火曜日しばらく雑記帳・2024 CW08
ChatGPT-4を毎月お金を払って使っているが、今さらながら、ありがたみが深い。最近はもっぱら翻訳で重宝している。世界中の言語の辞書を格安で入手したような感じだ。自然言語で意味やニュアンスを調べられるのもいいし、イディオムもスラングも簡単に調べられるのが具合がいい。用例も出せるし、発音や日本語表記例も調べられる。もちろん正確を期すにはクロスチェックが必要だが、その点はこれまででも必要な対応だった。
最近、Excelの埋め込み関数を調べるのにも何度か重宝した。やりたいことを普通に記述すれば調べることができ、しかも的確に返事が得られる。通常のHelpやWeb検索だと、キーワードをうまく絞る必要がある。やりたいことの実現のためにある程度道筋が見えていればキーワードを絞ることもできるが、予備知識がないと的確な検索キーワードにたどり着くまで試行錯誤に時間がかかる。その上、多くの場合、役に立たない情報ばかりヒットするのでイライラが募る。それに比べれば、ChatGPT-4を使えば、ぐっとスピーディにストレスなく答えにたどり着ける。
もちろん、一般の知識や情報を求めると、人間のコンサルタントと同様に思い込みや早とちりで間違えた答えが出てくることも多々あり、鵜呑みにするわけにはいかない。間違えがある場合にももっともらしいのが難だし、かといって意外に正確かつ網羅的な解答が出てくる場合もある。そういうものだと思っておけばよい。単なるネットの検索ではなかなか見つけにくいことでも、まず Chat GPT であればいったん解答が出る。が、調べる手がかりが得られるので、裏をとるのは比較的簡単だ。
嘘っぽい回答には「本当?」と質問してみるといい。「すみません、不正確な情報でした。」と謝ってくるのが素直でかわいい。しかし、それで修正してくる情報がさらに誤っている場合もある。
ちなみに、microsoft の標準ブラウザ Edgeに搭載されていて無料で使用できる Copilot も OpenAI とのパートナーシップを通じてGPT-4の技術を使っているので、似たような結果が得られる。ChatGPT は面白いけど、課金してまではちょっと、という方は Edgeの Copilotでよいだろう。
そして、Copilot のほうは、検索エンジンと統合されているので、例えば「明日の横浜の天気は?」というような質問にも素早く検索して答えてくれる。
ChatGPTではできないよね、と思ったが念のために「明日の横浜の天気は?」を試してみたら、ちゃんと検索して結果を表示してくれた。こちらも、質問に応じて適宜検索する仕様になっているようだ。とはいえ、両方とも、リファレンスとしてtenki.jpを挙げてくれているのに、それぞれの解答の最高気温の数字がだいぶん異なるというのが微妙だ。
いずれにしても、定量的な数字や年代あるいは人の名前といった部分はいつも注意が必要である。雨のち曇りといった定性的な部分はだいたい問題がないように思う。
注記 (*) に、最近試したなかで、少しクスっと笑ってしまった例をあげておく。
馬鹿と鋏は使いよう、である。もっと上手に利用している人も多いに違いない。
■相変わらず菜花を食べている。塩をふって、オリーブオイルをたらして食べるのが、これまた良。
先週もまた、中近東風ピラフのバリエーション。まぁ、「風」なので、許してほしい。オリーブオイルとクミンシードでそれらしい感じにはできていると思う。今回は、ひき肉と玉ねぎ・トマトにインゲン、米は日本のジャポニカ米、ご飯の炊きあがりにうるさい人にはちょっとイマイチかもしれないが、自分で満足できる程度には美味しくできた。
ちょっと変化球といえば、牛スジ酒かすカレー。牛スジ肉を1時間以上じっくり煮込み、カツオ出汁と昆布出汁とで調味、野菜も入れて煮込んでから酒かすを溶かし、 さらにS&B の赤缶カレー粉を投入。純和風のカレー。
酒かすはたっぷり使って濃く作るのが吉。
日曜日の晩もカリーのバリエーション、鶏をトマトにチキンカリーマサラを加えて煮込み、平たくて太麺のパスタ・タリアテッレと合わせて、チキンとトマトのカリーソースでタリアテッレ。
先週も一度もラボにも行かず、弁当はなしだった。ちょっと気持ちが弱っているというところがあるかもしれない。認めたくはないが。
■先週にひっかかった音楽を少し。
1.先週、アダ・ロヴァッティのことを書いた。
そういえば、最初に "Green Factor" を聴いて、ぱっと思いだしたのが、マイケル・ブレッカーの 1988年のソロ2作目、"Don't Try This at Home" だった。
1曲目の "Itsbynne Reel" のテーマがそういえばケルトっぽく、スパイスのように入る和声進行が似た雰囲気がある。曲全体を通して聴いてみると、最初の印象ほど似ているわけではなく、むしろ全然違うじゃないか、と言われそうだ。しかし、やはりどこか共通のテイストを感じる。
このアルバムは、どの曲をとっても、テーマ、構成、音作り、エネルギッシュなソロ、どこをとっても大好きで何度もよく聴いた。参加ミュージシャンは私の好きなスターばかりだし、かっちりと作られながらその枠を大きくはみ出すような演奏がいい。マイケルは AKAI のウインド・シンセを使いこなしつつ、テナーでブリブリゴリゴリと吹きまくる。
特にタイトル曲の "Don't Try This at Home" が気に入っている。
マイケルのウインドシンセによる印象的なテーマの提示とテナーのソロの後、ハービー・ハンコックの神がかり的なソロに鳥肌がたつ。それぞれのソロ・パートで後半になるにしたがい、自由でタイトで手数が多いジャック・ディジョネット(ds)にチャーリー・ヘイデン(b)のリズムセクションがぐいぐい煽るように盛り立てる。
何度聴いてもいい。
マイケル・ブレッカーは私が聴いてきた音楽のかなりの曲に参加している。ひょっとしたらこれまでに一番長い期間、一番多くの演奏を聴いたミュージシャンかもしれない。いずれ、ポール・サイモンのことを書くシリーズの中で特別に個別記事にしようかとも思っている。
2.トルコの若手女性ミュージシャン、エダ・ババの新しいシングル "Sen Beni Duy" がリリースされた。
最近は、新曲のリリースは YouTube で予告がある場合も多い。待機していればリリースされた瞬間に世界で一番に視聴することができる。もっとも、たいてい日本時間の未明だったりするので逃してしまうことが多く、この曲もちょいと寝過ごした。まぁ、後からでも視聴できるので、世界で一番にこだわることはないのだけれども。
3.フラメンコ・ギターのヴィセンテ・アミーゴの新曲、Pasodoble a José Tomás もよかった。José Tomás は闘牛士、パセドラルは特に闘牛のときに演奏されることの多い音楽ジャンルだということである。
以前の雑記帳でも紹介したが、3か月前にリリースされたマーカス・ミラーとの共演のシングルもいい。再度貼っておこう。
4.エジプトの Mai Farouk のシングル、 "Kol El Habiba"。 Chat GPT4によれば 「私の愛すべて」とか「私の愛するすべての人」といった意味だということである。
5.2018年にマラケシュで結成されたモロッコ系フランス人のロックバンドという Bab L'Bluz の "Imazighen"が耳にとまった。
2020年にアルバムが一枚出ている。
聴いているとなかなかクセになること請け合いだ。
6.インドネシアのヘティ・クース・エンダンのヒット曲集 "Yang Viral Dari Hetty Koes Endang"。
7.先週、Xで、なぜか明和電機がフォローのおススメに上がって来たのでフォローした。どういうアルゴリズムでわかるのだろうか。
それで久しぶりに明和電機を視聴した。
やはり面白い。
■2月15日は春一番、夜中まで強風が吹き荒れた。平年より2週間早いらしい。そして暖かい一日だった(関東地方で春一番 tenki.jp)。毎年のことでもあるが、これからの季節は気温が急激に変わったりもするので注意が必要だ。
17日の土曜日に、新横浜から鴨居の往復のコースを13.8km 涙をボロボロ流しながら走ってきた。別に悲しかったわけでもなく、泣きたかったわけでもなく、冷たい空気と、そして花粉のせいである。
カントの「永遠平和のために」はこの週末に読了した。メモをとりながら読んだので少々時間がかかったが、やはり名著だと思った。
永遠平和の実現のためにどう考えるべきなのか、偉大な先人の言葉を聞いた感想は、またいずれ書こうと思う。
イスラエルとパレスチナのガザ地区での戦争は、まだ止める気配もない。ずっと、やりきれない思いでいっぱいだ。即時停戦を求めるものである。
さて、そんな中、中国も春節の休暇が終わった。中国では、振替出勤日というのがあるというのは何度かしつこく書いているかもしれない。日曜日の18日は中国は稼働日でいろいろなトピックでのチャットやメールが飛び交い、どうも落ち着かなかった。中国の方々は基本 "Say YES!" エネルギッシュでスピードが速く、働き者だ。またせわしい一週間が始まった。
■注記
(*) ChatGPT-4 を試すなかで、本文中に書いた性質がよく表れていてクスっと笑ってしまった例をあげておこう。
最終的には正しい答えが得られたかと思うが、まるで人間との会話のようだ。数字や年代、人の名前、など具体的・定量的な情報には間違っていることが散見される。が、おおまかで定性的な情報はだいたい許容範囲で正確であるように思う。
冒頭、漢字では誤っている(新井仁之)のにローマ字が正しい(Shinichi Mochizuki)のは、内容を理解して文章を紡いでいるわけではないのでそんなこともあるだろう。
去年の2月ごろにも試した質問だが、あのころの解答より飛躍的にマシな解答になったところが評価できる。それにしても、「申し訳ありません」と謝って誤りを明示的に認めてくるところが人間知性よりも謙虚だ。
今回は一発で直してきた。次は固有名詞も含め正しい答えを返してくれるだろう。