ベスト16の常連も突破ならず~2022カタールW杯GL サウジアラビア1-2メキシコ
pic. by ロイター
メキシコがをサウジアラビアを下したが、決勝トーナメントに勝ち抜けることはできなかった。
混戦のグループC第3節はハラハラドキドキの展開
アルゼンチンが初戦を落としたことで、混戦状態となったグループC。
勝点1でGL敗退危機のメキシコは、アルゼンチンに金星を挙げた勝点3サウジアラビアと最終戦を戦った。
負けられないメキシコは、前半から猛攻を仕掛ける。
3分。ベガが飛び出し、GKと1対1になるが決めきれない。
27分。ロサーノの右からのクロスに、ピネダがファーで詰めダイビングヘッドを試みるが、ゴールライン手前1mでDFに阻まれる。
サウジアラビアも時折カウンターを見せるが、前半は両者スコアレスで折り返す。
後半2分。コーナーキックをニアでフリックしたところをマルティンが押し込み、メキシコがようやく先制に成功。
直後の7分。チャベスが左足で、目の覚めるような強烈なフリーキックを右サイドネットに叩き込む。
ボールのせいだかスタジアムの空調のせいだか理由は不明だが、直接フリーキックの得点が極端に少ない今大会、おそらくベストゴールに近い美しいゴールだった。
更に11分。中央突破からワンツーで抜け出したロサーノがゴールネットで揺らしたが、オフサイドの判定。
28分。再びチャベスがフリーキックを狙うが、サウジアラビアのGKアルオワイスに阻まれる。
42分。カウンターからアントゥナが抜け出し、ゴールにシュートを流し込むが、これもオフサイド。
ここまで決定機を外し続けると、勝利の女神も、意地悪したくなるのだろうか。
後半アディショナルタイム。サウジアラビアのキャプテン、アルドサリに痛恨の失点を喫してしまう。
結局メキシコは、2-1のスコアでタイムアップの笛を聞いた。
メキシコは、目前の試合に勝ちはしたが、グループリーグ3戦の戦い方としては、不十分だった。
最終戦を終え勝点4でポーランドと並ぶものの、得失点差の僅かな差(ポーランド:±0、メキシコ:-1)でグループ3位となった。
1994年アメリカ大会から7大会連続してきたグループリーグ突破は、今回成しえなかった。
メキシコにも届かなかったベスト16、いわんやベスト8
私は勝手ながら、メキシコ代表を「日本代表のロールモデル」と見做してきた。
ヨーロッパの強豪のようには大きくない、日本人と似たような体格。
だが、フィジカルを強化し、90分走り続け誰もサボらないサッカー。
華麗さとはかけ離れているが、日本サッカーが目指すべき現実解のひとつだった。
国内リーグを強化し、北米で安定的な成績を残し、特にグループリーグを7大会連続で突破している実績は、文句なく素晴らしい。
何しろ我が日本は、今回含め7大会連続で本戦出場してはいるものの、
GL突破は(2002自国開催を含め)たった3回しかない。
そんなメキシコには、是非ともGLを突破してもらいたかった。
突破のみならず、今回はベスト8以上の成績を修めてもらいたかったのだ。
日本の兄貴分として。
メキシコの、ワールドカップでの最高成績は、ベスト8である。
しかしこのベスト8は、何れも自国開催の際の成績であり、参加チーム数は現在の32より少なかった(1970年は16チーム、1986年は24チーム)。
その後、7大会連続してグループリーグ突破したが、決勝トーナメント1回戦では負け続けている。
つまり、7大会連続して「ベスト16」だった。
兄貴分メキシコが四半世紀かけても超えられないベスト16の壁を、日本は超えると、公言というか宣言というかして、今大会に臨んでいる。
未だGL突破も確定していない現在、論じるのも時期尚早だが、私はショックを受けている。
メキシコのGL敗退ショックが、日本選手やチームのスタッフに悪影響を及ぼさないよう、切に願っている。
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