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【学び75冊目】マネジメント (下)

マネジメントシリーズの最終巻は、トップマネジメントの役割について、書かれていました。
組織社会になり、また高等教育へのアクセシビリティが上がり、知識が簡単に手に入れられるようになった今、マネジメントの重要性がこれまでにない程高まっています。

それぞれの専門知識は、個々では意味をなさず、シナジーが発生しなければそれらを生かすことができません。また、お金や待遇で見せるだけでは、今の知識社会の知識労働者をモチベートするのは、不可能です。

(中)で述べられていた、コミュニケーション能力が必要なことは間違いありませんが、コミュニケーション能力はあくまで、「デリバリーのツール」でしかないので、デリバーするメッセージがそもそも間違っていれば、どんなにデリバリーのフォーマット(=コミュニケーション力)が素晴らしかったとしても意味がありません。事業を定義する(与える価値の定義)ところから、作っていく役割を持つのが、トップマネジメントです。戦略という段階に落としていく前の段階で、与える価値の定義があっているか、常にチェックアップするのが、トップマネジメントです。トップマネジメントの意思決定を下から拒否する権利はなく、トップマネジメントの権力は強くなければなりません。ですが、その権力は強くあるべきであっても、無制限であるべきではありません。通常は、組織で上に上がれば上がるほど、人は無能になってしまいます。(ピーターの法則)トップマネジメントは、企業家精神(企業家ではなく)をもち、強い意思決定力を持っていなければいけない一方で、株主、並びに取締り役会の監視に晒されることになります。大企業であれば、このように内部監査システムが整っているため、トップマネジメントが意思決定に集中ができますが、中小企業であれば、このシステムが整っていません。ミドルマネジメントを、意思決定の助言者として、またFBシステムとしてうまく活用していかなければいけません。FBが下から勝手に上がってくる仕組みを作ることができれば、大企業のシステムにかなり近いものになります。トップマネジメントが下に降りて行っているようでは、いつまでたっても組織は大きくなりません。FB吸い上げシステムを作ることが、中小企業のトップマネジメントにとっての課題です。

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