海外のメンタルヘルテック企業Headspace Health
前回はメンタルヘルスケア市場について見てきました。
今回は海外の具体的な企業を見ていきたいと思います。
まずはメンタルヘルテックの代表的な企業の一つである、Headspace Healthについてです。
設立
Headspace Healthは2010 年 5 月にイギリスのロンドンでAndy Puddicombeと Richard Piersonによって設立されています
主力サービス
Headspace Healthは、HeadspaceとGingerという2つのメンタルヘルスプラットフォームが2021年に合併して成立しています。
Headspaceはもともとメディテーションとマインドフルネスのアプリケーションを提供しており、ストレスの軽減、睡眠の改善などをサポートするプログラムをユーザーに提供しています。
一方で、Gingerはテキストを介したリアルタイムのサポートやビデオセラピー、精神医学的サービスなどを提供しています。これらのサービスは、独立したものとしても利用可能であり、組み合わせて利用することもできます。メディテーションとマインドフルネスに関するセッションから、リアルタイムでのメンタルヘルスサポートまで、幅広いサービスが提供されています。
ビジネスモデル
Headspace Healthのビジネスモデルは、個人利用をターゲットにしたB2C(Business to Customer)モデルと、組織向けのB2B(Business to Business)モデルの両方を展開しています。B2Cモデルでは、月額または年額のサブスクリプション料金を通じて収益を得ています。B2Bモデルでは、企業や組織に対して、従業員のメンタルヘルスをサポートするプログラムやソリューションを提供しています。企業は、これらのプラットフォームを利用して従業員のウェルビーングを向上させ、生産性や満足度を高めることを目指しています。
*メディケーション(瞑想)は精神を集中させるためのトレーニング。具体的な方法として瞑想があります。 これに対しマインドフルネスとは、現在起こっている事柄や行動に対し意識を集中させる行為を指します。
資金調達
2020年には、Seriec Cのラウンドで9350万ドルを調達しており、これによって同社の評価額は約30億ドルに達しています。
展開している国
Headspaceは全世界で利用可能なアプリケーションであり、サービスは英語をはじめとした複数の言語で提供されています。アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ドイツなど、多くの国でアクティブにサービスを展開しています。
直近の動き
2021年以降AIを活用したメンタルヘルストラッキング、睡眠アプリのメーカーであるSayanaや、文化的に有能で包括的なサービスに焦点を当てたメンタルウェルネス プラットフォームであるShine app など他の新興企業を買収してきました。
2023年には1億500万ドルの銀行借入を行い、更なる事業拡大を目指しています。上場はまだしてない状況です。
しかしながた、2022後半から2023年にかけて従業員の解雇が相次いでいます。2022年12月に従業員の約4%に相当する約50人を解雇したことを、2023年7月には全従業員の約15%に当たる181人の従業員を解雇したことを発表しました。
参考
https://organizations.headspace.com/
https://www.mobihealthnews.com/news/headspace-health-confirms-second-round-layoffs-less-year
https://www.fiercehealthcare.com/digital-health/headspace-banks-105m-new-financing-it-eyes-potential-ma-and-expansion-enterprise
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