Vol.9 ウォッカ(Vodka)について①
※こちらの記事は過去にアメブロに記載していたものをベースに修正したものを載せています。
前々回まで、ジンに関連の話を書いてきたのに、間違って間にブランデーを挟んでしまいましたが、再度ホワイトスピリッツに戻ってという事で、本日は、ウォッカについて書きたいと思います。
強いお酒のイメージのあるウォッカですが、実際のアルコール度数はは、ジンやラム、テキーラなどの他のホワイトスピリッツと変わらない40度程度。
一部極端に強いスピリタス(アルコール度数96度)というお酒があり、このイメージのせいで非常に強いお酒のイメージが付いたのではないかと思います。これ以上強くするとウォッカではなく、工業用アルコールに分類されてしまうので、基本的にこれ以上の度数のものはお酒としては、存在しません。
ちなみにこのお酒『火気厳禁』と記載されています。
『神風(kamikaze)』というアメリカ生まれのウォッカベースカクテルがあるのですが、たまにお酒に異常に強いお客様が、上記のスピリタスをベースに作ってくれと言う依頼もありましたが、、、常人にはあまりおススメしません。。。
ちょっと話がそれましたが、ウォッカの名前の由来についても記載したいと思います。
第一回目のGin(ジン)の中でも触れたのですが、古くからあるお酒は元々は薬だったものが多く、
このウォッカも語源をたどると『命の水』になる。諸説あり、ロシア語の『voda(ワダ)』、ポーランド語の(ヴォーダ)が有力だと思います。
(どちらもも水の意味)
お酒としての特徴は『無味・無臭』で、原材料もさまざまな穀物やジャガイモなどから作られます。しかしながら、無味無臭とはいっても、やりすぎると先ほど記載したように工業用アルコールになってしまいますので、90数%で蒸留をやめ、さらに白樺の炭で活性炭処理をし、ろ過をしています。
使われる蒸留器も連続式蒸留器(パテント・スチル)というもので、段になった構造で連続的にもろみを流しいれることができます。また、単式蒸留器(ポット・スチル)が1回の蒸留で3~4倍程度にアルコールを濃縮できないのに対して、96度程度まで一気に行えると言った特性があります。一気に蒸留ができる分、蒸気に含まれる雑味成分が少なく、クリアになります。
また、その後さらに活性炭処理を行うことによって、残っていた雑味成分も取り除き、あの無味無臭のウォッカが出来上がります。
この無味無臭と言った特性から、カクテルのベースにされることが非常に多いです。その昔はジンベースが多かったのですが、ソルティードッグも最初はジンベースでした。ウォッカベースになっていったのは、アメリカの影響が大きいでしょうね。
また、私がバーテンをやっていた20数年前と比べるとメーカーやバリエーションもかなり増えました。
フレバード・ウォッカといったウォッカに香りをつけた商品も非常に増え、さまざまな物が楽しめるようになって来ています。最近のクラフトジンに倣って、クラフトウォッカなるものもあるようですが、個人的には????です。
ジンと違い無味無臭が売りのウォッカなのに癖出しちゃダメですよねww。
次回は、ウォッカ系のカクテルについて書きたいと思います。