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なぜ、個人経営(生業)の老舗酒場を選ぶのか

地域に根ざした老舗酒場は街を写す鏡であり、人々の暮らし、歴史、文化、そして郷土料理や地元食材から風土まで感じられる場所という話を繰り返ししてきました。今回は、そうした文化的側面から離れて、もう少し実利的な視点で老舗酒場、とくに個人経営の店の価値について私なりの考えをお話いたします。

1,顔がみえる関係だから、安くも高くもない

長らくのデフレの中で「原価割れ」が褒め言葉になっていましたが、近年は少し風潮が変わってきています。消費者側の嫌儲主義思考もある中、散々な消耗戦をしてきた外食業界はコロナ禍でついに総崩れしたことはご存知の通り。

社会情勢の荒波の中で一喜一憂するチェーン店を横に、淡々と商売をしてきたのが代々暖簾を受け継いできた個人店です。インパクトのある安さはなく、かといって週一で通えなくなるような割高感もない。地域に根ざした店だから、常連さんも世代を越えて通ってくれる。もはや、家族や同僚の次に身近な存在といえます。

店を営む人のことを思えば極端な値引きは求めないし、店も通ってくれる常連さんの顔が浮かぶから物価にあわせた値上げは慎重です。持ちつ持たれつ、地域コミュニティの一員を構成する者同士の関係が、個人酒場には存在します。

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