離して捉えていて、ミッション「も」大事だけど、そうはいっても短期的な経済性とかを最も重視しますよね?と。(本当にごめんなさい。当時の自分をぶん殴りたい。強くは無理だけど。)

スーっと溶けていったバイアス

そんな中、別の取り組みを進めていて、Unit Leadチームで知識創造活動を始めることにした。これは、Unit Lead自身が自分なりに探究を進めてみて、知識創造をやってみようという試みだ。

ご参考までに書くと、MIMIGURIとして知識創造企業に向けてドライブをかける中で、「そもそも知識創造って何?」「自分たちにそんなことができる?」という漠然とした問いや不安にUnit Leadチームとして向き合ってみた活動だ。

長期的には、この活動がMIMIGURIの社内もそうだし、ご一緒している企業の皆さんとの間で、なんらかの好影響があると信じてやまなかった。

ただ、この活動は短期的な経済資産にはねっかえりのある活動ではない。「いやいや、アウトプットや取り組み自体はすごく面白いけど、事業イシューの話をしようよ」と言われても仕方ないな、と思っていた側面もあった。

この活動のシェアを事業推進の会議で話すとき、僕は正直、おそるおそるくまさんに話したのを覚えている。反応として想定していたのは、「やりたいことはわかるが、もっと短期の事業合理性のあるテーマを…」と返ってくるのではないかと勝手に脳内イメージを作ってしまっていた

「実は、こんな活動をやろうと思っていて……」

すると、返ってきた言葉は意外なものだった。

🐻「え、めっちゃいい!これをやったらxxxxxxx(なんかいろいろ言ってくれた気がする)」

……え、どうしたの?
「とはいっても経済性」の話じゃないの?
案件の進捗やネクストアクションを詰めるみたいなことを優先した方がいいって言わないの?

このときに、自分の中で「バイアス」がスーッと溶けていくのがわかった
「あ、この人、本気で知識創造企業を目指してたのか。」とその時にやっと気づいた感じだった。あと、その本気さに触れたとき、シンプルにすごく嬉しかった。

この経験を通して再認識したのは、自分の脳内のイメージで、知らず知らずのうちに、「記号化」や「レッテル貼り」をしてしまうこと。そして、それがどれだけ誤解を生み出すかということだった。

くまさんは最初からずっと、経済指標も知識創造も、「裏表の関係」として捉えていたし、そういう発言を全社会でも個別のMTGでも話してくれていた。なのに、僕がバイアスを持っていたことで、その真意を受け取れていなかったし、勝手にその前提で捉えてしまっていた。


このnoteのテーマは「わたしたちの冒険」。これは僕個人の話であると同時に、MIMIGURIで暮らす一人として、MIMIGURI自体の組織の冒険の一部でもあると思う。

一人ひとりがバイアスを持ったり、溶かしたり、ぶつかったり、仲直りしたり。そんな過程を経ながら、記号化せずに、自分たちなりの組織を作っていく。それが、MIMIGURIの「冒険する組織のつくりかた」なんじゃないかと思う。

……いや、なんかうまくまとめた気になれたけど、これ、普通にくまさんに謝ってるだけのアドベントカレンダーだ。笑

くまさん、本当にごめん。

おわりに

冒頭でも記載した通り、冒険する組織のつくりかた「軍事的世界観」を抜け出す5つの思考法が先行予約中ですので、ご興味のある方はぜひ見てみてください。

また、12月10日(火)には書籍内容を先行公開するウェビナーを開催予定ですし、安斎さんのVoicyでも適宜本の内容にも触れるかもです。お忙しくなかなか本が読めない…という方は、かなりインプットしやすくなると思うのでぜひ合わせてご予約ください。

あと、忘れずに僕のnoteXもフォローしてもらえるととっても嬉しいです!

ではでは、このあたりで。
明日のアドベントカレンダーは、とくーだこと、徳田さん。
お楽しみに。

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