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ちょっと防御的になってるんじゃないですか?どうしたら...悩みますよね。

(写真はタイはバンコクの果物屋の店頭で:2016年3月撮影)

いろいろな表現かもしれませんが、分かりますよね。

防御的になっている人。

随分前の話になります。あるプロジェクトで米国在住の米国人スタッフとやり取りをしていました。

そのスタッフの進め方に私が不満を感じていたところ、別件でそのスタッフの上司が日本への出張でやってきました。

面談の依頼を入れて、私がやり取りをしていたスタッフの仕事の進め方について米国に帰る前に話しをすることになりました。

私が彼のスタッフの働きぶりについて話し始めると、しかめっ面になり、あれこれと言い訳を言い始め、憤慨したような口調になり、最終的には黙ってしまい、帰国の荷造りを始めました。

「スタッフの善し悪しを言っているのではない、仕事の進め方をかえてもらいたくて話しているのだ」と私が説明しても無視。

そのまま部屋を出て成田空港に向かってしまいました。

どうして防御的になるのでしょう?
どのように対処すれば良いのでしょう?

そんなことを考えたいと思います。

防御のメカニズム

私は精神科医でも心理学者でもありませんから、平易に「そもそも」で、考え始めましょう。

そもそも、人はどうして防御的になるのでしょう?

「防御」というわけですから、そこには「攻撃」があるわけです。

道を歩いていて、正面から自転車が猛スピードで向かってくるのが見えたら、道の端によけますよね。

意識的にするか、本能的にするかどうかは別として、避けるのは自転車が突っ込んで来て、怪我をしないためです。

つまり身を守るためです。そう、「守る」ためです。

自転車の場合は、「身」を守るですが、「身」ではないものを同じように「守る」必要を感じることもあるのではないでしょうか。

  • 自尊心

  • 自分の評価や評判

  • セルフイメージ

  • 心理的安全

これらが危険にさらされる、脅かされると「自分」を守る必要を感じるわけです。

この時に危険にさらされる「自分」は、物理的な自分ではありませんので、「攻撃」されると言っても、突っ込んでくる自転車を避けるのとは異なります。

実際に「突っ込んでくる自転車」が存在するかしないかは、関係ありません。

「防御」をしなければならないと本人が感じれば、「防御」するのです。

そして、既にみたように、「防御」は意識的なものもあれば、本能的なものもあるのです。多くは本能的ではないでしょうか。

本能であれば「無意識」です。本人も「防御」している自覚が無い状態です。

冒頭の件では、私が話した内容か態度か、またはその両方が、何らかの「攻撃」として受け止められたと考えてよいでしょう。

そうなると非常に興味深いのですが、双方とも意識的にしているわけではないのですが、「攻撃」と「防御」が起こってしまうのです。

私は彼の「守る」べき何かを意識的に「攻撃」しようとしていないのですが、「攻撃」されたと思う。

「防御」する側も無意識にそれをする。ここに「衝突」が生じてしまうのですね。

この「防御システム」を難しい専門用語では「防御規制」と呼ぶようです。


どのように対処するのか?

不必要な衝突を避けたいと願いつつも、相手に伝えたい事、してもらいたい、もしくはしてもらいたくない事をいかに伝えればよいでしょう。

さまざまな対処法がネットを検索すれば出てきますし、皆さんも経験があるでしょうから、ここで対処法の完成版をつくろうとは思いません。

昔のことを思い出しながら、自戒の念を込めて自分へのアドバイスを書きます。

ここまでこれを読んでくださった皆さんが考えるヒントになれば、私はとても嬉しいです。

1.相手が防御的になったと気づいたら「撃ち方やめ〜!」

あれ、防御的?と思ったら、自分が話した内容か、話した時の態度か、何かが相手には「攻撃」と受け取られたと言うことです。

どんなに「攻撃」していないって説明しても相手には伝わりません。そもそも、その説明が更に「攻撃」と思われることさえあるのですから。

ちょっと黙ってみましょう。1秒,2秒,3秒,4秒,5秒 もう少し10秒くらい黙っていても大丈夫ですよ。沈黙を恐れることはないですし、相手が話し始めることの方が多いですから。

2.伝えようと思ったことにフォーカスするのではなく相手に関心を切り替える

もともとその人に伝えようと思った事があるわけです。冒頭の例で言えば、彼のスタッフの仕事の進め方がプロジェクトを効果的に達成するためにはふさわしくない事を伝えたかったのです。

彼を怒らせることや、私との関係を悪くすることが目的ではないのです。

まずその人が自分に耳を傾ける事ができるようにすることは、コミュニケーションが成立するために遠回りのようで近道なのです。

この点においても私は失敗しました。彼との衝突で双方とも不快な思いをしたばかりか、私が話題にあげていたスタッフの仕事の進め方はいっこうに変わることがなかったのです。

そして、そのプロジェクトが終了してしばらくした時に、そのスタッフが辞めたことを聞きました。

3.伝えたい事柄についての相手の思いや考えを理解する

「理解してもらいたかったら、まず自分が相手を理解せよ!」これをしっかりやりましょう!(自分に言っています)

  • スタッフの仕事ぶりについてどう思いますか?

  • このような対応はプロジェクトの推進にどんな影響がありますか?

  • プロジェクトの目的達成のためにどのような進め方が相応しいと思いますか?

こんなことが聞けなかったのですね。自分のアイディアを押しつけようとしていたんだと思います。

自分が正しいことを証明したくなっていたんでしょうね。

4.自分の伝えたかったことを伝える

1〜3をちゃんとしていれば、4で同じような防御は絶対に起きないとまでは言いませんが、起きにくいと思います。

こんな面倒なことやってられない。防御的になる方が悪い。

言ってやった方が良いんだ。

そう思いますか?

その場合は、なぜ自分は相手にこのことを伝えたいのかについて自分の真の動機を探ってみる必要があるかもしれません。

まとめ

随分と長くなってしまいました。

今回はなぜ人は「防御的」になってしまうのか?
そしてどのように対処すべきか?

これらを自らへの戒めとして書きました。

お付き合い頂きありがとうございます。



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