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ブラインド・スポットがあることを忘れていませんか?
「ブラインド・スポット」
どこかで聞いたことがあると思います。
英語で「盲点」や「死角」のことを意味します。
私たちの認知における「ブラインド・スポット」について考えます。
「盲点」とは?
「盲点」は17世紀のフランスの物理学者エドム・マリオットによって発見されたため、「マリオット盲点」とも呼ばれます。
単眼で注視した点の外方約 15度、下方約3度の位置に、約5度の大きさのほぼ円形の視野が欠損している部分が存在します。
これまで自分の「盲点」を学校の授業などで、確認したことがある人もいらっしゃるかもしれません。
まだ、確認したことがないという方は、上の猫と犬を使って調べることができます。(ラップトップですとやりやすいかも知れません。)
コンピュータの画面に顔を近づけて、上の黒い猫を左目片目だけで注視しながら、顔を画面に近づけたり離したり前後に動かします。
すると、左側の犬が消える場所があります。視野欠損部分に犬がすっぽりと入ってしまうからです。
上の画面が見にくい場合は、メモ用紙や紙に●や╋などの印を書いて調べてみて下さい。ネット上にも様々なものが提供されています。
「盲点」の欠損部分は、左右それぞれの目に一カ所あります。
しかし、普段は、欠損部分が重なり合っていない両目で見ているため、見えている視野は、補完し合っていて認識することはありません。
また、単眼視でも、隣接部の地色や地模様で補填されているために、盲点となっている欠陥部分には気づかないのです。
先の実験をして、犬が消えたように見えますが、周囲の画面の地色(白)によって補填されただけです。
実際は周囲の地色が欠損部分にあるかのように脳が調整しているために、犬が消えたように見えている、いや、消えたように認識されているわけです。
これが「盲点」です。
「死角」とは?
「ブラインド・スポット」という言葉の意味に、「死角」と言うものもあります。
「死角」はある角度から見えない範囲や部分のことを言います。
車の運転教習で良く使われる言葉です。車の運転席に座ったままでは、見ることのできない「死角」には、次のようなものがあります。
車体の周辺で特に地面に近いところは見えません。ミラーでも頭を動かしても見えない部分がありますよね。
右左折時、特に左折の際にミラーには移らない範囲が自分より左後方の位置にありますね。顔を斜め後方に向けて目視しないと見えない部分です。
ピラー(柱)、フロントガラスとドアとの間の柱です。余り気にならないのですが、この後ろにかなりの見えない範囲が拡がっています。
このような「死角」に物や人が入ってしまうと、事故に繋がってしまうことがあるのです。
「死角」という言葉は、銃砲で射程範囲でありながら、障害物や銃の構造上、射撃できない範囲のこともさして使われます。
そして、「死角」はこのように物理的なことだけではなく、身近にありながら、気づかないこともさして使われるのです。
私たちが気づかない「盲点」や「死角」、すなわち「ブラインド・スポット」というものがあるのです。
初めて知った自分の「ブラインド・スポット」
「盲点」というより、「死角」的なものですが、初めて自分に認知の「死角」があることを知ったのは、すでに社会人になってからのことです。
このことについて以前の投稿に書きました。
私は自分に「競争心」なんて微塵もないと思っていたのです。
同僚が私の発した「いつも他の人に勝たせてあげてるじゃん」という一言を逃さずに指摘してくれて、ようやく自分の中にある競争心が見えたのです。
「競争心」が「死角」に入ってたという言い方もできるでしょう。
「死角」から私の「競争心」がチラリと顔をだした瞬間に、同僚が指摘してくれたことで、私の視座が変わり、自分の「競争心」が見えたのです。
「ブラインド・スポット」でも、「死角」の場合は位置を動かせば、見える様になるわけですが、「盲点」の場合は見る位置を変えたからといって、見える様になるわけではないのです。
「灯台下暗し」なのです。
自分の事は自分が一番よく分かっていると思っても、実は全く見えていないこともあるのではないでしょうか。
「ブラインド・スポット」との付き合い方
個人でもそうなのですが、それは組織にも当てはまることがあるように思います。
いつも一緒にいる仲間だからこそ、見えることもあるのですが、一緒に見えない「死角」や「盲点」が、組織にもあるように思います。
このようなことの為に、コーチングやコンサルティングが用いられるのです。
自ら気づいていないことが、第3者からはよく見えると言うことがあるのです。
個人であれ、組織であれ「ブラインド・スポット」への対処には、いくつかのアプローチがあると思います。
まずは、信頼のおける他者の視点に耳を傾けることです。
鏡を見るようにして、他者の声に耳を傾けること。
フィードバックを大切にすることです。
分かっている、と誰もが思いますが、まずは実際に耳を傾けてみましょう。
なんといっても、「ブラインド・スポット」だけに。
最後までお付き合い頂きありがとうございます。