実体験から語る、オンボーディングが本当に大切な理由と改善のヒント。
こんにちは、ソフトウェアエンジニアの鈴木(@szk3)です。
カミナシにジョインしてちょうど1ヶ月が過ぎました。大変ありがたいことにスムーズに開発チームに馴染むことができたのは、カミナシにおけるドキュメント文化とオンボーディングの素晴らしさがあってこそと感じています。
本記事では、オンボーディングをしたばかりのエンジニアが感じた”オンボーディングが本当に大切だと思える理由”と、オンボーディングの体験に向き合い”改善していくためのヒント”について実体験を交えてお伝えします。
オンボーディングが本当に大切な理由
一昔前のオンボーディングといえば、新入社員の受け入れ体制や研修等を想起しましたが、最近ではそういった新入社員の研修に限らず、カスタマーサクセスなどを始めとした様々なところで使われる言葉になりました。
このように、オンボーディングという言葉の概念が狭義の概念から、お互いのことを知るための行為全般を指す広がりをもった概念で使われるように時代が変化してきていると感じます。
多様化するオンボーディングにおいて正解はありませんが、スタートアップのオンボーディングを通じて、オンボーディングの意義を考えてみたときに、一つの結論にたどり着きました。
オンボーディングが本当に大切な理由、それは”オンボーディングとは心理的安全性の入り口であるから” ということです。
心理的安全性の入り口
リモートワークの浸透により、入社してしばらくチームメンバーとリアルに対面しないことが多くなりました。また、しばらく対面しないどころか、入社初日すら出社しないようなケースもよくある話になりました。
そういった背景もあり、オンラインでこれから一緒に働くチームメンバーとすぐに打ち解けるのは難しいという声も合わせて聞くようになりました。
特に入社時はちょっとしたことでも漠然とした不安や疎外感を抱えやすく、最初の作業であるオンボーディングに対しても不安が拭いきれません。
オンラインを味方にして、漠然とした不安を解消できる
しかし、このオンラインが前提であることは、考えようによってはポジティブに働く面も多々あります。
オンボーディングはどちらかからの一方的な体験ではなく、お互いをよく知るための双方向的な体験です。つまり、会社を知る機会でもありますが、自分のことを知ってもらうための機会でもあります。
そういったお互いを知るための機会としては、オンラインのほうが適している場面も少なくありません。
たとえば、オンラインであれば場所や人数の制約がないため、非同期的にお互いのことを知る機会(歓迎ランチなど)が調整しやすく、自己紹介もチャットツールを使えばチームを超えて組織に広く共有することが可能です。
自分も、入社当日に自己紹介をSlackに投稿した際は、たくさんの方からリアクションやメッセージを頂き、漠然とした不安が徐々に薄れていくのを感じました。
今しかできない貢献を通じて、自己効力感につなげる
殆どの方は入社して間もない頃はわからないことのほうが多いため、なかなか成果を出したり貢献ができず、自己効力感を感じることが難しい状態です。
しかし、その”何もわからない状態”は逆に考えれば、”新鮮な視点で物事を見つめることができる状態”です。
つまり、オンボーディングに対するフィードバックは、”何もわからない状態”を生かして、今しかできない最初の貢献ができる機会と捉えることができます。
フィードバックの内容はシンプルに、「〇〇がよかったです」「〇〇助かりました、ありがとうございます」「〇〇がわかりづらかったので、△△だともっと良くなるかと思いました」などのレベルで十分です。
これらの行動が、組織にとって新しい気づきを生み、自身にとって ”最初の自己効力感” につながります。
ただし、内容はシンプルでもいいですが、フィードバックの仕方は丁寧にしたほうがいいでしょう。相手を思いやるフィードバックを心がけたいですね。
小さな成功体験で、お互いの安心・安全を分かち合う
ここまでの内容を振り返ります。
上記を通じ、オンボーディングが “不安を緩和し”・”自己効力感を生み出す機会” でもあることを実体験を交えお伝えしました。
オンボーディングを通じて小さな成功体験を生み出し、その体験をベースにコミュニケーションをとっていくことが、お互いの安心・安全を分かち合うはじめの一歩であり、これから長い期間一緒に戦っていく仲間に対する最初のリスペクト、すなわち ”心理的安全性の入り口” になっていくのです。
これが、オンボーディングが本当に大切である理由になります。
オンボーディングをより良くするためのヒント
次に、先月にオンボーディングを行ったばかりの自分が考えるオリエンテーションやオンボーディングに対する一般的な改善のヒントを紹介します。
ToDoの解像度を上げる
オンボーディングは信頼関係の醸成が根底にあるとはいえ、作業自体はひとりでもくもくとやる場面も多いです。
メンターや周りのメンバーもToDoの進捗を気にかけてくれていますが、想定しているより、なかなか進捗が思わしくない、もしくは早すぎると期待値が擦り合わない場合があります。
そんなときはToDoの書き方を、ほんの少し見直してみると良いかも知れません。
ToDo は その性質上 ”完了”か”完了してない”かのどちらかの状態になるべきです。その為、誰から見ても完了したと明確に言える状態やゴールを示す書き方であると迷いがなくなります。
例えば、「〇〇を理解する」や「〇〇を確認」など人によって解釈が異なるような文面の場合、自信をもって完了とチェックするのに躊躇します。
それらを「〇〇のドキュメントを一読する」など誰から見てもブレのすくない完了条件にリライトするだけで、自信をもって完了にチェックをいれやすく、同時に達成感も得られやすくなります。
オンボーディングの種類を意識する
オンボーディングは、大きく3つの種類に分類することができると感じます。
1.組織・チームへのオンボード
2.プロダクトへのオンボード
3.業務環境へのオンボード
これらの種類を意識することは、”オンボーディング後の未来に関わる人や考え方を意識すること” に繋がります。
もう少し違う表現をすると、1はカルチャーの理解、2はお客様の理解、3は業務の理解と置き換えて考えることもできます。
例えば、”ビジョンを共有するためのボードメンバーとのランチ”、”ビジネスやサービスの理解を深めるためのハンズオン”、”業務に必要なSaaSアカウントの設定や開発環境構築” などの具体的なオンボーディングは何のために行っているのかを意識するだけで、自分のやるべきことや求められていることが明確になり、自発的な行動が生まれやすくなります。
改善提案の実例紹介
今回、入社オンボーディングを通じた改善提案として、以下のようなことを行いました。
エンジニア向けの用語集の作成
複数存在した開発環境構築手順をリポジトリのdocsに一元化
エンジニア向けオンボーディングの実行順番入れ替え
本当に微々たることですが、自発的なアクションが受け入れられたのは本当に嬉しい体験でした。
まとめ
オンボーディングは、状況に合わせて変化する完成形のない体験です。だからこそ、まっさらな状態から見る景色は貴重であり、示唆に富むフィードバックを生み出す機会であると思います。
カミナシにおけるオンボーディングも、最高の状態に仕上がっているとは言い切れません。だからこそ、未来の仲間の不安を少しでも取り除き、気持ちよくスタートできるように、より良い体験に磨き上げていきたいと思います。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
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