見出し画像

人事ってなにもの?

こんにちは。とあるベンチャー企業でひとり人事をしている朱夏です。

先日、マンガ感想文なるものを投稿したときにふと、
自分の仕事についてちゃんと書いていなかったなぁと思いまして。
自分の仕事の棚卸しも兼ねて、改めて書いてみようというのが今回の趣旨です。

人事キャリアの発端は前任からの丸投げだった

自己紹介記事でも書きましたが、私は最初から人事だったわけではありません。

営業事務として今の会社に入り、研修教材の誤字脱字をチェックして修正したり、何十部も印刷して段ボール箱に詰めて会場に発送したり、顧客へ請求書を発行したり、といった庶務的作業がほとんどでした。
(私自身、単純作業やルーティンワークは好きな部類なので、これはこれでとても充実していました)

採用を担うことになったのは、当時の新卒採用担当が新規事業に集中するからということで丸投げされたことが理由です。

採用のさの字もわからないまま2018年卒の新卒採用を始めることになり、正直「なんで私が…」と思う日もありましたが、
持ち前の「任されたらなんとしてもやろうとする責任感」によってなんとか食らいつき、4名採用目標に対して3名採用という成果を出しました。

現場の火消しから広がる領域

新卒採用が一つの成功体験となって、私に任される仕事はどんどん広がっていきましたが、大体は現場で突如起きた騒動の火消し的役割でした。

先のお話に出てきた前任は、新入社員育成の責任者でもあったため、
「採用担当だし、朱夏さんも育成企画のプロジェクトに参画してよ」という理由でプロジェクトに放り込まれて企画の監督役を任されることもありました。

労働基準監督署から定期調査のお知らせが来た時は
「んー……なんかよくわかんないけど、これ朱夏さんお願いできる?」ということで、慌てて就業規則を労基署に提出し、今まで作っていなかった労働者名簿やら賃金台帳やらを作成し、未払い時間外手当の計算と遡及支払いまでのフローを一から作ったりなんかをしました。
労基署に対して正直に申告しつつ、会社が不用意に突かれたりしないような資料提出とその後の対応を求められた点で、とても気を使う作業でした。

メンタル不調者が出たときは「デリケートな話だし、朱夏さんからフォローしてくれない?」となり、会社でも初めての傷病手当金の申請の仕方を一から調べてメンタル不調者との面談を重ね、なんとか復職まで持ってくことができました。

人事考課の結果、降格する人が出れば「朱夏さんから給与の話してくれない?」となり、そもそもその降格は労基法的に大丈夫なのかわからないからエビデンスになるものを片っ端から探し、アウトなら他の選択肢を出しながらどうすればいいのかを話し合いました。(これだけまだ現在進行形ですが…)

そんなこんなで、採用だけ担うつもりだったはずが、
気づけば育成、労務、制度にまで片足を突っ込む事態になっているわけです。
しかも1人で。

私はあまり自分でやったことを自分で褒めるのが得意ではありませんが、
改めてここまでやったことを眺めると、さすがに「よくここまでやったな自分」と思います笑

事実として最初は丸投げであったものの、こういった偶然性によってキャリアに新しい選択肢が生まれることはザラですし、私自身この仕事の楽しみ方を見出そうとしているので、感謝とまではいかないですが「ま、いっか」くらいに思っています。

人事とは、組織の地図を描く者である

ここまで自分に任される領域が広がって、ようやく私の中に「人事とは何者なのか」が見えてきました。

私が企業人事の仕事について人に話すとき、いつも想起しているのが
タイトルに描いたイラストのような景色です。

企業理念の実現を根底に置き、組織全体を見渡しながら
従業員の方たちが健やかに働けるように既存の制度を見直したり、新しい制度や
新しい人を採用したり。

人事もその会社の社員ですし、施策を考えるときはやはり現場で働く人たちと同じ目線で考える必要はありますが、常に同じ目線であることはかえって危険だと思っています。

組織全体を見据えて何かを決めたり、捨てたり。
その結果発生する現場の人たちからの率直な意見(賞賛も批判も)を真正面から受け止める責任がある。
そういう意味で、人事とはやはり、現場で働く人たちと一線を画さなければいけないと、最近思うようになりました。

****

「人事」と聞くと、いま流行りの「戦略人事」「CHRO」といったキーワードを浮かべる人もいるかもしれません。
明確で壮大で素晴らしいビジョンに沿って、組織を動かす行動力を駆使して、画期的な人事施策をどんどこ推進していく。

こういった人事の存在は絶対に必要ですし、このような在り方を常に追求していかなければならないと思います。
が、実際のところは他の職種と同様に、日常現場で起きている有象無象の火消しに追われることもあります…!

現場に目を向けながらも中長期的なビジョンを見据えて日々行動する。
このミクロとマクロのバランスがとても難しくて私自身は全くできている気がしないのですが汗
バランスを追い求めて試行錯誤することは忘れないでいきたいものです。
(あと、現場の人たちの意見を真正面から受け止められる強靭な精神も追い求めていきたいです汗)


それでは今日はこの辺で( ˘ω˘)

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集