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2022年7月の外食web検索マーケット(飲食店の為のwebマーケティングデータ)

 7月は、コロナ感染者数の増加の影響を受け全般的に外食のマーケットが沈みました。ぐるなび、食べログの四半期決算発表もありましたが、恐らく今後も集客力が以前ほどに回復することはなさそうです。グルメ媒体外での集客ルートの拡充を早めに手をつけていくことが必要でしょう。

◎まとめ

【東京都の人流変化】(下記のグラフ参照ください)

7月中の都内の人流はターミナル駅(15時)、繁華街(21時)共に大幅に減少。まん防明ける前の3月と同レベルにまで落ち込んでいました。6月までは特に夜の需要は回復してきていましたが、ここで一気にまた逆戻りといった形になっており、夜を主体とした業態にとっては厳しい状況が続いています。

ターミナル(15時)
繁華街(21時)

【業態系ワード】

Googleトレンド推移

・googleトレンドの推移を見るとすべてのワードにおいて、6月までの回復基調から減少に転じています。
・業種限らず外食全般のマーケットが6月よりも縮小していたことが分かります。

【コロナ前2019年7月対比】

2019年7月対比

『居酒屋』においてはコロナ前の2019年の水準と比較すると80%前後までしか戻してきていない。

・焼肉や寿司のトレンドが増加傾向なことを考えると業態としての落ち込みは数値以上と言えるでしょう。

【利用シーン系ワード】

【コロナ前2019年7月対比】

コロナ前2019年7月対比

・お出かけ・買い物系ワード、は全てが昨対を上回っていますが、コロナ前対比では『ランチ』、『ディナー』で下回っているところがあります。

・コロナ蔓延の報道によって、買い物ついでのランチや接待系ディナーといった複数人での利用シーンの減少の影響が出ていそうです。

【グルメ媒体系】

グルメ媒体googleトレンド推移

・全体的な推移を見ると直近のまん防明けからは、微増傾向。
 (ホットペッパーに関してはさらに大幅に回復しているように見えますが、実態としてはホットペッパービューティーの伸びによってそう見えているだけです。)
 
・とはいえ、コロナ前からの全体的なトレンドとしては減少傾向ですから数年前のような集客力に戻ることは期待できないでしょう。

・一休に関しては特定のシーンで使う媒体として位置づけられているので、まだ微増していきそうですが、大幅には伸びないでしょう。

【テイクアウト、デリバリー系ワード】

・テイクアウト・持ち帰り系ワードは微減傾向
・すでにマーケットとしてある程度形成され習慣化されてきたので、変化も小さくなったため、今月までで推移をみるのは終わりにします。

◎食べログ2023年3月期第1四半期業績

 8月に入り、2社の業績発表がありました。今後のグルメ媒体の動向を考える上でも重要になりますので、内容はcheckしておきましょう。
 個人的見解としては、食べログはユーザー側が知りたい情報にアクセスするのに手順が増え、使いずらくなり、店舗から見たときにはアクセスが減少送客手数料は高いといった状態で現状の路線で行くと利用者の減少は止まらないでしょう。ぐるなびは、これ以上落ちないだろうというとこまで来ており、店舗への課金形態も変更し、安価な店舗のホームページの代替といったポジショニングに行くならば、活路が見出せそうですが、そのためにはスマホに特化したページの見やすさやSNS連携、動画への対応が必要になります。ここに力を入れればいけると思いますが、恐らく今のままだと厳しいでしょう。といった状態なので、お客様(検索者)や店舗からの指示は得られず衰退していくと予想されます。とはいえ検索でのSEOが強いという事がありますので、まだしばらくは無視できない存在ですが、今後を考えると店舗側での集客対策の種は蒔いていかないといけないでしょう。

①食べログ

・食べログ(価格.com)業績
↓↓↓↓2023年3月期第1四半期決算説明会資料要約↓↓↓↓

https://ssl4.eir-parts.net/doc/2371/ir_material_for_fiscal_ym6/121634/00.pdf

 価格.comが第1四半期の業績を発表しました。食べログは、昨対では+43.1%と飲食店販促と広告費の増加で伸ばしています。一方でユーザー会員売上は減らし続けています。

価格コム事業別業績

 第1四半期(2022年4月~6月)においての一組当たりのネット予約は2020年と比較するとまだまだ及ばないですが、回復してきてはいます。一方で、直近の7月のところでは、まん防解除前と同レベルとなっているようす。

 利用者層の年代を昨年と比較しても20代以下の構成が減少しています。さらにその前の2021年3月期の20代以下の構成比が19%ありましたが、現状では14.5%と5%近く減らしており、若者がグルメサイト以外へシフトしているのが分かります。以前ような状態にならないことが見えてきている感じです。検索でかかかるランキングもいつの間にか得点ではなく、予約ランキングになっており、食べログに有料掲載している人が有利なものに変更されています。掲載側からはいいですが、利用者側から見たときに知りたい情報でなければ、やがて使われなくなっていくでしょう。また、通常検索でもアプリに飛ばされたり、得点ランキングが見たいのにその画面に行くまでに手間がかかったりと使い勝手の意味でも離脱されているのは、厳しそうですね。

一方で今後に備え『価格.com旅行・トラベル』のサイトを立ち上げて育てていこうとしている狙っているようですが、このジャンルの口コミはすでにtripadvisorやgoogleビジネスプロフィールがとっています。また、instagramやTikTokも強化しているポイントなので、個人的にはそれら以上に情報を集めることは難しいと思っています。あとは、販売までの所はSNSに関してはないですが、googleはそのあたりも押さえていますので、そこに打ち勝っていかなくてはならないでしょう。

②ぐるなび

・ぐるなび業績業績
↓↓↓↓2023年3月期第1四半期決算説明会資料要約↓↓↓↓

https://ssl4.eir-parts.net/doc/2440/ir_material_for_fiscal_ym12/121699/00.pdf

 ぐるなびも2023年3月期第1四半期決算の発表しています。こちらは食べログとは対照的に売上高・利益共に減少しています。

総有料加盟店舗数、楽天IDの連携会員は増加しているのにも関わらず、売上高は昨年にお及ばない状態でかなり厳しい状況ではないでしょうか?

 ぐるなびもネット予約数は食べログと同様の動きで6月は戻してきております。しかしながら恐らく、7月は全体のマーケットが落ち込んでいたこともあり、7月は落ち込んでいるでしょう。

 6月は、来店客層の変化もおきているようで、法人や宴会需要の回復が見えていたらしいですが、実感としてはあまり感じられていないお店が多いのではないかと思います。

 ユーザー属性も20代以下は12%弱、30代以下で35%程度になっており、若い世代が食べログ同様に少なくなっています。情報量の多さがウリの一つですが、そこが見ずらさにもなっているので、そのあたりの改善と集客媒体でなく、予約クロージングのポジション(予約台帳)だと割り切って改善していけば、楽天ポイントも使えることもあり、違った形として復活できそうかと思いますが、現状のだとまだ厳しそうです。

0.7月の東京ターミナル駅と繁華街の人出

 ターミナル(15時)、繁華街(21時)共に7月に入ってからは減少傾向でした。水準もまん防明け前の3月と同レベルにまで落ち込んでいます。

ターミナル駅(15時)
繁華街(21時)

1.業態系ワード(東京、神奈川、名古屋、大阪、福岡、北海道)

Googleトレンド   (期間2012/1/1~2022/7/31 2022/8/4に取得)
【業態系ワードの推移比較】(居酒屋、イタリアン、バル、焼肉、寿司)

 グラフの推移を見てもらうとすべてのワードにおいて、6月までの回復基調から一転して減少しているのが見てとれます。業種限らず外食全般のマーケットが6月よりも縮小していたことが分かります。また、『居酒屋』においてはコロナ前の2019年の水準と比較すると80%前後までしか戻してきておらず、他業種と比較した際に、まだ、まだ厳しい状況です。また、焼肉や寿司のトレンドが増加傾向なことを考えると業態としての落ち込みはもっと大きいと言えるでしょう。

【ワードボリューム昨年同月対比】

2021年7月対比

【コロナ前2019年7月対比】

2019年7月対比


2.利用シーン系ワード(東京、神奈川、名古屋、大阪、福岡、北海道)

Googleトレンド  (期間2012/1/1~2022/7/31 2022/8/4に取得)
【業態系ワードの推移比較】(ランチ、カフェ、ごはん、レストラン、ディナー)

【ワードボリューム昨年同月対比】

【コロナ前2019年7月対比】

こちらも昨対は全てが上回っていますが、コロナ前対比では『ランチ』、『ディナー』で下回っているところがあります。コロナ蔓延の報道によって、買い物ついでのランチや接待系ディナーといった複数人での利用シーンの減少が響いていそうです。

3.グルメ媒体系ワード(東京、神奈川、名古屋、大阪、福岡、北海道)

Googleトレンド   (期間2012/1/1~2022/7/31 2022/8/4に取得)
【グルメ媒体系ワードの推移比較】(ぐるなび、食べログ、ホットペッパー、ホットペッパービューティー、一休)

グルメ媒体googleトレンド推移

 全体的な推移を見ると直近のまん防明けからは、微増傾向。ホットペッパーに関してはさらに大幅に回復しているように見えますが、実態としてはホットペッパービューティーの伸びによってそう見えているだけです。(グラフの赤い線と緑の線の差分がホットペッパーグルメになります)
 とはいえ、コロナ前からの全体的なトレンドとしては減少傾向ですから数年前のような集客力に戻ることは期待できないでしょう。一休に関しては特定のシーンで使う媒体として位置づけられているので、まだ微増していきそうですが、今後のSNSからの予約がスムーズにできるようになってくるとまた、流れは変わってくるかもしれません。

【ワードボリューム昨年同月対比】

昨年(2021年)同月対比

【コロナ前2019年7月対比】

2019年7月対比

 グルメ媒体系ワードは2019年対比では大幅に減少してきています。食べログで70%前後、ぐるなびで50%前後、ホットペッパー50%前後とどの媒体も大幅に落ちています。一休だけがまだ回復しそうではありますが、その上昇幅も大きくは期待できなさそうです。

4.テイクアウト、デリバリー系ワード(東京、神奈川、大阪、福岡)

Googleトレンド  (期間2012/1/1~2022/7/31 2022/8/4に取得)
【テイクアウト、デリバリー系ワードの推移比較】※週次推移です。

 テイクアウト・持ち帰り系ワードは微減傾向ですが、すでにマーケットとしてある程度形成され習慣化されてたと言えるのではないかと思います。それほどウォッチしても変化がないものになってきましたので、いったん今月までで推移をみるのは終わりにしたいと思います。

【コロナ前(2020/3/8~14)と7月末(2022/7/24~30)の比較】


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