タイポグラフィ・ハンドブックを読んで
事務所にあった、辞書のような本をぱらりと開いてみました。
タイトルは『タイポグラフィ・ハンドブック』
内容はタイポグラフィの用語解説です。しかしそれだけでなく解剖的にタイポグラフィを見て、理解を深めることも重視したものになっています。
私はタイポグラフィについてまだまだ知識が浅いため、どんなことがかかれているのか興味がわきました。しかし正直この本は紙の箱がついていることやサイズ感、分厚さから辞書のようなものだと思っており、数ページで飽きるんだろうとぼんやり思っていました。
しかし予想とは真逆に、さくさく読み進めることができました。わくわくしっぱなしで、美容室で髪を染めてもらいながら読書してしまうほどです。
内容は「アルファベットの構成要素」から始まります。
本文は以下のような感じです。
一つは、すべてのアルファベットは直線と曲線(カーブ)であり、それらの線を見極める力を備えること。もう一つは、それらのカーブで囲まれた文字の部分以外の空間を自由に操ること。
などが書かれています。その横にある図を見ると縦横斜めの線とCをひっくり返したような半円が描かれています。
ここでようやく、漢字やひらがなより、アルファベットで文字組みをすると、どうしてすぐにカッコよくなるのか今までより深く理解できました。
ひらがなや漢字はアルファベットより複雑だという事実はわかっていました。しかしきちんと分解して考えてこなかったため、アルファベットが単純な四つの形から成り立つと言いきれるほど簡略化された文字だと気づきませんでした。
文字数も少なく、曲線も書体の中でほぼ統一されており、漢字に比べて単純な図形であることがより私の中ではっきりしました。
そのように、丁寧に理解を促してくれる構成のため疑問が積みあがらず新しい知識がどんどん入り読み進めてしまします。
この本には内容以外にも読みやすいポイントがあります。
ページを開くと普通の辞書と比べて、本の縁から内容まで大きく取られた余白、最低限の罫線、文字と図の間のスペースが取られています。
さらに、本のしおり紐は2つ!これのおかげで読んでいる途中に出てくる参照部分にしおり紐を挟み、もう一つは読んでいるページに挟みます。こうすることで、ページを自由に行き来することが出来ます。
見開き1ページにつき1つのタイトルが解説されているのもこの本の良い点だと感じました。
1つの大きなタイトルに大切な話を色々盛り込んでしまうと、後から欲しい知識の箇所を探すのに時間がかかります。しかしこのタイプだと該当ページの印象を記憶するだけで欲しい知識のページにすぐたどり着き、スムーズに読み返すことができます。
あまり話を自分で整理しながら読まなくても良いところも魅力的でした。
内容は膨大なため、忘れていってしまいますがどれもタイポグラフィを扱うには必須の情報でした。今後も時折この本を読み返してしっかりと知識を根付かせたいです。
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