誰かを褒めたのはいつのことでしたか?褒められたのは?
(写真はウズベキスタン、タシュケント空港:2015年9月撮影)
「発想がすばらしい、とても助けになりました。ありがとうございます。」
先日、新規事業の立ち上げのご相談で、こう感謝されました。お褒めの言葉に励まされて、もっとお役に立ちたいと思いました。
褒められると嬉しいし、何か不思議とどこからか力が湧き上がってきます。疲れが吹っ飛んでしまうこともあります。
そして、もっと貢献したいなぁと思わされます。
なんだ、noteに自慢話を書きたいの?
いえ、そういうわけではありません。
褒められると、「承認欲求」が満たされますよね。
このことについて考えたいと思います。
承認欲求
「承認欲求」とは、「他者から認められたい、また自分を価値ある存在として認めたい」という人が自分の内側に持つ欲求のことです。
「欲求」という言葉がつくと、どこかしら、よろしくないイメージがつきまといますね。
でも、人は誰でも持っている心の求めなのだと思います。
ご存じマズローの5段階欲求にも「承認欲求」はでてきますよね。
生理的欲求
安全欲求
社会的欲求
承認欲求 ←これ
自己実現欲求
マズローの理論では、1から欲求は満たされていると、次の段階の欲求を満たそうとするということになっています。
第三レベルの「社会的欲求」。すなわち、社会や集団に所属意識を持ちたい。友だちや家族に受け入れられたい。そのような欲求が満たされた時に、第四レベルの「承認欲求」を求めるようになるというものです。
そして「承認欲求」には下位と上位があるとされています。
下位の承認欲求:「他者に認められたい、賞賛されたい」
上位の承認欲求:「自分で自分を認めたい、自己肯定感を持ちたい」
冒頭の私への褒め言葉は、私の「下位の承認欲求」を満たした事になります。
そして、自分の貢献を認識して、自分の役割を果たしたいという「自己実現欲求」を私の中にもたらしているとも言えるでしょう。
このように考えると「欲求」とはいっても、良くないものであるとは言えませんよね。
脳内で何が起きているのか
脳科学の発達により、様々な状況の中で私たちの脳内で何がおきているのかが解明されてきています。
褒められたり、認められたりして、「承認欲求」が満たされたる時に脳内で何が起きているのでしょう。
脳の中には様々なシステムが存在するのですが、その中の一つに「報酬系」というシステムがあります。
私たちの「欲求」は、脳内のシステムの「報酬系」で取り扱われるわけです。
この「報酬系」と深い関係のある物質が、「快感」に深い関係のある神経伝達物質「ドーパミン」です。
「承認欲求」が満たされるとドーパミンが分泌されるのです。ドーパミンによって、さらに承認された行為をしようとする「意欲」が増幅するわけです。
脳卒中の患者のリハビリテーションにおいて「褒める」というフィードバックをした患者と、「褒める」というフィードバックの介入をしなかった患者の回復にどのような違いが出るかという比較研究が行なわれました。
UCLAの神経リハビリテーションの専門家であるBruce Dobkin博士らが2010年に行った日米七カ国を含む脳卒中のリハビリテーションについての国際研究の発表の動画(英語のみ)
その結果、両者の回復の違いは、なんと
1.8倍!
約二倍、歩行の回復が進んだというのです。
もちろん、褒められた患者のグループの方がです。
ドーパミンが分泌されると、快感をもたらした行動を更に補強するように脳が作用するらしいのです。
褒め合いましょう
ドーパミンが分泌されて、より良い行動が引き出されるとするなら、この脳内機能を利用しない手はないのではないでしょうか?
「褒めるとつけあがる」
「もっと頑張ってもらうために厳しく」
「期待が高いことを分かってもらうためには褒めない」
「小馬鹿にしていると思われるから逆効果」
「褒めるの得意じゃない」
などなど、褒めるべきではない理由が脳裏に浮かぶかもしれません。
褒めない理由は、褒めた時に起こりうる「副作用」を心配していると思われます。
そのような「副作用」を抑える正しい褒め方をしましょう。
具体的に言動を褒める
褒めるべき事の直後に褒める
比較や誇張で褒めない
相手を操作するために褒めない
このような褒め方でお互いに褒め合って、もっと良い貢献をお互いから引き出し合いたいですね。
noteのスキ、フォロー、コメントも、ドーパミン出ますよね。
最後までお付き合い下さりありがとうございます。