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「部外者」だからこその役割がある。それを内部の人は利用して頂きたい。

(写真はフェリーから眺める久米島:2022年6月撮影)

海外での仕事でも、国内の仕事でも多くの場合に私は「外部」の人として仕事に関わることばかりです。

教育関係の仕事も、学校教育の現場から見れば、私は「教員免許」もなければ、「教員」としての経験もありません。

ですかから「外国」の人のよう。

そればかりか、東京生まれの東京育ちですから、地元の人からすれば「外国人」と同じような地元のことを知らない人間。

地方から東京に帰る時に「日本に帰ったら」と言ってしまい、地元の方々に「ここも日本ですよ」とあきれられる始末。

ですから、地元を知らない、地元の言葉を話さない「外国人」のようです。

なんで私のような「部外者」「外国人」が地元に関わる必要があるのか。

社内の人からすれば、社外からやってきた「部外者」が何故入ってくるのか。

言葉にこそしなくても、心の中で疑問に思っている方は必ずいらっしゃいます。

そんな私が沖縄県久米島に来ています。

今回は「部外者」の私が久米島を訪問しながら考えること共有いたします。

「ナイチャー」の私

沖縄の人にとっては私は県外の人。

「ウチナーンチュ」とは沖縄の方言(ウチナーグチ)で沖縄出身者のことです。

私は「内地」とか「本土」の人です。

「ナイチャー」

この言葉、受け取る人によって異なるイメージを持つようです。

差別語とか、悪口だと言う人もいて、あまり沖縄県外の人に使わないですね。

「やまとんちゅ」というのもあって、「大和」の国の人という意味です。

37歳になるまで沖縄県に行ったことはありませんでした。

今年の沖縄返還50周年の今年、初めて「アメリカゆー」ということばを聞きました。

戦後、沖縄がアメリカの占領化にあったことは知っていました。

しかし、今もある米軍基地が、戦後27年間の「アメリカゆー」の中でどのように出来上がっていったのかについて知りませんでした。

久米島に来て案内をしてくれた現地の方々同士が話す時には、久米島の方言です。私にとっては外国語のようで全く意味が分かりません。

海外では私は「外国人」

海外の研修をする際にも、私は外の人間です。

訪問する国では、いわゆる「外人」なのです。

海外での研修では、現地の方々のための研修をしています。

海外から来た「日本人」「外国の人」として登壇します。

特に初めての場所では、分からない事が山ほどあります。

既にあげたように文化習慣も違えば、言葉も違う。

国や地域だけではなくて、その組織文化というものも初めて関わる時には何も分かりません。

そんな私が何の役に立つの?そう思われても仕方がないでしょう。

外から来た者がもたらせること

何も分からない、言葉さえも異なる。それが外国でも、国内でも、そして一つの組織であったとしても、「部外者」はどんな貢献をすることができるのでしょう。

仕事の内容そのものではなく「部外者」が内部の方々に接する時に、「部外者」だからこその貢献があるのです。

その二つだけ選んで紹介しましょう。

1.視点の違い

外の人間だから気づくことがあります。

なぜそうなっているのか?

その内容を改めて異文化からやってきた人に説明することで自分自身の考えが整理されるという効果があるのです。

しかし、それだけではありません。

多くの場合、個人でもそうであるように、自らにとって「当り前」になっているところに「強み」は潜んでいます。

そんなこともあって自らの「強み」はなかなか自分一人だけ、社内、地域内だけでは、見つけ出すことが不可能ではありません。

これは組織でも一所でしょうし、久米島、沖縄全体としても同じ事がいえるのです。

例えば、久米島がどれだけ「水」が豊富であるかということを、「強み」として考えなかったという島民の方もいらっしゃいます。

部外者が疑問を持って質問した時に、答えを用意しようとして考えることがヒントになることがあるのです。

2.共通の敵

組織内部の足並みが揃わない、酷い場合は組織内部でまとまれないことがあります。それは組織内だけではなく、地域でも同じような事があります。

様々な理由から「ベクトル」が同じ方向を向いていません。

そんな時に外部から人(私のこと)が来て、あれこれ話します。

そして外部の私に忖度しないで自由に反論してくださると、たちまち「共通の敵」(この場合の私)が「連帯」を生むことが結構あるのです。

もちろん私に反論してもらわなくても良いのですが、微妙に異なる意見を持つ方々が、お互いの意見の異なる部分に焦点を当てずに、私に向かって言う時に言いやすく、意見の違いが軋轢になりにくくなります。

まとめ

もちろん、直接私が提供するサービスが貢献になるということで招いて頂くわけですが、部外者であることだけで貢献になる事があるというお話しでした。

どうぞ、部外者を呼ぶ時にはこんな利点もあるのだなと考えて頂くとよろしいのではないでしょうか。


最後までお付き合いいただき感謝です。


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