中二病という原点~モーゼルC96~
『中二病でも恋がしたい!』との出会い
その作品を知ったのはかなり昔のことで。アニメでは既に二期を終えていた頃だったか。ともかくリアルタイムではなかったのは確か。
既にその頃には綾波レイを敬愛していたものの、改めて二次元キャラへの恋のような感情を抱いたのは、小鳥遊六花ちゃんが二人目だったかもしれない。
なお、劇場版「中二病でも恋がしたい! -Take On Me-」が何気に一番好きだったり。原則として、作画は評価基準としていない僕も、綺麗で可愛すぎた。
余談だが、目が一番印象的なのは、TVアニメ「式守さんは可愛いだけじゃない」かと。目は口程に物を言う文化圏の我々にとって、目が美しいことは思いの外、重要なことだと思う。
閑話休題。
中恋にハマった僕は、やがて初めての聖地巡礼を決行する。
目的地は滋賀県。途中、京都へと寄り、京都アニメーション本社近くの公式ショップで、滅多に書店では流通していない原作ラノベも購入した。
4巻まで出ていることを知っている人は今でも案外少ないのでは?
思い出深く刻まれたことで、いわゆる眼帯萌えを発症したのも彼女の影響と認めざるを得ない。
個性的なヒロインの持つ、個性的な拳銃
ところで本作では六花がとある拳銃(モデルガン)を所持しているのをご存知だろうか。
その名を「Mauser C96」。モーゼル、あるいはマウザーと発音し、Cは「Construktion」の意。
ドイツ帝国では制式装備にこそならなかったが、国内のみならず世界中でその性能ゆえに大ヒットした。
実を言うと、僕は銃器に詳しくない。
ホームズは例外的ではあるが、エルキュール・ポワロやその他、黄金期の名探偵という存在は、刑事と異なって、銃をクライマックスで使用することはないという古典的信条が強い。
その影響あってか、刑事である古畑任三郎や杉下右京も、拳銃を所持はおろか、練習すらしていなかったこと。
「名探偵道」を進む僕は自然と、銃への関心はほとんど持ち合わせずに、今日まで過ごしてきたというわけである。
なので、当記事は以下も、モーゼルC96の解説・レビューをすることを目的とはせず、あくまでそれらキーワードから着想した思い出や考えにまつわるエッセイと御心得あれ。
したがって、詳しくはWikipediaなどでよろしくどうぞ。
それが何のきっかけだったか、ついに初めてのモデルガン購入に。勿論、相場をあらかじめ踏まえてはいたが、初心者にとって安い買い物ではない。
僕はドイツかぶれではないものの、漠然とヨーロッパ諸国の中では関心が高く、初級程度のドイツ語は理解している。
ドイツにゆかりがあって、尚且つこの銃を六花ちゃんが持っていたこと、そして独特なフォルムが相まって、お買い上げ。
これがルパン三世でお馴染みの「ワルサー」ではなかったのは、やはり怪盗よりも名探偵びいきだからか。先に紹介したWikipediaではルパン三世も使ったことがあるようだが。
モンキー・パンチはいざ知らず、初代ルパンたる作品の作者モーリス・ルブラン氏が手酷くホームズを扱った事に対しての、サー・コナン・ドイルとの確執を知ってもいるし…………。
初モデルガン!
エアガンではないので、撃つこともなく、ただただ空想と実物とを反復横跳びしながら愛でるのみ。
ちなみに僕が購入したのは「A!CTION Mauser C96 Red9」。
購入にあたって、積読であった1180ページ超の、平均的な国語辞典よりも分厚く大きい、『さいとう・たかをセレクションBEST13 of ゴルゴ13』を読んで、ガンマンとしての気持ちを高めたりもした。
この点、中二病は完治していない模様。
手塚治虫の『ブラック・ジャック』を中学の時に愛読していた僕には、ゴルゴ13も孤高さとプロフェッショナル性を兼ね備えており、とても読み応えがあった。
積読のいいところは、こういった“有事の際”にすぐさま触れることが出来る点だ。
BOOKOFFへ約二週に一回は通っているので、だいたいの相場やレア性もつかめてきた。時代と環境が違えば、僕も「せどり」として活躍したのかもしれない。いずれにせよ、これからも積読を肯定したいと思う。
Mr.デューク・東郷と違って、僕はライフルよりもハンドガン派だと思う。
これはニンテンドー64の名作「007ゴールデンアイ」を持っていたというアドバンテージの賜物でしょうね。
なお、YouTubeでモーゼルC96を検索すると、あまり大きな声では言えませんが、映画内でボンドがこの銃を使っているシーンがあった。
同じくスパイものとして世界的ヒットした「ミッションインポッシブル」よりも、僕がジェームズ・ボンドびいきなのは、その頃の思い出と、ホームズと同じイギリスものだからかと。
いやはや、今回は心の軌跡を辿っているため、ホームズの影響を幾度も言及せねばならない。
以上のように、いささかこだわりを有する僕のような人間は、いざモデルガンを買うとなって、「トカレフ」といったようなある種、非常にメジャーなものを選択するのは天邪鬼がたちあらわれて、もはや思いつきもしないのだ。
やはり僕はメジャーだけど少しひねったものが好き。何故ならば中二病なのだから。
独特な装填と排莢も早速楽しみました。改めていい買い物だと実感してひとまず、執筆から愛銃の鑑賞へと戻りたい。
聖地巡礼写真集~滋賀/OP舞台~
せっかくなので、アーカイブスとして利用しておこう。何分昔の写真なので、何かの際に消去してしまっても、この記事へ戻ればまた蘇る。
こうしてOPと合わせてみると、やはり写真は加工せずに撮った方が思い出として見返しやすい。およそインスタグラム等では見かけないであろう曇り具合が当時の質感を思い起こさせるではないか。
王様は気づきました。
それまで欲しいと思ったモノは手に入れ、満足していたはずなのに。
そう、満足したのです。今もなお、虚無を感じてなどいないのです。
けれど、だからこそ不安なのかもしれません。
隣に、そして写真の中に、ついぞ“ヒロイン”が現れないままである事を。
(完)
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