ヘルスケアビジネスの勝ち筋について考える
予防医療領域やデジタルヘルスはビジネスモデルが確立されておらず、継続的な収益をあげて黒字化できている企業は少ないです。アメリカでSamdの大手が倒産したこと(Pear Therapeuticsピア・セラピューティクス)は一つの衝撃的な出来事でした。皆保険制度で医療機関受診ハードルの低い日本では、さらに難しいことが事実としてあると考えられます。
学術的にも、医療費削減などの社会的な価値提供を、集団として与えることが可能かは現状難しいこともあり、さらに疑問符をつけられている部分はあります。
加えて、予防医療、ヘルスケアアプリ等は玉石混合であり、非常に判別が難しいです。
一方で一人の臨床医療に関わる存在としては、ある程度学術的に裏打ちされた予防は推進したいし、推進して欲しいなぁという気持ちがあります。また、学術的な裏打ちは難しいものの少数のある一定の集団においては有効な可能性があるかもしれないという指摘、個人のQOLを含めたPRO(Patient Reported Outcome)指標での評価や満足度などを加味すると何が正解なのかは本当に難しいです。
これらを加味すると。ChatGPTなどの人工知能を利用しながら、今後どう具体的に変わっていくのか非常に興味があります。
①生活に寄り添ったプロダクト、生活の動線にあるプロダクト、人生の分岐点に深く関わるプロダクト
UI UXよりさらに深い、Life experience LX?とでも言うのか、
生活の動線にあるもの。古くは、水道水に入ってる塩素です。ポリピルといって、塩素のお薬版(降圧剤、スタチン、メトホルミン)的なことも臨床試験であったり。上は極端な事例ですが、兎にも角にも、自然の生活に溶け込んだプロダクトであることが大切だと思います。分かりやす例はApple WatchやAIRpodでしょうか。
②規制緩和や法制度など、仕組みの変革期にあるもの。例えば医師の働き方改革、トラックの運転規制、マイナポータル制度導入など、制度や補助性など自体が変わっていく場合です。
③win-win-win-winとなるもの
医療従事者(予防できる、予防以上の何かが得られる)
顧客や患者(予防できる、予防以上の何かが得られる)
社会(医療費削減など、労働性向上)
製薬メーカー等大手企業(医療費のかかる疾患予防に繋がり、新薬開発等にも寄与していけるなどなど。)
④大きなNがあり、文字通り明確にpainがあるもの
例としては頭痛、生理痛などです。
⑤価値を再定義できるもの、健康以上の価値提案ができるもの
体調管理、筋トレ=かっこいい、可愛いなど。
ざっくりですが、これらのポイントが重要なのかなと思っています。