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「ポータブル」より「モバイル」にしましょうか。えっ「据え置き」ですか!?
(写真は箱根の木々から見上げる快晴の空:2017年6月撮影)
「ポータブル」って聞いて「昭和の匂い」がするのは私だけでしょうか?
「ポータブルカセットプレーヤー」(これです!昭和の匂い)
「ポータブルDVDプレーヤー」
「ポータブルチェア」
「ポータブル電源」
似ているような感じのするの言葉「モバイル」。
こちらは「平成の香り」?
今回は「ポータブル」と「モバイル」では、やっぱりモバイルだという話しです。
一体、何の話しですか?って突っ込まれそうですが、キチンとご説明いたしますのでお付き合い下さい。
ちょこっと言葉のお勉強
本題に入る前に似たようなカタカナ言葉についておさらいをしておきましょう。
1.ポータブル
「ポータブル」もともと英語です。
Portable = port + able
Port はラテン語の「Portare(運ぶ)」を語源としています。
Import(輸入)= Im(内にInの変形)+ Port(運ぶ)
Export(輸出)=Ex(外に)+ Port(運ぶ)
ableは可能であるという意味ですから、
portable(ポータブル)=port(運ぶ)+able(可能な)
「ポータブル」=「持ち運び可能な」 という事になりますね。
2.モバイル
「モバイル」
これも英語からきた言葉ですね。
「mobile」
あれこの言葉、昭和に外来語で一回登場してたんじゃないの?
そうです「モービル」
自動で動く車(自動車)のこと。○○オートモービル商会、なんて自動車販売店ありました。
動く彫刻のこと。天井から糸で吊してグルグル動いたり、天秤のように動くアレです。
でも、同じ言葉を「モバイル」という場合は、移動型の通信や通信機器のことのようです。「携帯」して移動できる。この言葉を使った携帯業者も存在しますね。
Wikipediaの説明には、かつて「モービル」とか「モーバイル」と呼んでいたようですが、その事実を知りません。
簡単に英語の語源を比べてみることで言葉のイメージが浮かんだと思います。
「ポータブル」は動かすこと、持ち運ぶことができるもの。でも、そのものが移動するイメージではありません。動かさないで使うけれど、持ち運び可能ですよ。みたいな感じでしょうか?
「モバイル」は、「携帯」して移動するもの。そのものが動きながら使う事ができるイメージです。身に付けて移動するものです。
いったい本題は何?
前置きが長すぎました!(でも少しお勉強になったと思います)
さて、一体何が「ポータブル」なの?「モバイル」なの?
はい、「ビジネススキル」のことを取り扱いたかったのです。
「ポータブルスキル」と言われる「ビジネススキル」のことです。
「ポータブルスキル」とは、業種や職種が変わっても通用する「持ち運び可能なビジネススキル」のことを言います。
成長分野への労働移動におけるミドル層のキャリアチェンジで注目される様になりました。
中途採用でチェックしておけば良かった項目で、採用前と採用後でもっともギャップが大きかったのが「専門性以外の職務遂行能力」だったからです。
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優秀な人材を確保したいのは、どの企業でも同じでしょう。
即戦力人材を中途採用を考える際に、当然のことながら必要とされている専門職種や業界での知識と経験をチェックして採用しようとするのですが、見落としがちなのが「専門性以外の職務遂行能力」だからです。
厚生労働省では「ポータブルスキル」を二つに大きく分けて説明しています。
仕事の仕方:現状把握、課題設定、計画立案、課題遂行、状況対応
人との関わり方:社内(上司、部下)社外(顧客、取引先)
確かに雇用する側からすると、専門職種・業種の知識と経験を中心に評価してみても、上のようなどこでも必要とされる業務遂行能力がなければ、即戦力はおろか、「機能不全」の人材となってしまいます。
他方、ビジネスパーソンにとってもキャリアアップする上で、自分自身のスキルを客観的に把握しておく必要があるでしょう。
雇う側も雇われる側も「ポータブルスキル」に注目して可視化することは必要でしょう。
「モバイル」的なスキル:非認知能力
「ポータブルスキル」を高めること。
どこにいっても「できる人」となること。
「持ち運び可能な専門性以外の職務遂行能力」を高めること。
確かに「ポータブルスキル」に光を当てることは必要でしょう。
しかし、「ポータブルスキル」は「認知能力」なのです。
「ポータブルスキル」の一層内側から、スキルを機能させる「能力」に注目すべきです。
教育現場などで注目されている「非認知能力」がそれです。
数値化や可視化することが難しいとされる能力ですが、「非認知能力」がVUCAと言われる予測不能な時代に必要とされているわけです。
「非認知能力」といえば、アンジェラ・ダックワース教授のGRIT(やり抜く力)を思い浮かべるでしょう。
Guts(ガッツ):困難なことにも立ち向かう度胸
Resilience(レジリエンス):苦境にもめげずに立ち直る復元力
Initiative(イニシアチブ):自ら目標を見つけて取り組む自発性
Tenacity(テナシティ) :最後までやり遂げる執念
ダックワース氏によれば、これらの能力は生まれ持った性質ではなく、磨くことによって誰でも高めることができます。
「持ち運び可能な専門性以外の職務遂行能力」を「ポータブルスキル」と呼ぶならば、GRITのような「非認知能力」は、より動的で変化に対応しながらビジネスを進めていく能力ですから、「モバイルスキル」と名づけたくなります。
「ポータブルスキル」を磨くことは当然なのですが、もっと注目して磨きをかけたいのが「『モバイル』スキル」(勝手に私が呼んでいるだけです)。
非認知能力を磨いて前進していきましょう!
おまけ(英語のお勉強)
「ポータブル」でもない「据え置き型」を、英語では「ステーショナリー」と言います。「ステーショナリー」は「文房具」の意味もあります。
このデジタル時代に、アナログ文房具のようなスキルでは頂けませんので、あしからず。
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