【学び㊴冊目】ビジョナリーカンパニー
【要素の外形は、文化が違えば、恐らくは大きく違う】
ビジョナリーカンパニーに必要なのは、素晴らしいアイデアではない!?
ビジョナリーカンパニーの中に、設立当初から、成功を収めた会社はそう多くはないが、長期的なレースにはかつ会社が多いといいます。また、ビジョナリーカンパニーは、ビジョンを持った強いカリスマ的指導者は、まったく必要なく、そういった指導者はかえって、会社の長期の展望にマイナスになることもあるといいます。
著者は、「ビジョナリー」を未来志向と定義しています。短期的に利益を出している会社かどうかは、ビジョナリー・カンパニーの定義に該当するかどうかには、関係しません。カリスマ的指導者の存在は、その時点での会社の利益にはつながるものの、彼が去った時にその利益を継続して、保つことが容易ではありません。会社は恒久的に継続していくという考え方(going concern) がありますが、このコンセプトの通り、会社を長期的に作っていくために必要なのは、カリスマ的な存在などでは全くないのです。
【ORの抑圧に負けず、ANDの思考法を身につける。】
ビジョナリーカンパニーになるためにまず必要なのは、
行動ではなく、思考の部分であるといいます。
戦略の部分を、実際にどう行動に移していくかの段階の、難しさは別の話ですが、まずはレールとなる思考法の部分が変わらない限り、行動が変わらず、行動が変わらなければ、成果が変わりません。また、成果自体は、あくまで目的を達成するための手段であり、成果を見ることにより、目的である、貢献の部分を計ることができるのです。
また、ミッションの部分と、現実主義の間にフリクションが起きるということは、ビジョナリーカンパニーではありえず、基本原理を守り続け、かつ現実的な解決策を見つけるのが課題であると考えます。
たしかに、ビジネスでは、取捨選択が鍵をにぎります。優先順位をつけることが必須ですが、それはあくまで行動の次元での話であり、あくまで「しない」ことの実行も、「する」ことの実行も、理念に結びついているのです。ビジョナリーカンパニーでは、理念と行動が結びつき、シナジーが生まれているのです。理念は机上の空論ではないのです。
【一貫性の重要性、ビジョナリーカンパニーの理念に不可欠な要素はない!?】
理念が社外の人間に共感されるかどうかや、いわゆる「正しい」基本理念や「好ましい」基本理念を持っているかどうかはあまり重要ではないと言います。それより、社員の指針となり、活力を与えているかどうかの方が、重要です。
好ましいか、好ましくないかの議論は一切出てこないのです。狂気に思えるほど、その理念に従って一貫して行動する組織(カルトライクな組織)を作ることができれば、その理念が文化として浸透していき、最終的には、他のどんなに優れた会社になることができるのです。
ビジョナリーカンパニーであるかどうかは、優れた会社であるかの議論ではないのです。