飲食店マーケティングの為の『フードデリバリー系ニュースまとめ』(2022/5/1~5/31)
5月のデリバリー系ニュースを取りまとめましたが、6/1にdoordashがwoltの買収を完了させ、日本はwoltブランドで展開に統一するといったニュースが入ってきましたのでこちらに反映させています。日本でのデリバリープラットフォーマーもUberEats、出前館、wolt、menu、エニキャリと絞られてきましたが、現状は上位2社が圧倒的といった感じです。各社クイックマート系への進出を図っていますが、海外でもまだうまくいっていないところを見ると収益化まではしばらくかかるでしょう。(ニュースの中でgorillasを取り上げていますが、本体の大幅人員削減(半減)で少しでも収益化に近づけようとしています。)そうするとかなりの資本力が必要となってきますが、ここを最後まで耐えきれるか?で勝敗は決まりそうですね。
フードデリバリーの市況としては、5月はゴールデンウィークもあったこともあり、悪くないといった感じです。イートインに注力する店舗も多く、デリバリーアプリへの掲載店舗も少なくなってきていることから、競合状況も緩和され、キチンと運営をしているところは売上が上がっているといったことが見られます。一方で残っている店舗は本気でデリバリーに取り組んでいるところが多いため、片手間での参入では勝てなくなりつつあります。
1.一般ニュース
・「楽天ぐるなびデリバリー」終了へ 競争の激化などで
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2205/18/news141.html
フードデリバリー事業「楽天ぐるなびデリバリー」と、テイクアウト「楽天ぐるなびテイクアウト」のサービスを7月24日に終了するとのことです。
デリバリープラットフォーマーの勝ち負けが徐々にはっきりとしてきましたね。
・ドイツの食料品アプリGorillasが利益を求めてスタッフを削減
https://economictimes.indiatimes.com/tech/startups/german-grocery-app-gorillas-to-cut-staff-in-search-of-profit/articleshow/91778767.cms
ドイツの食料品配達アプリ gorillasが急速な拡大から利益を上げることに焦点を移すにつれて、 ゴリラは300人を解雇し、管理スタッフを半分に削減すると、最高経営責任者のKaganSumer氏は語っている模様。14,000台の自転車配達業者は影響を受けないらしい。
・【飲食店のデリバリーサービス導入後の課題】導入後に課題を感じた経営者は8割超!操作が複雑などさまざまな課題が明らかに!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000099828.html
Tokyo Smart Restaurants合同会社は、デリバリーサービスを導入している飲食店経営者を対象に、「デリバリーサービス導入後」に関する調査を行い発表しています。詳細はリンク先をご覧ください。
下記の課題に挙がっている内容をみるとうまく活用できていないお店さんが多い様に感じました。このあたりは、これまでの固定概念を捨てていかないと解除できないでしょう。ほとんどがお店さんがこの様なことに陥っているのでここをクリアできたお店は一気にシェアを奪える可能性が高いですね。
■デリバリーサービスの運用における課題とは?
・売上になってはいるが、配達料や梱包材料等の負担を考えるとあまりプラスにはならない(20代/女性/熊本県)
・ランダムな時間に遠隔の注文が入り、店舗スケジュールが上手く回らないことがある(20代/女性/東京都)
・店内が忙しい時に注文が入ってしまうと、そちらが優先になってしまう(30代/男性/大阪府)
・顧客が固定しにくい。認知度が上がらない(30代/男性/埼玉県)
・オペレーションが複雑になった(40代/男性/愛知県)
・利益率が下がり、店内営業が弱くなった(50代/男性/大阪府)
・関東最大級の弁当宅配デリバリーサイト「お弁当デリ」が需要にお応えし、サービス提供エリアを宮城県・広島県へ拡大!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000047124.html
関東最大級の法人・団体向けの宅配弁当のデリバリーサイト「お弁当デリ」は2022年6月1日(水)、宮城県・広島県での弁当デリバリーを新規OPENしましたようです。
・つけ麺【つじ田】新しい飲食のカタチ「フードブランドシェアリングサービス(TM)」をローンチ、第一期加盟店募集を開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000048178.html
rメニュー提供型のFCといった感じですね。商品のほぼ全てをPB商品で固められるメニューだとこういったモデルが考えられます。ただ、店舗がない条件での販売になるので、本当のブランド力が試されます。イートインでの販売はいいですが、デリバリーにおいてはその名前でのクロージング力がなければ、あまり意味がないといったことになる可能性はありそうです。
・フードデリバリーに特化したフランチャイズマッチングプラットフォーム『huriuri(フリウリ)』のβ版の提供を開始しました
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000038052.html
フードデリバリーに特化したプラットフォームの様です。あえてフードデリバリーに絞っているのは何か理由があるのか?は気になります。β版の提供ですので、今後色々と改善をしていくのかと思います。
・米ウォルマート、ドローン宅配拡大 400万世帯に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN24EWD0U2A520C2000000/
米小売り大手ウォルマートは24日、ドローンによる宅配サービスをフロリダやテキサスなど6州の400万世帯に拡大すると発表した。オンラインでの注文から最短30分で自宅の庭や敷地内に届ける。米国民の9割を半径16キロメートル圏内におさめる4700店の店舗網を生かし、ドローン配送を本格導入する。 アメリカでは先んじてドローン配送が進みそうですね。ドローン運用を通じて得た空撮画像は自治体や建設・不動産会社などの地元企業に販売し、配達コストを相殺する方針とのことでこの辺りもうまくいく様であれば実用化にされに弾みがつきそうです。
・ヨシケイがミールキット「Cut Meal(カットミール)」をリニューアル!肉増量&カット食材の種類増加
https://bike-delivery.net/news/2022/05/yoshikei-cutmeal/
海外ではミールキットのマーケットが拡大していますが、日本のミールキットも変化しているのかもしれませんね。
2.フードデリバリーアプリ関連
①Uber Eats
・Uber Eats、全国のイオンモールからデリバリー
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1413317.html
Uber Eatsは、6月1日より、全国62カ所のイオンモールからのデリバリーを開始する。'21年より11カ所のイオンモールで試験運用していたが、本格的に導入を開始する。年内には対象モールを拡大し、約1,000店舗を超えるテナントからのデリバリーを目指すらしい。
・Uber Eatsで宅配スーパー「OniGO(オニゴー)」のデリバリー開始!
https://bike-delivery.net/news/2022/05/ubereats-onigo/
10分で食料品や日用品を届ける宅配スーパーを運営し、日本発クイックコマース(即時配達)市場を牽引するOniGO株式会社は、デリバリーサービスUber Eats(ウーバーイーツ)から、OniGO商品をお届けするサービスを開始しました。
・Uberが「自律式ロボットや自動運転車によるフードデリバリー」のテストを開始
https://gigazine.net/news/20220517-uber-eats-autonomous-food-deliveries/
・Uber Eats、 5 月 31 日から石川県小松市でサービス開始!
https://www.uber.com/ja-JP/newsroom/uber-eats-komatsu/
・Uber Eats Market、3 号店がオープン
https://www.uber.com/ja-JP/newsroom/uber-eats-market-3/
Uber Eats Market は、お客さまの日々の生活に欠かせない食品・日用品の専門店です。
②出前館
・『出前館』のゴーストレストラン事業「DeKitchens」本格的に展開を開始!2022年中に300店舗まで拡大を予定
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000316.000029254.html
③Wolt
・おもてなしデリバリー「Wolt」 中京圏に初進出!2022年5月26日(木)より名古屋市でサービス開始!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000089.000051508.html
名古屋地区でのサービスも開始した様です。
「Wolt」にゼンショーホールディングスが加盟「ココス」「ジョリーパスタ」など全国105店舗でデリバリーを開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000091.000051508.html
どちらかというと町の個店の名店を集めている様な感じで進めていましたが、やはりそれだけではマーケットの拡大が厳しいのでしょう。チェーン店も絡めて来ていますね。
・法人向け配送プラットフォーム「Wolt Drive」コストコホールセールジャパンに即時配送サービスを提供
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000090.000051508.html
2022年5月23日「コストコ川崎倉庫店」よりスタート 倉庫店で購入した商品を15キロ圏内に最短120分でお届けするとのこと。
「Wolt Drive」はWoltが法人向けに提供する「サービスとしてのデリバリー(DeaaS:Delivery as a Service)」です。通常30分程度での商品の即時配送を希望する様々な企業が、Woltのアプリやウェブサイトに店舗ページを開設することなくWoltの配達システムを利用することが可能らしいです。
④DiDi Food 5/25撤退
⑤DoorDash 8/31(woltに集約)
・ドアダッシュ終了。日本ではウォルトに集約
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1413946.html
フードデリバリー大手の米DoorDashは1日、同じくデリバリー大手のWolt Enterprises Oy(Wolt)の買収完了を発表した。DoorDashは、米国を含む世界27カ国において事業を展開することになるが、日本においてはDoorDash(ドアダッシュ)ブランドの事業を止め、Wolt(ウォルト)ブランドに集約する。
他国よりも統合のスピードが早く感じますが、予想された通りになって来ています。配送効率も含めどこが早く黒字化に到達できるか?の勝負ですね。以前よりもデリバリーは浸透したのは間違いないですが、海外と比較するとまだ、注文単価が低い(一人利用の比率が高い)こともあり配送費比率が高いといった構造もあり、なかなか効率が高まらないということもありそうです。
⑥menu
・menu株式会社代表取締役副社長就任のお知らせ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000125.000046860.html
KDDIから副社長が派遣された様です。下のフェアーとかを見ても分かりますが、株式を取得したことにより、KDDIのコンテンツとの相乗効果を狙った戦略になっていくでしょう。
・menuとKDDI、auスマートパスプレミアムで何度でも「配達料無料」KDDI、menuに追加出資。日用品や食料品のデリバリーも強化
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000126.000046860.html
KDDIがmenuの株式を新規に取得し、副社長にKも人材を派遣しており、今後一層関係を深めていきそうです。その流れでクイックコマースの拡充を図ってきている模様です。クイックコマースへの参入はなかなか厳しい道のりだと思いますが、そちらに進むしかないのでしょう。。
・世界の高級酒から幻の銘酒まで。デリバリーアプリmenuが地域最大級の品揃え「ケントボーイズ」の商品をお届け!京都エリアで 5月27日(金)よりサービス開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000124.000046860.html
・デリバリーアプリmenuが「大槻食品館・キャロット」の商品をお届け!札幌本店と併せて3店舗で 5月24日(火)よりサービス開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000121.000046860.html
物販系との提携を進めているようですが、クイックマートへのシフトを図ろうとしているのか?戦略がいまいち見えてこないですね。
⑥エニキャリ
・エニキャリ、大田区へクイックデリバリーサービス提供エリア拡大
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000046.000056779.html
コツコツとエリア拡大していますが、実態としてどれくらい稼働しているのか?は気になります。
・フードデリバリー配達員が飲食店で気軽に休憩できるサービス「YUM JAM pass」始動
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000044.000056779.html
株式会社エニキャリが運営母体の配達員の未来を創るプロジェクトデリバリーCITYは、合同会社YUM JAMと協業し、フードデリバリー配達員が休憩時間に客として気軽に飲食店を利用することができる配達員応援サービス「YUM JAM pass(ヤムジャムパス)」の提供を本日5月10日より開始しました。
「デリバリーCITY」会員アプリを加盟店で提示することで割引などの歓迎・優遇を受けられる配達員向けのサービスです。配達の合間に「客としてバッグを持って飲食店に入りづらい」といった配達員の気兼ねを解消し、お店にとっては閑散時間帯の売上拡大につながる双方Win-Winのサービスとなることを目指します。