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大阪の出版社で働くということ


noteを初めて3年。これまでずっと「23歳出版社アルバイト日記」という名前でやってきた。アカウントを作ったときは23歳で、東京の大手文芸出版社でバイトをしていた。バイトを初めて半年経った頃、「関西に帰りたい」と思うようになった。地元の友達が恋しくなったからだ。それと、社員登用が難しいことが分かったから。3年くらいバイトをしていれば仲の良い編集者ができて、コネで社員にしてくれると思っていたが、29歳のバイトの先輩が3年続けて契約期間満了でニートに逆戻りし、後にイベント会社の派遣になったと聞いて「まずいな」と思った。それからバイトと並行して転職活動を続けた。インディードで「大阪 出版社 編集 社員」と毎時間検索する。3回ほど履歴書が通り、その度に新幹線で大阪に帰って面接を受けた。全部落ちた。編集経験がない人は、出版社に入れないということが分かった。その大手出版社のバイトというのは「編集補助」という名の雑用で、編集ソフトなど触ったことがなかった。履歴書にはあたかも編集経験があるように業績を書いたが、面接官側は「こいつ、何も知らないな」とお見通しだったのだろう。
 そんな生活を続けて3ヶ月、大阪の小さな出版社が編集職を募集していた。業界紙なので僕が好きな文芸とは程遠いが、主な業務に記事執筆と校正という項目があったので申し込んだ。東京の大手出版社のバイトをしていて分かったことがあった。小説の編集者は「文章を書かない」ということ。合コンでモテたり、有名作家と飯に行けるのは魅力だが、死ぬまで誰かのサポートという生き方に疑問を持った。リモート、対面の2回の面接を経て、採用してもらった。現在に至る。

 ということで僕は23歳でもアルバイトでもない。26歳の雑誌記者だ。記者になるつもりはなかったが、取材、撮影、執筆、編集を1人でやるので、編集者というよりは記者である。

記者は楽しいが、大阪の小さな雑誌出版社勤務というのは、色々考えることがある。自分のやりたいことがこれで合っているのか、そして将来について……。それでも今はとにかくやって行くしかない。そんな中で生まれる、友人や会社の人には話さないような悩み・趣味をnoteに書いていく。


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