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【小樽】かまぼこ観変えた、かま栄のパンロール



🐟️かまぼこと私

書き出しが作文のようなタイトルとなってしまったが、みなさんは1年間にどれだけかまぼこを食べていますか?

日本かまぼこ協会(https://www.nikkama.jp/)によると、水産ねり製品の購入金額は1人当たり年間3,000円、1世帯にすると約8千円強とのこと。1人当たり3,000円という数字に、なんとなく納得する。

日本かまぼこ協会「都道府県・都市別支出水産練り製品ランキング」より引用

私にとってのかまぼこは、お正月とおでんの具。かまぼこが食卓に登場するのは1年に数回しかない。

かまぼこをわさび醤油で食べる板わさ(いたわさ)は好きだが、特に毎日食べたい訳でもない。おでんの具には、ちくわや練り製品の揚げ物が登場するが、それもどちらかと言うと消極的な理由で、おでんの中ではモブ的立ち位置。

「かまぼこ大好き!」と公言している人に私は会ったことがないし、かまぼこは好き・嫌いで語られるものでもないと思ってた。

かま栄に会うまでは。


🫓人生変えた、かま栄のパンロール

8月下旬に北海道旅行をして、小樽で行列必死の回転寿司に向かった。回転寿司の待ち時間は5時過ぎにも関わらず既に1時間以上の見込み。

小樽には、地元で愛されている1905年創業のかまぼこ店があるらしい。「どうせ暇だし、行ってみようか?」というノリで、小樽のローカルかまぼこ店「かま栄」に行ってみることにした。

かま栄

行ってみると期待以上にかまぼこのラインナップがあった。どれを食べようか迷うほど。

美味しそうなかまぼこが並ぶ

メニューのセンターは、パンロール。パンのかまぼこが鎮座していた。

まるでパン屋さん

一体、誰がかまぼこをパンで揚げようと思ったのか?小一時間問い詰めたい衝動にかられたが、絶賛おすすめされているので買ってみることにした。

パン屋さんでパンを買う感覚である

そして、本当に期待してなかったのだが、この一口が我が家の人生観、いや、かまぼこ観を変えるのであった。


🍞パン✕かまぼこの組み合わせをなぜ思いついた?

かまぼこ観を変えた、かま栄

結局、二泊三日の北海道旅行で、かま栄には3回通った。

晩ごはんの前の夕方にかまぼこ。
ランチに海鮮丼をがっつり食べに行く前にかまぼこ。
眠気覚ましの朝食としてかまぼこ。

スナック的感覚で通った。

見学は無料、予約不要

お店では工場見学もガラス越しにできるので覗いてみたりもした。

具材を乗せる人、丸める人。全てがチームプレイ

見学通路では解説ビデオが流れていた。量を測らなくても均等に分けることのできる職人技。左手で作業しながら、右手では次の作業の段取りをしている動作。ムダな動作がひとつもなく、「動作経済の原則(作業者が作業を行う時、最も合理的に作業を行うために適用される経験則)」に則ったオペレーションに感動して、さらに買い求めることになった。後悔はしていない。

かまぼこの工程

パンロールは昭和37年に先代社長の佐藤公亮氏が発明したオリジナル商品ということも知った。「スナック感覚で食べるかまぼこ」を追求した結果、すり身をパンで包むという発想に至ったらしい。昭和37年、西暦でいうと1962年に?いや、すごすぎる。てっきり、SNS映え文化で生まれた発明だと思ってた。

ホームページには、「当時のかまぼこの世界では有り得なかった常識破りの製法でした」と書いてあったが、現代でも思いつかない発明だと思う。かまぼことパンのハーモニーがすごすぎるよ!!

揚げ立ての食感はこれまでのかまぼこにはなかった、まったく新しい感覚。すっかり、私のかまぼこ観を変えてしまった。


🫓かまぼこを見る目が変わった

今日、旅行から帰ってきて、娘とスーパーに買い物に行った。いつもは素通りしていた練り物コーナーの前で、私たちは妙に反応してしまった。いつものように素通りしたのだが、後ろ髪を引かれる想いで売り場を立ち去った自分に気づく。無言で売り場を離れたあと、娘がぽつりと言った。

「かま栄、美味しかった。あれは、人生、変えた。私、これから、かまぼこを見る目が変わると思う。」

「だよね。」

思ってることは同じだったようだ。かま栄のかまぼこは、私にとってもかまぼこに対する見方を変える出会いだったと思う。

先入観を持って、好きなものは好き、嫌いなものは嫌い。白か黒か。YESかNOか。そうやって、知らないまま生きていることがきっとたくさんあるのだと気づく。

既に人生の折り返しコーナーを曲がってしまった私だが、これからは知らないことに積極的に出会っていきたいと思った。かまぼこの教訓を得た夏であった。


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終活ライターみん
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