犬を飼うのが夢でした6
家で聖書を読むことを禁止されたので職場で昼休みを利用して読むようになりました。
しかし、昼休みになると決まって上司が世間話をしに来るので集中して読めず、どうしたものかと考えていたところ、聖書を朗読してくれる音声版があることを知りました。
これなら通勤時や家事をしながら、また、モカの散歩中も聞くことができます。
聖書は正直言って非常に難解な読み物です。
耳で聴いていてもなかなか頭に入りません。
一度読んだ箇所を再び耳で聴くというやり方に切り替え、最終的に仕事をちょくちょく休んではファーストフードやカフェで聖書を読んだり御言葉を聴くということに落ち着きました。
信仰を取るのか、夫婦を続けるのか。
そろそろ決断しなければと思っていました。
しかし、心の中は決まっていました。
信仰を持ち続けたいと。
私たちは発達障害のある息子のことでは意見の食い違いはあるものの、大きな喧嘩もなく比較的会話の多い夫婦でした。
「将来は日本全国を原付で旅しよう!」という夢を話し合うなど仲が悪いというわけではありませんでした。
しかし、彼は自分の意見を絶対に変えない かなり頑固な人だということは長年一緒にいてよく分かっていました。
お互い様々な社会問題についてよく意見を交し合っていたように、キリスト教のこともざっくばらんに話し合えればよかったのですが、当時はとてもそういう雰囲気ではありませんでした。
そのときの私は、彼を説得するのは絶対に無理だろうと はなから諦めており、今考えると長年連れ添った相手への対応としてはあまりに冷たかったのではないかと考え反省しています。
ある日、御言葉をパソコンで録音している音が外に漏れているのを夫に見つかり、「これ以上宗教を続けるなら出ていけ」と宣告されました。
この言葉がきっかけとなり、私は近々家を出ようと固く決意しました。
つづく