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2年ぶりのバリュー変更|「Be Animalの変更を検討」から始まったLayerXの行動指針アップデート

こんにちは、すべての経済活動をデジタル化したい、そしてハタラクをバクラクにもしたい石黒 @takaya_i です。

今日は「LayerXの行動指針をアップデートしたプロセスについて」です。
近年のスタートアップ経営は「ミッション・バリュー経営」と言っていいほど、その重要性については誰もが納得するところかと思います。

ミッションはその集団が「目指す先」、バリュー(LayerXでは行動指針と呼びます)はその集団が「行動する上でのOS(=Operating System)」となります。

この記事は、【2022 春 LayerX Advent Calendar(概念) 】11日目の記事です。前回の記事はakinoさんの2000年生まれの私がBeAnimalにLayerX中途入社するまでの話 で明日12日目ははzabethさんの記事が公開予定です!

LayerXの行動指針

お読みいただいている皆さんとの前提を合わせるため、LayerX行動指針についてその歴史や解釈・運用の様子をシェアします。

LayerXは2018年創業当初から5つの行動指針をもとに活動してきました。2020年3月にミッション策定とともに日本語部分が一部アップデートされ、現在に至ります。直近の様子は以下のnoteが詳しいです。

5つの行動指針、例えば選考プロセスや日常のSlack上の会話でも常に活用されています。

LayerXの行動指針(Update前)

変更を検討した理由

行動指針の中でも特に「Be Animal」について議論をしました。私や代表の福島さん(以下fukkyy)が採用選考などを通じ候補者の皆さんとコミュニケーションする中で他の4つの行動指針と比較して「Be Animal」について認識のズレを感じることがあったためです。

認識のズレの例
- 選考プロセスで候補者と会話するたび、Be Animalの解釈のアラインに複数回の往復が必要なことがあった(他の行動指針の解釈はズレにくい)
- 「行動指針の雄叫び」があると聞きましたが本当ですか?(過去ありましたが、今は無いです)
- ローコンテクストを前提としていた行動やスタンプ等があり、解釈運用のための理解にズレが生じ始めていた(トライアル入社等において)

そして、このように具体的に接点があった方からの指摘があるということは、それ以上に同様のことを思っている方がいるのではないかと考え、何らかの対応をしようと考えたことが始まりです。

検討プロセス

プロセスについては、以下の形で進めました。

検討時期:1月下旬〜3月上旬
従業員数:60名→85名に変化する時期
プロセス:
- 1.従業員向けサーベイ(結果は完全公開)
- 2.オープンドア(サーベイ結果を元に)
- 3.Boardメンバーで最終案決定
- 4.全社定例で公開


1.従業員向けサーベイ(結果は完全公開)

こんな感じで #generalにアナウンス→回答を実施。こだわったのは「全員の意見を全員が見れるようにすること」です。Trustful Teamという行動指針を体現するべくそのような形を取りました。

#generalでのpost

雇用形態に限らず、インターンメンバーも、入社前でSlackにいるメンバーも、役員メンバーも思い思い書いてもらいました。かなり多くの割合のメンバーがそれぞれの意見を「賛成・反対」の2択とともに書いてくれました。もちろん全文読みました。この時点で「これはやってよかったな〜」とすでに思い始めていました。

2.オープンドア(サーベイ結果を元に)

サーベイ内容を元に、更に具体的な意見(ニュアンス含む)を聞き、アラインメントしていく場としてオープンドアを実施しました(Zoomにて)。

#generalでのpost

サーベイで既に言語化された内容の背景にある部分や、より具体的な「どう表現したら」「どうアップデートしたら」という話ができ、有意義な時間になりました。fukkyyや松本さん(以下ymatsuさん)が「メッチャやってよかったね」と言っていたのが印象に残っています。なお、この時代のオープンドアは(従来の物理空間で実施されるミーティングスペース等での実施と比較して)議論における熱量が蒸発してしまうことがなく、録画に残せるというのがポイントかなと思っています。

1回目と2回目でも議論の方向が異なるので相互理解にも繋がります

実際、業務中に参加できなかったメンバーから「週末見たけど良い議論だった!」などのコメントが #random 的なところにpostされてて良かったなと。

3.Boardメンバーで最終案決定

サーベイ、議論、オープンドア等を経て、最終案を決定する時間を取りました。fukkyyとymatsuさん中心になり、最終的なUpdate案をテキストベースで決めていきます。今回こだわったのはテキストのワーディングだけではなく「順番」や「位置」、「場所」からくる前後関係など、トータルで感じる(受け止める)イメージでした。

4.全社定例で公開

そして今回、2年ぶりにアップデートされた行動指針がこちらです。

LayerXの行動指針(Update後)
  • 「徳」を一番上に持ってきました。最も大切にしたい価値観だからです

  • それぞれの配置に意味を持たせました

  • 例えば「Be Animal」は「Fact Base」と並べて配置することで、その言葉の保つ意味の解釈を深めてくれます

  • 「Be Animal」の日本語文がUpdateされました

発表された全社MTGでは非常に盛り上がりました。Zoomで行われる週次定例、毎度流速がすごいのですがこの時もすごかったですね。

もう一度見比べてみていかがでしょうか?私イチ個人としても、Update後のバージョンをとても気に入っています。

LayerXの行動指針(Update前)
LayerXの行動指針(Update後)

おわりに

今回のプロセスをマネジメントしたひとりとして感じたことを一つだけあげるとするならば

意思決定は最終成果物よりもプロセスが大事

ということです。Slack社のコチラのページに一つのヒントがありますが、今回のプロセスを経たことで、納得感や次の行動・アクションに繋がりやすい形になったと思います。

- 解決策ではなく問題を明らかにする
- クリティカルシンキングを促進する
- 意見の不一致を想定・考慮する
- 現実的な締め切りを設定する
- 小さな決定は気にしない

参考:意思決定プロセス改善のための 5 ステップ

また、嬉しかった話がこちらです。Webサイトの表示を変更した翌日の出来事でした。変更のアクションをスピード感持って対応してくれたデザイナーメンバーと、これを全社メンバーにすぐ伝えてくれたserimaに感謝です。

社内Slackの一部

「徳」

今回のアップデートで一番上に配置された行動指針「徳」をもう一度。


LayerXは、⻑期的な視点で社会の発展に寄与する存在であり続けたい。短期的な売上至上主義に走らず、仲間や社会から信頼を得られる行動を追求しよう。

LayerXでは働く上で「長時間より長期間」という価値観を大切にしています。現在約80名のメンバーが「⻑期的な視点で社会の発展にに寄与」「仲間や社会から信頼を得られる行動を追求」しています。

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