ノンフィクションのスピルバーグ?!佐々木則夫氏<2011年度FIFA女子年間最優秀監督>の講演実録
2011年。
サッカー女子ワールドカップ(ドイツ大会)で、日本チーム(愛称:なでしこジャパン)は、見事に優勝した。
優勝監督は、佐々木則夫氏。
その功績もあって、則夫さんは、2011年度のFIFA女子年間最優秀監督賞も受賞された。
翌2012年。
NTT東日本本社の管理者限定の講演会に、則夫さんが登壇した。
実は私、当時NTT東に在籍しており、最前列に陣取って楽しく傾聴した。
その内容は、一般的マネジメント論からディープな蹴球的考察まで広範にわたり、縦横無尽な切り口で、ものすごく楽しかった!
(多分、隣に座っていた部長は、サッカーの実践的なハナシはチンプンカンプンだったと思います(笑)
以下は、その詳細であります。
心に沁みる言葉の数々(とおやじギャグ)を、たっぷりご堪能あれ。
「W杯優勝」からの逆算思考
24年勤めたNTTを、2006年に退職。
JFAと2年契約し、なでしこジャパンとU19のコーチを務めた。
その時点で、「組織的な中に『個』があり、ディシプリンを厭わない日本の女性には、サッカーが合う」ことを直感していた。
だから、優勝したなでしこジャパンの選手たちが「特別」だ、ということではない。
サッカーの要件を、日本人女性はそもそも備えているのだ。
2008年に、なでしこジャパンの監督に就任した。
それまで2004年アテネ五輪でのベスト8が最高だったので、2008年の北京五輪では「4強を目指す」と言って、結果4強入りした。
しかし、他の3チーム(USA、ブラジル、ドイツ)は、「優勝」を目指してやっていた。
このままでは絶対に優勝しないと思い、2011年W杯の目標は、ずばり「優勝」とした。
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