大人がマジで遊べばそれが仕事になる
“大人がマジで遊べばそれが仕事になる”
自由人・高橋歩の、この言葉がおれは大好きだ。
大学時代図書館で何気なく手に取った本に書かれていた言葉で、初めて見たときは衝撃を受けたのをいまでも鮮明に覚えている。
最近忘れかけていた日常の中で、この言葉をふと思い出した。
そうだ。
すべての仕事は遊びから始まるのではないか。そんなことを考えた。
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おれは大学時代、演劇にドハマりした。
それはおそらく、少年時代「ごっこ遊び」が大好きだったからなのではないかといまになって思う。
とにかく時間を見つけては、ヒーローや漫画のなかのキャラクターになりきって遊んだ。
自由帳のなかで、自分が作り出したキャラクターどおしを戦わせたりなんかもよくしていた。
演劇はその遊びの延長線だったんだ。
かつて自由帳に描いていたキャラクターに舞台上で命を吹き込むことができた。そして自分もそのキャラクターになりきることができた。
これほどおれにとって楽しい遊びはなかった。
それだけではない。
おれの本気の遊びを見たお客さんが、笑ってくれる、泣いてくれる、元気を出してくれる、時には何かを始めるきっかけにもなったりする。
これで食っていけるかどうかは置いておくと、初めて遊びが仕事になった瞬間だった。
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好きなことを仕事にしている人って、もしかするとみんな遊びの延長線上にいるのかもしれない。
放課後の友達とのキャッチボールから始まった野球選手。
休み時間のお絵かきから始まった漫画家。
夏休みの自由研究の図画工作から始まった建築家。
秘密基地作りから始まったゲストハウスのオーナー。
子供のころに夢中になった遊びの延長線上で、大人になったいまも全力で遊んでいるのかもしれない。
プレイヤーとは、play(遊ぶ)er(人)なのだ。
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おれたちは少年時代、ドッヂボールがしたけりゃ校庭に走った。秘密基地が作りたけりゃ木や草をかき集めた。
誰もが自分の欲求にまっすぐになって目の前を生きていた。
大人になったらそれができなくなる。
もちろん遊びの規模は大きくなるけど、何かをやりたい気持ちがあっても、まずはリスクを考える。周りの目を気にすることから始めてしまう。
これはほんとにもったいないことだと思う。だから、純心を忘れた大人にだけはなりたくない。
一生バカのままでいたい。バカにされたって、バカであり続けたい。
でも逆に大人になって、できるようになることもたくさんある。
いちばんはお金を生むことができることだ。
お金を生めるということは、誰かの役にたっているということ。
大人になったおれたちは、人の気持ちを考えられるようになる。つまり誰かにとってのニーズを考えられることになる。
自分の遊びが、どこの誰にとってニーズがあることなのかを考えられるということだ。
これは子供にはできない。
だから、子供みたいな大人がマジで最強だ。Mr.Childrenになるべきなんだ。
面白そうなことに躊躇なく飛び込んで、そのガチな遊びに誰かを巻き込むことができる。そんな大人だ。
いうなれば、プロ少年だ。
遊びの達人であり、遊びでお金を生む達人。これになれたら絶対に成功する。誰よりも自由になれる。
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学校に通っているとき、遊ぶことはそんなに許されることではなかった。
遊びは休み時間か、放課後から門限までだけだった。
それ以外の時間は勉強をする。
そしていつまでも子供のままでいてはいけない。
もっと大人になって現実を見なさいと、そう諭された。
それが良しとされる子供時代をほとんどの人は生きてきたはずだ。
でももう義務教育は終わった。
こっからは死ぬまでが自由時間なのだ。
好きなことを好きなだけやったって怒られない。
あなた次第で人生はどうにでもデザインできる。
さぁ、靴をはいて。
アナタハ ナニシテ アソブ ?
基本的に記事は喫茶店で書きます。その時のコーヒー代としてありがたく頂戴いたします。