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おもいでばなし②

小学校二年生の時に、好きだった男の子が
友達と喧嘩して先生からこっぴどく叱られた私を、校門の外でずっと待ってくれていたことがある。

その子には私の好意は知られていたし、周りから茶化されていたし、でも、クラスメイトとして話すくらいには仲が良かった。
でも、あんまり自分の感情や、自分のことを口に出すような子ではなく、少しミステリアスな男の子だった。

そんな彼が1時間近く私を待ってくれていた。

でも、その瞬間、間が悪く私の友達が駆けつけて「一緒に帰ろ!」と声をかけてくれたおかげで、彼は一目散にその場を走り去っていった。

嬉しかったけど、あのまま一緒に帰ってたら恥ずかしすぎて間がもたなかったと思う。
でも、やっぱり嬉しかったし、その子の優しい一面を知れたのがすごく嬉しかった。


6年後、その子と私は、一緒に帰る仲になった。でも、彼とその話をすることはなかったし、多分あっちもそんなこと覚えてないと思う。結局その時のことはありがとうとはいえずに時が流れてしまった。

もうその子に会うことは無いと思うし、会っても会釈をする程度だと思うけど、心の中で彼に伝えたい。
やさしい思い出をありがとう。

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