#6 面接はタダの運
って言ったら元も子もないけど、運は超重要。なにが言いたいかと言うと「落ちても『運が悪かっただけ』と思ったほうが気持ちが楽になる」
君たちも人間、僕たちも人間。
面接である以上、面接官とのフィーリングもある、横に座った学生との相性もある、面接の順番もある。もしかしたら前のコマの学生がとんでもない怪物だったかもしれない。天才だったかもしれない。
今日面接を一緒にやる予定だった学生がドタキャンして、二体二のグループ面接の予定が一対二の個別面接になるかもしれない。
そんな様々な要素が面接にはあって、それぞれが複雑に絡まりあう。
だから、落ちたとしても運にすればいい。通過したら実力だと思えばいい。
そんなエピソードをひとつ。
ある年の一次面接で、めちゃめちゃ暗い学生がいた。
何を聞いてもネガティブな答えしか返ってこない。でも使う言葉や単語はキレイで、どこかそれに魅力を感じる自分がいた。
僕「なんで広告目指したの?」「なんで弊社?」
学生「人の心動かしたいと思ったのです」
↑ここまではマジで普通の学生。
僕「じゃあなんで人の心を動かしたいの?」
前回のnoteに書いたように、僕は「なんで?」を繰り返した。
そして、ここから先の答えで僕は恋に落ちた。
学生「人の心が強く動くタイミングって劣等感や悲しみを感じたときだと思うのですが、広告やマーケティングって劣等感や悲しみだけではなく喜怒哀楽全部使ってモノやサービスを売ろうとするじゃないですか。私は私の歩いてきた道をバカにしてきた知人たちに自分の関わった商品を買わせて、そいつらの感情をコントロールしてやったんだぞって思いたいんです。あなた方は私に悲しみしか与えることができなかったけど、私はあなた方を楽しい気持ちにも悔しい気持ちにもさせられるんだぞって」
もう、ネガティブの塊。原文ママではないと思うが。でも、言葉の力と強い意思を感じた。
全員の面接が終了したあと、もう一人の面接官と振り返りを行いお互いのお気に入りを二人ずつあげたのだが、そこに彼女の名前はなかった。
僕たちに与えられたのは残り一枠。
僕はESを指さしながら年上の面接官にこう言った。
「この子、超ネガティブだったけどなんかヤバかったです。ウチの会社がこの子をどう評価するのか見てみたい」
彼女は今、ウチの会社で一番大きいチームにマーケとしてアサインされ、引く手あまたの活躍をしている。