シヴィル・アゼリア設定小説。
物心ついた時にはパールレーンで日々の飢えを凌いでいた。もちろん真っ当なやり方じゃない。あるときは可哀想な子供を演じ、あるときは浮ついた観光客の財布を盗んでやった。ウルダハとはそういう街だ。そして、大人でも他の種族の子供くらいの背丈しかないララフェルという体も街をよく知らない人間を相手取るのに一役買っていた。
彼女、「シヴィル・アゼリア」はそう育ってきた。シヴィルとは彼女が着ていた服に記されていた名前だ。文字が読めるようになってボロボロの服から読めた部分はそれだけだった。